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【その保存だと傷んでるかも!】冷蔵庫、過信していませんか?

食品保存は、冷蔵庫に任せておけば大丈夫と思ってませんか?冷蔵庫での保存のコツを知っておけば、食品を傷みにくく保存することもできます。そこで、衛生コンサルタントの笹井勉さんに冷蔵庫の賢い使い方をうかがいました。

気温が上がってくると気になるのが、食品の保存方法。上手に保存するには、やはり冷蔵庫を上手に味方につけることが一番!冷蔵することで、腐敗の進行を遅くすることも、作りおきのおかずもより傷みにくく保存することもできるのです。
先日の記事では、食中毒の3原則についてご紹介しましたが、今回は菌を「増やさない」ための、冷蔵庫の賢い使い方を紹介します。

冷蔵庫の使い方、まずはチェックしてみよう!

まずは、いつもの冷蔵庫での保存方法をチェックしてみましょう!思いあたることはありませんか?

□ 冷蔵庫にすき間のないほどたくさん入れている
□ 卵をパックから出して卵入れに置いている
□ 肉と野菜を重ねて保存している
□ 野菜室に魚を入れている
□ 野菜をチルド室に入れている
□ まるごとの魚を内蔵が入ったまま保存している

いかがでしたか?一つでもチェックが入っていると、冷蔵庫の中に入れていても、食品が傷んでしまう可能性があるのです。

知っておきたい、食品ごとの保存のコツ!

食品は、とにかくすべて冷蔵庫に押し込んでおけば大丈夫!と思っていませんか?
実は、冷蔵庫に入れておいても、食品は腐敗したり菌が発生する可能性があります。よりおいしく安全に食べるには、きちんとした保存方法を知り、実践することが大切なのです。

冷蔵庫や冷凍庫の詰め過ぎに注意

「冷蔵庫にすき間のないほどたくさん入れている」を選んだ人は要注意
冷蔵庫の詰め過ぎは、温度管理ができなくなる要因です。買いすぎには注意して、7割程度にしておくよう心がけましょう。

卵はパックのまま保存。生食の目安は7日以内。割り置きは厳禁!

「卵をパックから出して卵入れに置いている」を選んだ人は要注意
卵は殻の外側に菌が付着していることがあるので、パックの容器ごと冷蔵庫で保存しましょう。目安の温度は8℃程度です。また、卵の中身にも菌は存在します。卵液を作って放置すると、たちまち菌が増殖するので、割り置きは厳禁です。生食の場合は必ず賞味期限内のものを、割ってすぐに使いましょう。

肉、魚、卵は、他の食材と分別して保存

「肉と野菜を重ねて保存している」「野菜室に魚を入れている」を選んだ人は要注意

特に注意が必要なのは、肉、魚、卵の保存です。中でも食肉は、最も菌が多く付着していると言われ、菌が増えた状態で食べてしまうと、お腹を下したりすることに。
また、肉から出る肉汁(ドリップ)が他の食材に付着すると菌に汚染されてしまうため、特に生食しがちな生野菜など、他食材とは接触しないようにビニール袋や容器に入れ、分別して保存するのが基本です。

肉は「鶏肉→豚肉→牛肉」の順に早く食べる

食肉の中でも、保存期間が一番短いのは、鶏肉、そして豚肉、牛肉の順となります。冷蔵庫では、2℃以下のチルド室や氷点下のパーシャル室など、ほかの冷蔵室とくらべて低い温度設定になっているところに入れるのが望ましいでしょう。仕切りがない場合は、冷蔵庫の一番下の温度が低めなところで保存してください。
すぐに食べない場合は、購入後に「冷凍室で保存」がおすすめ。
そして、肉類はとにかく早めに食べること、しっかり加熱して食べることが食中毒を防ぐ近道です。

野菜は温度が高めのところで、食材によっては冷暗所で

「野菜をチルド室に入れている」を選んだ人は要注意
葉物などは冷蔵庫の中では温度が高めの野菜室がおすすめです。冷蔵庫での保存よりも、日の当たらない風通しのいい冷暗所のほうがいい根菜などもあります。

まるごとの魚は下処理してから

「まるごとの魚を内蔵が入ったまま保存している」を選んだ人は要注意
魚は内蔵やえらから傷みが進むので、保存前に内臓やえらを取り除く下処理をしましょう。寄生虫食中毒のアニサキスは内臓にいるので、早めに取り除くことで、筋肉に移行するのを防ぐことができます。チルド室やパーシャル室の温度が低めの場所で保存するのが望ましいでしょう。

冷蔵庫にただ入れるだけでなく、食材ごとに適した保存を心がけておけば、菌の繁殖を防ぐことができます。それが腐敗の進行も遅らせ、食品を美味しく食べられることにも繋がります。
この夏、ぜひ心がけてみてくださいね。

取材協力:笹井勉さん

食品衛生コンサルタント、元墨田区食品衛生監視員。 著書に「食の安全マニュアル―感染症から微量化学物質の対応まで」(桐書房)など
HP「食の安全と公衆衛生」:http://www.saturn.dti.ne.jp/~sasai/index.html

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