冠婚葬祭アドバイザーが教える！意外に知らない「香典」の渡し方マナー

2016年03月04日更新

#マナー

通夜や葬儀に参列する際、必ず持参する「香典」ですが、失礼にあたらないためにはどうしたらいいのか、何が正解なのか、実は知らない方も少なくないようです。今回は、いざという時に役立つ、香典にまつわるマナーについてご紹介します。

そもそも香典とは何のこと？

香典とは死者の霊に手向ける香を持参するかわりの香の料（代金）のこと。つまりこのお金で「故人に捧げるお香をお求め下さい」と言う意味があるのです。昔は通夜、葬儀の時に弔問客は故人との最後のお別れに米や麦、食料やお酒を持ち寄りました。それが時代を経て、香や花が弔慰を表すものとなったのです。

その後、現在ではお香などの葬儀で必要なものを遺族側がすべて用意するようになり、お香に代わる香の料（代金）との意味で現金を包むようになりました。最近は葬儀費用も高額になり、故人への供養とともにその遺族の葬儀費用の一部を負担する意味合いも強くなっています。

お通夜か葬儀のどちらで香典をわたすの？

どちらでもOKです。お通夜に出席したら、葬儀には出席されない場合や、その逆の場合も、両方の場合もあります。またお通夜に香典を供えたが、金額が少ないのでもう一度葬儀で供えたという話を聞いたことがありますが、これも不幸が度重なるという意味で避けます。もし両方出るならお通夜に持参すればよいでしょう。

不祝儀袋の選び方や表書きは？

香典を準備する時に迷うのが香典の袋。不祝儀袋は宗教によって違うので選ぶ時に袋の模様や表書きなど注意が必要です。仏式の表書きは、「御霊前」「御香典」「御香奠」「御香料」などがあります。また仏式、神式、キリスト式など共通に使用できる表書きが、「御霊前」。蓮の模様があるものは仏式なので、相手の宗教がわからない場合は模様のない「御霊前」を選んでください。お札は新札？古いお札？

「お祝い金には新札を、香典には古いお札を」とよく言われています。香典の場合に新札を避けるのは、この日のために新札を用意しておいたととられるためです。しかし最近ではこの風習もなくなりつつあり、霊前に供えるものだから古いお札は失礼にあたるという考え方もあり、新札でも問題ありません。古いお札がある場合はそれでいいのですが、新札しかない場合はわざわざ交換することもなく、もし気になるようなら縦に１本折り目をつけてから入れるとよいでしょう。

葬儀の受付で気をつけることは？

バッグから不祝儀袋を直接出して渡すのはマナー違反！また購入した時のセロハン袋に入れたまま出す人がいますが、これもNG！必ず袱紗（ふくさ）に包んで持参します。袱紗が無い場合は小さなふろしきやハンカチで代用してもかまいません。弔事では「紺」「グレー」が一般的で、紫も用いられます。この「紫」は慶事・弔事両方使えるので覚えておくと便利です。

＜プロフィール＞中山みゆき冠婚葬祭アドバイザー。関西在住。「マナーの基本は“相手への思いやり”。相手に不快感を与えない、自分がされて嫌なことは相手にしないということが大事。“思いやり”の心を大切にした情報を皆さんに発信します!」