部活やクラブなど、スポーツをしているお子さんを持つお母さんは、「子どものカラダのために、どんな食事を作ってあげたら良いかわからない」という方も多いはず。サッカーの長友佑都選手の専属シェフ・加藤超也さんに、ジュニアアスリートメシを教えていただきます。本連載では、一流アスリート用のレシピに対する考え方はそのままに、読者の皆さんに“お家で簡単に作れるレシピ”を考案。お子さんがもっと活躍すること間違いなしです!
僕がアスリートの食事を作る上で大切にしていること、それはたんぱく質の摂取です。スポーツをするカラダは、通常より筋肉の使用が増え、消耗・疲労している状態に陥りやすいのです。筋肉の修復には、良質なたんぱく質の摂取が不可欠です。
海外で仕事をしていて感じることは、日本の食事は炭水化物の比率が多い。それに比べ、海外ではお肉やお魚を多く摂取しています。スポーツをする上で、丈夫なカラダを作るには、たんぱく質の摂取が非常に大切。そしてこれはジュニア世代にもおいても同様なのです。
難しく考える必要はありません。例えば、目玉焼きを焼いて食べる、だけでもOK。食事でその都度、たんぱく質を摂ろうとする意識を持つことが大切です。
今回は「良質なたんぱく質の摂取」をテーマに考案した鶏むね肉のレシピをご紹介します。鶏むね肉は手に入りやすく安価ですが、いつもの調理だとパサついてしまいがちです。
そこで、お肉をしっとり柔らかくする「ブライニング調理法」を用いました。3%濃度の塩水に肉を漬け込み、肉の筋繊維をやわらかくし、筋細胞内に水分を吸収させる調理法です。作り方自体はとても簡単なので、ぜひお試しください。
今回たんぱく質の重要性についてお話しましたが、僕が一番大切にしているのはコミュニケーションを取ることです。体調や表情、その日に食べたいものなど、会話を通して良い関係を築くことが出来ると考えているからです。
このコミュニケーションというのは食事に限ったことではないですが、皆さんとお子さまにも当てはまるのではないでしょうか。会話することで、食事がもっと楽しいものになるのだと思います。
1品でいいから、カラダのことを考えた料理を作って、食卓に並べていただきたいです。食卓では子どもと一緒に座って、子どもの表情を見ながら、日々の会話をしてください。
僕は、料理や食事は幸せのツールだと思っています。料理を作る自分も、食べる相手も幸せになってほしい。でも、お母さんたちは普段、家事や仕事に追われて忙しい日々を過ごしているのだと思います。だから無理せずに、自分のペースで料理と向き合ってほしいのです。
そんな皆さんを、僕は応援したいと思ってます。その思いから今回、連載を持たせてもらうことになりました。僕も皆さんの意見や反応を受けて、新しい発見ができることを楽しみにしています。
食事・料理を通じて一緒に成長していきましょう!
株式会社Cuore 長友佑都専属シェフ。調理師、アスリートフードマイスター 2級、ケトジェニックダイエットアドバイザー。シンプルな調理法と素材の表現力に魅力を感じ、神奈川県内でイタリア料理を中心に修行を積む。横浜市のイタリア料理店「cucinapinocchio」にてシェフに就任し、「素材の持つパワー、魅力を最大限活かした料理」をテーマに活動。2016年より長友佑都の専属シェフに就任し、トルコと日本を行き来しながら、長友佑都のサポートに従事している。
【Twitter】https://twitter.com/cuore_kato
【Instagram】@cuore_kato