四季が豊かな日本には、果物の旬も移り変わります。旬の果物のおいしさを子どもにもぜひ伝えていきたいですよね。おやこで語る季節のお便りシリーズ、10月の果物についてぜひ、お子さんに読み聞かせしてあげてください。
柿や栗、ぶどう、お米、お芋、きのこなど、秋にはいろいろなものがとれるね。日本では昔から「みのりの秋」って言って、特に今の季節に田んぼや畑からたくさんの食べ物がとれたんだ。
山にも果物がいっぱい。中でも、ざくろ、あけびっていう果物は昔から日本で食べられてきたんだ。だけど最近ではこれらの果物は珍しいものになったよ。売っているのを見たことがあるかな?
これがざくろ。秋になると実が割れて赤いツブツブが顔をのぞかせるよ。このツブツブの部分を取って食べるんだ。
丸くて平たい。まわりは茶色で、中には赤い実がびっしり。ざくろは花も赤くてキレイで、昔は食べるためよりも見るために植えられていることも多かったんだって。
木になっているよ。
酸っぱくて甘い。売っているのは外国産がほとんどで、日本のものよりも甘いんだって。
あけびもざくろと同じように、食べごろになるとぱっくりと割れて、中身が顔を出す。中身はまるでゼリーみたいな感じだよ。
ナスのような、さつま芋のような、長細い形。色は外が茶色に近い紫色で、中は白いよ。
木になっているよ。
中身のゼリーみたいなところはほんのり甘い。皮の部分を食べることもあって、こっちはちょっと苦い。
ざくろは世界各地で栽培されていて、日本には平安時代に伝わったと言われています。あけびは東アジア原産で、やはり平安時代にはすでに食用とさていたようです。ともに昔は全国各地の山や庭に見られたものでしたが、最近では馴染みが少ないものとなりました。
せっかくの実りの秋、たまにはこのような珍しい果物にチャレンジして、食の幅を広げてみるのはいかがでしょうか。(TEXT:松崎祐子)