秋といえば、根菜類の美味しい季節ですよね。ホクホクとした食感が、すこし肌寒い季節にも温かい気持ちにさせてくれます。そんな秋を代表する根菜類ですが、薬膳的にも秋に摂るとぴったりな理由があるのです。
秋になると、空気の乾燥と急激な気温の変化により、炎症が起きやすくなります。咳や喉の痛みが起こったり、肌や鼻の粘膜などが乾燥するのを感じている人も多いのではないでしょうか?
今回は、そんな症状に効果的な、秋を代表する根菜類の薬膳効果をご紹介します。
生のれんこんは 身体を冷す作用、身体を潤す作用、血を巡らせる作用 がありますが、加熱によって気を益す(ます)=エネルギーを増す作用に変わり、消化力がアップし胃腸の調子を整えてくれます。
・のどの渇きや咳
・痰
・疲労回復
・胃の不調
さといもは縄文時代から日本で食されており、「いも」と言えば「さといも」を指した時代が長くありました。さといもには 体の水分バランスを改善したり、胃腸のはたらきを整える作用があります。食物繊維も豊富なので、デトックス効果 も期待できますよ。
・むくみ
・悪天候時の頭痛、吐き気
・疲れ、食欲不振
・便秘
さつまいもには 胃腸を健やかにして気を益す(エネルギーを増す) 作用があります。 体を温めたり、冷やしたりする作用がない野菜なので、多くの体質の人に合います。
・疲れ、虚弱体質
・便秘
・むくみ
今回ご紹介した、3種類の根菜類にはどれも 疲労回復効果 があります。季節の変わり目に体調を崩さないためにも、しっかり食べて体力をつけておきましょう。
調理をする際のポイントは、「温かい料理にする、油は少なめにする、少し甘味を足す」 の3つです。おすすめなのは煮物やスープ 。季節の野菜を摂って、秋も健康を維持しましょう。
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