四季が豊かな日本には、魚の旬も移り変わります。旬の魚のおいしさを子どもにもぜひ伝えていきたいですよね。親子で語る季節のお便りシリーズ、12月の魚についてぜひ、お子さんに読み聞かせしてあげてください。
ボラもブリと同じ出世魚で、ハク→オボコ→スバシリ→イナ→ボラ→トドって名前に変わっていくんだ。
ちなみにオボコには「幼い」「世間を知らない」っていう意味があるよ。それくらい子どもの魚の時期を指すんだね。また、「いきつくところ」「結局」ということを“とどのつまり”って言うんだ。これはボラが最後にトドって名前になるからきたという話があるよ。
世界中の温かい海に住んでいるんだって。
細長い。ボラと呼ばれるのは30センチくらい。トドだと60センチくらいにもなるよ。
焼いたり揚げたりして食べる。お父さんたちのお酒のおつまみによく食べられるカラスミは、ボラの卵巣っていう部分を塩につけたあとに干したものなんだ。
かつて日本では偉くなるにつれ名前を変える習慣がありました。これになぞらえた、成長するにつれて名前を変える「出世魚」に、ブリやボラがあります。
たとえばブリは、関東ではワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ、関西ではツバス→ハマチ→マジロ→ブリなどと呼ばれることが多いようです。
ボラは特に関東では馴染みの少ない魚かもしれませんが、「とどのつまり」など日常的に使われる表現と深い関わりがある魚です。
最近では出世魚だからといってお正月に用意する家庭は少ないかもしれません。また、魚を苦手とする子どもが増え、食卓に並ぶことが少なくなっているようです。このような魚にまつわる習慣を伝えることで、魚への興味を引き出す機会としてはいかがでしょうか。(TEXT:松崎祐子)