今日7月7日は「七夕」。みなさんの地域は、天の川が見られそうな空模様でしょうか?「織姫と彦星が年に一度会える日」という物語の発祥地は、古代中国。そこに行事食のヒントを見つけましたよ。
いま行われている「七夕」という節句は、日本の神事と古代中国の行事が混じり合ってできたものと言われています。日本の神事とは、秋の豊作を願って、「棚機(たなばた)」という織り機を使って着物を折り、神様に供える」という儀式。古代中国の行事とは、女の子の手芸や裁縫の上達を祈る「乞巧奠(きっこうでん)」と呼ばれるお祭りで、そのお祭りにまつわるのが織姫と彦星の恋物語です。ここでちょっと、ストーリーをおさらいしましょう!
天の川の西岸に住む、機織りが上手で美しい織物作りに日々精を出している織姫。その父親が娘の幸せを願って連れてきたお見合い相手が、東岸に住む働き者の若者・彦星でした。めでたく結婚し、仲睦まじく暮らしはじめた二人は、夫婦仲があまりに良すぎて、まったく働かなくなってしまいました。それを怒った父親が、二人を元の天の川の西と東に引き離しましたが、あまりに嘆き悲しむ二人のために、「きちんと仕事をするなら、年に一度、7月7日だけは会ってもいい」と許可したのです。
七夕の話を、“心ない人に引き裂かれた悲恋”と勘違いしている人、結構多いのではないでしょうか? 年に一度というのは厳しい気もしますが、怒る親心も分かる気がします。この物語から、機織りの名人だったという織姫にちなみ、手芸やお裁縫の上達を祈る祭りなのだそうです。
中国にはもうひとつ七夕にまつわる神話があります。
古代中国を支配していた帝王の息子が、ある年の7月7日に死んでしまい、その魂が怨霊となって、世の中に熱病を流行らせてしまいます。その魂を鎮めるために、息子の大好物だった『索餅(さくべい)』という食べ物をお供えした、というお話。そこから昔の中国では7月7日に『索餅』を食べると病気予防になるといわれて行事食になり、それが日本にも伝わったという説があります。
“小麦粉と米粉で作られ、縄のようにねじったもの”と伝わる『索餅』のレシピを、クックパッド内に発見!
この『索餅(さくべい)』という食べ物は、実は日本の「そうめん」の原型だと言われています。『索餅』は奈良時代に日本に伝わったとされ、前述したとおり当初は“小麦粉と米粉で作られ、縄のようにねじったもの”だったのが、時を経て、“小麦粉で作る麺”に変わっていったとか。それなら、「そうめん」だって七夕と行事食と言えるのでは?ということで、天の川に見立てたそうめんレシピをご紹介しましょう。
願い事を短冊に書いて飾った後は、七夕の行事食をぜひ楽しんでみてくださいね!(TEXT:大河原裕美)