30代後半あたりから、ボディラインの変化に悩まれている方は多いのではないでしょうか。洋服がきつくなったり、お腹や背中など、今までつかなかったような場所にお肉がついたり…。食事も、そんなに沢山食べているわけじゃないのになんで? ととまどう方も多いのではないでしょうか。
そんな中年太りの原因と対策について医師に解説していただきました。
まず、太るということどういうことかについて解説いたします。
摂取エネルギー(食べもの)が基礎代謝(筋肉量も影響)+消費エネルギー(運動量による)を超えることによって太ります。しかし、そんなに食べてないのに、仕事や家事、育児で動き回っているのに、という声もよく耳にします。つまり、摂取エネルギーや消費エネルギーはあまり変わってないということですね。
実は基礎代謝の変化が影響しているのです。基礎代謝の平均値は10代のピーク時の1,350kcalから30代~40代の1,140kcalと比較すると200kcal程差があります。1日でみるとあまり差がないように感じますが、実は体重が1㎏増えるのに必要なカロリーが7,000kcalといわれており、200kcal×30日(約1か月)=6,000kcalで、1か月ちょっとで体重が1㎏増えてしまうということですので、決して無視できない差ですよね。
女性は50歳前後に閉経を迎えます。閉経によりエストロゲンという女性ホルモンが低下し、相対的に男性ホルモンが増えると、脂肪のつき方に変化がみられます。太ももやおしりがふっくらしていた女性らしい体形から、お腹まわりの内臓脂肪が目立つ体形へと変化します。
この内臓脂肪型の肥満はメタボリックシンドロームの症状として代表されます。そして、エストロゲンの低下は脂質代謝にも影響もして、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)も上昇し、内臓脂肪型の肥満とともに脳卒中や心筋梗塞のリスクになります。
食事はバランスよく食べて、炭水化物や脂質とりすぎないようにすることが大事です。タンパク質は豆類などの植物性タンパク質を積極的にとりましょう。閉経によるエストロゲンの低下でコレステロールの代謝が影響をうけるので、コレステロールを多く含む食べ物はとりすぎないようにしましょう。
また、適正な食事の摂取カロリーを計算する方法ですが、1日に必要なカロリーは標準体重×活動強度で算定されます。
標準体重㎏=22×身長m×身長m
で計算できます。活動強度はデスクワーク中心なら25、普通労作なら30、力仕事なら35です。
例えば身長160㎝の営業職の女性のカロリーは、
標準体重が22×1.6(身長m)×1.6(身長m)=56.32㎏です。
普通労作30とすると56.32(標準体重㎏)×30(普通労作の活動強度)=1,689.6kcal
これが1日に必要なカロリーで、これを目標にお食事を召し上げっていただけるとよいと思います。お腹がすいてもの足りない時は低カロリーのコンニャク、キャベツ、キノコ類、海藻を積極的にとりいれましょう。
また、運動によって消費カロリーを増やすことができますし、運動で筋肉量を増やすことで基礎代謝も上がります。もし忙しくて運動のために時間を割くことが難しいのであれば、通勤時など徒歩で移動する時に、早歩きをするだけでも効果があります。
中年太りを解消して、自分のスタイルに自信をもてるようになれるのは嬉しいですし、病気の予防にもなります。まずはご自身の身長から理想とされる標準体重を計算してみましょう。目標が設定されるとダイエットの励みにもなりますよね。
(監修:医師 あい先生)
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