食べ物の5つの基本味、「甘味」「旨味」「塩味」「酸味」「苦味」を測定できる味覚センサー「レオ」。 しかし!このセンサーの実力はそれだけではありません。 時間が経つにつれてどのように味覚が変化するかという、「味の経時変化」も測れちゃいます! 時間変化も含めて、砂糖と人工甘味料の違いを見てみましょう。
まず、スタートから1分間の甘味の測定データを示します。
この図から、普通のコーラとカロリーオフコーラで甘味の立ち上がりが違うことが分かります。 砂糖はすぐに甘さを感じ、甘味料はじわじわと甘さがやってきます。 つまり、コーラを口に含んだ瞬間については、普通のコーラは炭酸の刺激とほぼ同時に甘味を感じるのに対し、カロリーオフコーラはまず炭酸の辛みがきて、だんだん甘味が立ち上がってくるということです。
次に、味が完全に立ち上がった際の味の強さの違いです。
人工甘味料の方が甘味が強いことが確認できました。実際に、甘味料の方が強く甘さを感じられるのではないでしょうか。
さらに、後味についても見てみましょう!
これは、ゴクリと飲み込んだあとの口の中での甘味の1分間の変化を示しています。 どちらも甘味は減衰していきますが、カロリーオフコーラの方が少しだけ減衰がゆっくりであるかつ、甘味が強く残っている事が分かります。 このことから、砂糖は後味すっきりであり、人工甘味料は余韻を楽しめる味であることが分かります。 後味の有無は、人により結構好みが分かれるので、大事な要素ですよね。
砂糖と人工甘味料について、口に入れた瞬間の立ち上がり、甘味の強さ、後味の減衰具合の3つについて測定データとともに説明してきましたが、いかがでしょうか。 ご意見・ご感想は、Twitter @ajihakaseにお気軽にリプライを飛ばしてくださいね! 実際の感覚がデータで裏付けできるのも、味覚センサーの面白いところです♪
味覚研究家。AISSY株式会社代表取締役社長 兼 慶応義塾大学共同研究員。味覚を数値化できる味覚センサーを慶大と共同開発。味覚や食べ物の相性の研究を実施。メディアにも多数出演。ブログ『味博士の研究所』で味覚に関するおもしろネタを発信中。