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コラム

古米をおいしく食べよう!子どもに人気の「カオマンガイ」レシピ【全国こども食堂探検Vol.7】

こども食堂は、子どもが一人でも行ける無料または低額の食堂。2019年6月時点で、全国に3,718箇所あることをむすびえと地域ネットワーク団体が公表し、こども食堂は3年で12倍増えていることがわかりました。 ほぼ児童館と同じ数まで急増し、地域の交流拠点として開催されているところがほとんどですが、行ったことがない人が多いことも事実。そこで今回は、むすびえスタッフが、こども食堂を実際に訪問してみた様子をレポートします。

支援者の方からお米をいただくことも多い子ども食堂。さいたま子ども食堂主催者・本間香さんが古くなってしまってもおいしくいただけるレシピとして「カオマンガイ」をおすすめしてくれました。
香りのよいご飯と、鶏むね肉にかかったオリジナルのたれが絶品。小さな子もご飯にかけてパクパク食べてくれますよ。

(※ 記事の表紙写真はこちらのレシピをイメージして選定させていただきました)

今回は素敵なレシピを送ってくれた、さいたま子ども食堂さんを訪ねてみました。

驚きいっぱい!さいたま子ども食堂

ふんだんに木を使った本格的な古民家風の建物。普段はカフェだそうで、とてもおしゃれ!

趣のある重厚な蔵戸を開けると、真ん中に囲炉裏の空間があり、足元には陶器の灯篭、テーブルは価値ある無垢材のテーブルが並び、棚にはここかしこに素晴らしい陶器が並んでいました。
むすびえスタッフが感嘆の声を上げていると、なんとこのクオリティの高い陶器で、惜しげなくこども食堂のお料理がふるまわれるというのです。そして陶器は、陶芸家でもある本間さんの手作り作品なのでした。

趣のある建物自体も、本間さんご自身がリフォームした建物とのことで、ビックリすることばかり。本間さんは普段、女性建築家として多忙なお仕事をされている方でした。

狭いキッチンで60~70食分をひとりで作る!

囲炉裏の部屋のほかには和室とテーブル席があり、心が豊かになれる空間です。毎週開催しているこども食堂時には60~70人くらいの参加者が集まり、外国の市場にいるかのように、がやがや賑わいます。

17時から受付開始とのことで、15時に伺いましたが、すでにその60~70食分の料理を本間さんが一人で作られていました。

厨房が3人入るとギュウギュウになってしまうほど狭いため、ボランティアさんに来てもらっても入れないのだとか。ボランティアさんには、子どもの見守りや、一緒にご飯を食べてもらったり、一緒に遊んでもらったりをメインにお願いしているとのことでした。

「こども食堂運営」の研修所な存在!?

お話をしながらも、テキパキと手は動き続けている本間さん。流れるように作業を進め、スタッフへの指示も的確。全体をしっかり把握されながら進んでいます。

本間さんのもとに、「こども食堂を始めたい」という方が埼玉県内各地から研修に訪れ、このさいたま子ども食堂から何十組ものこども食堂運営者が巣立っているそうです。この日も保育専門学校の先生と学生が研修のためにボランティアで来ていました。

埼玉県以外でも研修、修行したい人はぜひお問い合わせ下さい、とのこと。昨年から、埼玉県と協力した「子ども食堂研修制度」も始まっているそうです。

毎回入れ替わりでイベントを開催

16時近くに、ボランティアの方々が合流、さっと集まってミーティング。作業開始。お皿やサラダなどテーブルにセットし、準備完了。

17時近くには家族連れが来店しはじめます。みんなでお迎えして、受付後、二階の貸しスタジオスペースに上がってもらいました。そこでは毎回入れ替わるイベントが開催され、そのイベントも本間さんがスカウトして講師を呼ぶのだそうです。

この日は新潟から来たお兄さんが、楽しい体操の号令をかけ、子どもたちは大喜びで身体を動かし、走り回ったりしてました

子どもたち全員で片付け、そして最後に嬉しいプレゼントが!

1時間ほど遊んだ後、みんなで1階に降りて、メインのカオマンガイと熱々のスープを配って「いただきます」をしました。ワイワイガヤガヤの内に楽しく食事を終え、全員でお片付け。片付けに参加しない人は一人もいません。

子どもが扱っても、陶器の食器が割れたことは一度もないそうです。子ども自身がちゃんと注意するようになる、と本間さん

テーブルごとにお掃除する場所を決めるなど、役割分担もしていました。翌日はカフェとして開店するので、みんなでササッと元通りにします。最後はまた2階に上がってじゃんけん大会や変顔写真を撮るのですが、これがまた一大イベント。一瞬で変な顔をつくって、「変顔大賞」を決め、豪華景品をプレゼントしていました。それだけでなく、全員にお土産も配っていました。

お土産はいただいたものや、余った食材などをどんどん配っているとのこと。そうするとまた来てくださったり、逆に差し入れ下さったり、循環の輪が広がると本間さんはお話されていました。

最初は「こども食堂なんていらない」って言われた

最後に、本間さんの子ども食堂を立ち上げた経緯をお聞きしました。

最初は家族に反対されたり、地元(浦和)にこども食堂は必要ないといわれ、ポスターも貼ってもらえなかったそうです。ですが「浦和にしかないこども食堂、大人の生き方を伝えるこども食堂を作ろう」と考え、発信し続けました。
3か月後に、本間さんの活動を知ったさいたま市役所から連絡があり、ポスターをあちこちに送って下さるなどの協力が得られるようになりました。その後はどんどん支援の輪も広がり、こども食堂を通じて元気をいっぱいもらって感謝の日々だそうです。

本間さんご自身も、2人の子育てをしながら25才で建築士になり、陶芸は40才になってから始めたんだとか。何歳になっても可能性はたくさんある、という生き方を子どもたちに伝えたいとおっしゃっていました。

2階のスペースでイベントを開催しているのもその考えからだそうで、英語を教える人や太鼓を教える人など、さまざまな生き方をしている大人が登場する場にもなっています。これからもいろいろな企画が発展していくようで、楽しみになりました。「生き方が学べるこども食堂」なんて素敵ですね。

とてもエネルギッシュな本間さんに、ボランティアの方々もいっぱいエネルギーをもらっているようでした。さいたまこども食堂に参加するには前もって予約が必要です。お近くの方やこども食堂をやってみたい方、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

(取材 むすびえ・森生文乃)

取材協力

さいたま子ども食堂

【開催場所】「古民家カフェ藍」埼玉県さいたま市緑区原山3丁目20−10
17時から受付 19時半終了
【こども食堂参加費】大人500円、こども無料
【お問い合わせ先】さいたま子ども食堂 事務局 フリーダイヤル0120-789-720(藍建築工房株式会社・古民家カフェ藍と同じ番号です)
お電話は午後2時過ぎにお願いします。食事・ボランティアともに参加には事前申し込みが必須です。

「こども食堂」の活動を支援しませんか?

こども食堂は、「おなかをすかせた子が行く所」と思われがちですが、地域みんなの居場所として開催されているところがほとんど。
地域交流拠点として開催されるこども食堂をもっと知ってもらうために、こんな企画も実施しています。
https://readyfor.jp/projects/tabeasowara

NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえ

「こども食堂の支援を通じて、誰も取りこぼさない社会をつくる。」のミッションのもと、2018年に全国に点在するこども食堂を統括する団体を組織。地域ネットワーク支援事業、企業・団体との協働事業、調査・研究事業を軸とした事業を通じてミッションの実現へ向けて活動している。

>>公式HPはこちら

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