“クックパッド芸人”を自称し、自らのキッチンに1000品以上のレシピを掲載している「藤井21」さん。1人(ソロ)で作って1人で食べるという「ソロ飯」を日々楽しんでいるそう。藤井21さん自作のおすすめレシピと、悲喜こもごものエピソードをご紹介します。第9回のテーマは「ふりかけ」。藤井さんの「ゆかり」愛が止まらない!
万能調味料。
濃紫のパッケージを手にして、ふとそんな言葉が思い浮かぶ。
男やもめの食卓に華を添えてくれたのは他でもないこの「ゆかり」だった。
僕は「ゆかり」が大好きだ。
高貴さすら感じさせる濃紫のフォルムと、芳しい香りは一度嗅いだだけで人の心を掴んで離さない。日本人なら、誰しもが一度は食べたことがあるんじゃないだろうか。
実は「ゆかり」はご飯にかけるだけじゃなく、何にでもふりかけられる万能調味料だということに一人暮らしを始めてから気づかされた。
「ゆかり」はいつも僕の生活に寄り添ってくれていた。
生まれて初めての一人暮らし。
ワンルーム8畳の狭い部屋にキッチンには一口のガスコンロだけ。驚くほど薄い壁は隣の住人の生活音すら聞こえてきた。これが東京。これが一人暮らし。
給料日前になるといつも冷蔵庫はすかすかだった。
冷蔵庫を開けると、長ねぎがただ1本だけ冷気を一身に受けて転がっている。そんな時でもゆかりがあれば簡単に一品できてしまう。
「ゆかり」の風味とポン酢のサッパリ感が食欲そそる和風の焼き飯。ゆかりの塩味があるのでポン酢の他は味付けもいらない。
「ゆかり」は給料日前の侘しい日々を華やかに変えてくれていた。
ご飯に合うんだからパンにだってもちろん合うのが「ゆかり」の魅力だ。
ふりかけるものを問わない、それがゆかり。
流行りの鯖缶をツナマヨ風にアレンジして、ゆかりと加えるだけであっという間に和と洋のコラボトーストが完成する。
「ゆかり」はいつもの朝のひとときにもそこにあった。
仕事で疲れて、深夜に深夜に帰宅した時に小ざっぱりした漬物が食べたい夜もあった。
そんな時にも「ゆかり」があればサクッと漬物が出来てしまう。
漬物が時間かかるなんて発想は時代遅れ。野菜を切ってゆかりと和えるだけ。
後はシャワー浴びている間に漬物が完成する。
あと一品欲しい時にも重宝する。
一人暮らしだと作る量に非常に困るのがポテトサラダ。
少量だけ作れないので一人暮らしだとポテトサラダ、次の日もポテトサラダ、その次の日もポテトサラダと連日ポテトサラダと戦う日々になる。
そんな時もポテトサラダにゆかりをふりかけるだけで…
定番のポテトサラダにゆかりの風味が一陣の風を吹かせちょっと大人な味にしてくれる。
人を成長させてくれる、それがゆかり。
ゆかりはもちろん肉にだって相性抜群だ。
ゆかりは乳製品との相性も非常に良いので、バターのコクにゆかりの風味が加わる事でワンランク上のチキンソテーになる。
ご飯のおかずにはもちろん良いが、手づかみで食べながらビールを流し込んでも良い。
ご飯、パン、野菜、サラダ、肉、何にでもふりかけられる万能調味料「ゆかり」 いつだってそこにはゆかりがいた。
そんな「ゆかり」は東京オリンピックを迎える来年2020年に発売五十周年を迎える。
長年私たちの生活に寄り添って、食卓を彩ってくれている「ゆかり」に縁も"ゆかり"もないなんて言わせない。
※編集部注:ゆかりは、三島食品の登録商標です。
料理と笑いで天下を目指す男性ピン芸人。
埼玉県東松山市出身。東松山のやきとりを愛し、東松山市親善大使「東松山市應援團」の一員。食品衛生責任者の資格を持ち、クックパッドには1000以上のレシピをアップしている。日本テレビ系列『ウチのガヤがすみません!』などに出演。
>>オフィシャルブログ「良い香りのある生活」