この7月1日から熱中症予防強化月間がスタート。梅雨明けの時期にあたる7月は、急激な温度の上昇に体が慣れず、毎年、熱中症で病院に運ばれる人が増えるのだとか。「自分はだいじょうぶ」と思わずに、しっかり対策しておきましょう! 今回は熱中症を予防するための基礎知識をチェックします。
熱中症は、気温や湿度が高い環境で、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温調整機能がうまく働かなったりして、体内に熱がたまることによって起こります。
予防するためには、まず暑さを避けること。暑い日は無理せず、涼しい場所に避難すること。湿度の高さも関係していて、気温がそれほど高くなくても多湿だと熱中症にかかる人が増加します。ムシムシする日は要注意!
暑いと人間は汗をかいて体内の熱を体外に出そうとします。大量に汗をかいたときは、失われた水分をきちんと補給する必要があります。
汗をかくとき、水分だけでなく塩分(ナトリウム)などの電解質も同時に失われています。そのため、水分だけとっても電解質が補給されないと脱水症に。しかも、水分をとっているので喉のかわきを感じないので、症状が進みやすくなることもあります。大量に汗をかいたら、塩分もいっしょにとる必要があります。
環境省の熱中症環境保健マニュアルによると、大量の発汗がある場合は水だけでなく、塩分濃度0.1~0.2%程度の水分摂取がすすめられています。この塩分濃度0.1~0.2%とはスポーツ飲料などがそれにあたります。
筋肉のしびれや手足のつりが起こる熱けいれんは、とくに電解質が不足したことによっておこる症状。その場合には、生理食塩水(0.9%の食塩水)を補給する必要があります。
ここで気をつけたいのは、塩分が必要なのは「大量に汗をかいたとき」ということ。通常のゆるやかな汗などでは、ふだんとっている食事からの塩分でじゅうぶん。高血圧や心臓病・腎臓病などふだんから塩分摂取の量を制限されている人が、熱中症予防に塩分をとるのは注意が必要です。
覚えておきたいのは、熱中症は対策をしておけば防げるということ。正しい知識をチェックして、暑い夏も元気に過ごしましょう!(TEXT:松崎祐子)
<参考>環境省HP、厚生労働省HP