さる9月11日、神楽坂にある日本出版クラブ会館で『第2回 料理レシピ本大賞 発表会』が行われ、料理部門の大賞作品には瀬尾幸子『ラクうまごはんのコツ』(新星出版社)、お菓子部門の大賞作品には『作りおきスイーツ』(主婦の友社)が入賞しました。その授賞式の様子をレポートします。
2014年から始まった『料理レシピ本大賞』。この賞は「魅力ある料理本を広めたい」そんな書店員の方々の思いから生まれました。選考は、書店員のみなさん、飲食店や料理家の方々などの投票で決まります。第2回となった今年は、料理部門に128点、お菓子部門に22点ものエントリーがあり、その中から料理部門、お菓子部門、各1点ずつ大賞作品が選ばれ、準大賞が3点、入賞が7点発表されました。
「些細なお料理で、簡単なのにキマる。そんな料理が家庭料理には大事なの。この本さえあれば、絶対に大丈夫だから!」 そう語るのは『ほんとに旨い。ぜったい失敗しない。ラクうまごはんのコツ』を監修された瀬尾幸子さん。
「日々ごちそうを食べる必要はない、お家では体を休めることが大切。外で食べるごはんと違って、おうちで食べたいごはんは、シンプルで、味の重なっていないみんなが作れるもの。だからどこにでもある、なんてことのない食材を、どこのおうちにもある調味料でとにかく簡単に作れることが大事なんです」
"身近過ぎて気付かなかった卵をごちそうにするコツ"、"みんな意外に知らない野菜の旨みを引き出すコツ"など瀬尾幸子さんの知恵が詰まったこの本。誰もが大賞に納得できる、一人暮らしの人も、主婦も、料理をつくるすべての人必読の一冊です。
「特別なレシピではなく、忙しく働く人が多くても、お菓子づくりを生活の中に取り入れていただけるレシピが満載の本となっています。「たっぷり作れて何日も楽しめた」「毎日子どもに無添加おやつを作れるようになった」という嬉しい声を多くいただきました。」と担当編集者は語ります。 『作りおきスイーツ』は、『作りおきサラダ』『作りおきそうざい』と並ぶ、作りおきシリーズの第3弾。お菓子づくりは、料理上級者のものという既成概念がふっとぶ、これなら私もつくれそうと思わせてくれる点が絶大な支持を集めたといえそうです。
『クックパッドのおいしい厳選!野菜レシピ』(新星出版社)もなんと料理部門準大賞を受賞。こちらはクックパッドにある数多くのレシピの中から、野菜たっぷりのレシピを厳選して掲載したもの。授賞式では、この中から「白菜のサラダ」が用意され、『料理レシピ本大賞 発表会』アンバサダーのキャイ~ン天野ひろゆきさんが試食しました。
人々の「家庭料理離れ」や「料理技術の低下」が叫ばれて久しい、忙しい現代。そんな時代を反映してか、今回の受賞作品はいずれも、シンプルで、簡単だけどおいしく、そして忙しくても、料理上手でなくても、作ることができるというのが共通点。どこでも手に入る食材や調味料を使った、馴染みのある料理が集まっているのが大きな特徴でした。
おうちで作るごはんは、肩に力を入れることなく、毎日作れるものがいいですよね。そして新鮮な食材でつくった美味しいごはんを食べることは、健康的な毎日にもつながることでしょう。これらの料理レシピ本をきっかけに、料理本に興味を持つ人が増えるだけでなく、家庭料理の本当の良さと意義が多くの人に伝わっていってほしい。そう心から感じた料理レシピ本大賞受賞式。受賞された皆様、本当におめでとうございました!
・ラクうまごはんのコツ ほんとに旨い。ぜったい失敗しない。 瀬尾幸子/著 ・作りおきスイーツ 一度作ればまいにちほっこり。戸棚の奥のとっておき。 主婦の友社/編
・はじめてでもおいしく作れる和食 永久保存レシピ おいしい和食の会/編 ・クックパッドのおいしい厳選!野菜レシピ クックパッド株式会社/監修 ・アトリエ・タタンのチーズケーキ 渡部まなみ/著
・作りおきのラクうま弁当350 平岡淳子/著 ・冷凍保存ですぐできる絶品おかず ワタナベ マキ/著 ・残業ごはん 忙しい人のためのヘルシーレシピ 平岡淳子/著 ・そうざいサラダ ワタナベ マキ/著 ・「ラ・ベットラ」落合務のパーフェクトレシピ 落合務/著 ・「使いきる。」レシピ 有元葉子/著 ・白崎茶会のかんたんパンレシピ 白崎裕子/著