プリンと醤油でウニの味、豆乳とサイダーで飲むヨーグルト味、といった具合に、昔から不思議な食べ合わせは様々に言われています。そのうちの一つに、「らっきょう汁+牛乳=コーンスープ」というものがあります。味博士の研究所でも試したことがあるのですが、全然似ません。どう頑張っても、らっきょうと牛乳の味です。
ところが、この「らっきょう汁+牛乳=コーンスープ」という方程式、実は未完成だったのです!今日は、この方程式に足りない"ある隠し味"をお教えいたします!
らっきょう汁と牛乳に、ある隠し味Xを加えます。その飲み物を、食べ物の味覚を数値で表すことができる味覚センサー「レオ」を使って分析し、コーンスープの味覚と比較してみます。
するとどうでしょう。旨味と塩味のバランスがそっくりとなりました。
実は、加えたのは、少々のバターと食用油!不思議なことに油分は、味が分離しているらっきょうと牛乳の架け橋となるような働きをしてくれます。さらに、クリーミーさが増すので、食感もよりコーンスープに近づきますよ。
ということで、正しい式は「らっきょう汁+牛乳+バター+食用油=コーンスープ」なのでした!ちょっと複雑ですが、牛乳とらっきょうが冷蔵庫に同居した際には、ぜひ試してみてくださいね!
味覚研究家。AISSY株式会社代表取締役社長 兼 慶応義塾大学共同研究員。味覚を数値化できる味覚センサーを慶大と共同開発。味覚や食べ物の相性の研究を実施。メディアにも多数出演。ブログ『味博士の研究所』で味覚に関するおもしろネタを発信中。