健やかに美しく人生を過ごすには、女性の体には欠かせない栄養素があります。「女性の人生に必要な栄養素」連載第6回は「ビタミンE」です。
これからの季節の女性の悩みと言えば「冷え性」。現在、約7割の女性が冷え性に悩んでいるといわれています。中でも手足の先が冷たくなる末端冷え性が多いようですが、ひどい人は手足の感覚がなくなるほどだとか。実はそんな冷え性に効果的な栄養素がビタミンEなのです。
ビタミンEを語る上で最初に外せない大きな特徴はその強い『抗酸化作用』です。呼吸により体内に取り入れられる酸素。この酸素の一部は活性酸素というものになります。この活性酸素は増えすぎると動脈硬化を引き起こしたり、体内の脂質を酸化させます。この酸化した脂質(過酸化脂質)は細胞を傷つける原因に。これを細胞の老化と言います。老化という言葉、女性なら誰しもどきっとしますよね。ビタミンEはこの有害な過酸化脂質の生成をおさえ、細胞の老化を防ぎます。老化を防ぐビタミンと聞いたら、今すぐ摂りたくなりますよね。
ビタミンEは末端の血管を拡張し、血流を促進する働きをします。また、ホルモン分泌を調節する働きもあるため、自律神経の乱れにも効果的。結果、筋肉で作られた熱が手足の先まで送り届けられるのです。 そもそも女性に冷え性が多い一番大きな理由は、筋肉量の少なさにあります。熱は筋肉で作られるため、筋肉量の少ない女性は熱が作られにくいのです。筋肉で作られた熱は、血液によって体の隅々まで運ばれます。そのため女性に多い鉄欠乏性貧血だと熱が上手く全身に運ばれないということに。また、女性は男性に比べて月経、妊娠、出産、更年期などホルモンが変動するため、自律神経に大きく影響します。自律神経は体温調節や血管の拡張•収縮にも関わるため、血流が滞ったりそれによって熱が全身に運ばれない状態になりやすいというわけなのです。
ビタミンEを多く含む食品にはこんなものがあります。
【野菜類•果物類】
かぼちゃ、大根の葉、モロヘイヤ、赤ピーマン、バジル、あしたば、ほうれん草、春菊、ニラ、クレソン、ブロッコリー、アスパラ、アボカドなど
【魚介類】
サーモン、ツナ(オイル漬け)、あゆ、いくら、たらこ、うなぎ、かじき、銀ダラ、あなごなど
【種実類】
アーモンド、くるみ、落花生、松の実、ぎんなん、ごまなど
【油脂類】
とうもろこし油、菜種油、亜麻油など
ビタミンEの多いバジルとくるみの組み合わせ。作ったあとは酸化防止のため冷暗所に保管し、なるべく早く食べきりましょう。
サーモンとアボカド。女性の大好物を合わせた一皿でビタミンEをしっかり補給できるなんて嬉しいですね!
かぼちゃのビタミンE含有量は野菜の中でもトップクラス。ビタミンEはマヨネーズ(脂質)と一緒に摂ることで効率よく吸収されます。
小腹がすいた時に手軽にビタミンE補給できるおやつなら、食べる罪悪感もなくなりますね。
「冷えは万病のもと」。そのほか、食べないダイエットなど極端に食事量を減らすなどしない。筋肉量を落とさないようにウォーキングなど適度な運動をする。冷たいものを食べたり飲んだりしすぎない。おしゃれのためとはいえ、寒い季節には首や足首を露出する、素足で短いスカートを履くなどは控え、体を冷やさないようにするなど、毎日ちょっとずつ冷え対策を行いましょう。冷えしらずの体になれば、きっと元気にこれからの季節を乗り切れますよ。