ダイエット中でカロリーを気にして朝食を摂らないようにしているという方はいらっしゃいませんか? もしかしたらそれが痩せない原因かもしれません。ダイエットだけでなく、毎日を元気に過ごすためにも大事な朝食。なぜ朝食を摂る必要があるのかご紹介します。
朝食欠食率は特に20〜40代で高く、男性は4人に1人、女性は6人に1人朝食を摂っていないという結果が出ています。(平成24年度国民健康・栄養調査より)
朝食を摂らない理由として、ダイエット中のためカロリーを気にして朝食を摂らない、朝バタバタしていて朝食を摂っている時間がない、夕食の量が多いか、もしくは夜食を食べるために朝お腹が空かない、などといったことが挙げられます。
朝食を抜けばその分のカロリーは節約され、1日の摂取カロリーは減るはずなのに、なぜ逆に太りやすくなるのでしょうか?
朝食を抜くと太りやすくなる理由には以下のようなものが挙げられます。
①基礎代謝が低下し、脂肪を分解する力が弱まる。
②エネルギー不足により、体が飢餓に備えてエネルギーを溜め込もうとするため、効率よく脂肪が蓄積される。
③次の食事で血糖値が上昇しやすくなり、それによって血糖値を下げるホルモンであるインスリンが大量に分泌される。インスリンには糖が中性脂肪に合成されるのを促す働きがあるため、脂肪が蓄積されやすくなる。
④他の食事の1回摂取量が多くなり、過食につながる可能性がある。
朝食を抜くことによって摂取エネルギー量が減って痩せるというより、代謝の変化によって消費エネルギー量が減って肥満の原因になる、ということです。
人間は昼夜の変化や季節の変化など自然環境に合わせて生体リズムをコントロールする機能が備わっています。この生体リズムをコントロールしているのが『体内時計』です。
1日は24時間ですが、人間の体内時計は1日25時間の周期を持っており、1時間のズレがあります。このズレをリセットするために朝の光を浴びることと、朝起きて食事をすることがとても大切です。朝の光を浴びることにより「時間遺伝子」が働き、体内時計をリセットします。また朝起きて食事をすると脳のエネルギー源となるブドウ糖が補給され、脳の働きが良くなったり、体調を整える内分泌系のホルモンや自律神経を正常に働かせるなど、朝食は健康維持には欠かすことができないものです。
毎日1日3食、規則正しく食事をすることで生体リズムを守ることができます。その生活を続けていると、食事の時間の前には空腹感が出てきます。その空腹感こそ体内時計が正常に動いている証拠なのです。この状態で食事をすると効率よく栄養素が吸収されます。 逆に不規則な生活を続けていると体内時計が狂い、効率よく栄養素を体内に摂り入れることができないだけでなく、睡眠障害などの不調を招いてしまいます。
「糖質」と「たんぱく質」の2つの栄養素がそろっていると時計遺伝子が活性化すると言われています。朝食では「糖質」と「たんぱく質」を意識して取り入れてみましょう!
朝ご飯をしっかり食べて、健康的なダイエットを心がけましょう。
神戸学院大学栄養学部を卒業後、2年間病院にて栄養指導や給食管理業務に携わる。その後、結婚・出産を経て、現在2児のママでありながら、クックパッドダイエットラボに所属し、特定保健指導を中心にメタボリックシンドロームの方に対してダイエット指導を行っている。
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