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コラム

夏は親子で料理しよう!陰山英男先生が語る「料理は生きる力につながります」

今日から8月。そろそろ中だるみの時期かもしれませんね。さて、そんなときは親子で料理してみませんか?子供と料理は意外に深い&いい関係があるようです。子供の学力を驚異的に向上させた「陰山メソッド」でおなじみの陰山英男先生に、子供と料理の関係について伺いました。

夏休み、親子共々楽しんでいますか?長ーいこの休み期間こそ、ぜひ親子で挑戦してほしいのが「料理」です。自由研究が決まっていないなら、親子いっしょに料理で自由研究をしてみるのもいいですよね。

料理は身近なため関心をもちやすく、「おいしい」というわかりやすい成果も得やすいと、子供にも大きな魅力があります。「子供が一緒だとなんだか面倒…」そんな気持ちをぐっと抑えて、親子で料理してみませんか? 食育にも力を入れている陰山英男先生に子供に料理が与える影響について、お話を伺ってみました。

夏休みは子どもと料理をしてみましょう

「小学校教師時代、家庭科を担当していたことがあります。その際、年に2~3回が通常の調理実習を、20回以上行いました。
それだけ数をこなしていくと、子ども達も準備から片付けにいたるまでの一連の流れが非常にスムーズになります。そうなると簡単な食事、たとえば休みの日の昼食などは自分で作れるようになってくるのです。料理の段取りを考え、効率的においしいものを作っていくスキルは、生活力につながり、その子が自立する助けとなるでしょう。
食事というのは人生にわたってかかわるもの。料理は生きる力につながり、一生を支えていくものです。ぜひ、子どもにも料理を体験させましょう。時間がたっぷりある夏休み、新しい料理や技術を覚えるのにぴったりなタイミングです。」

味覚は子どものときに作られます

「私自身、子ども達が小さかった時、家でいろいろな実験的な料理体験をしました。たとえば、昔ながらのかつおぶしと削り器を買ってきて本格的にだしをとり、顆粒だしと比べてみた覚えがあります。
この比較では、味覚がきちんと発達していないと、違いを見分けることが難しくなります。この味覚こそが、子どものころに作られるもの。それには、きちんとした食事が必要となってきます。」

食べ物を判断することができる舌が大切

「そもそも現代の日本では、自分の舌よりも食品の表示が重視されます。私が子どものころは、食べ物が食べられるかどうかは自分の五感頼み。目で見て、においをかいで、味をみて判断していました。今は何はともあれまず表示となります。
表示がきちんとしているのは歓迎すべきことですが、一方で大量に食品が捨てられている現状があります。少しバランスが悪いように思えます。もっと、自分自身の舌で判断できてもいいのではないでしょうか。
たとえば悪質な表示偽装があったとき、自分の舌でいいもの悪いものをかぎわけられる力がなければ困ったことに。その意味でも、子どものうちからきちんとした食事で味覚を育てていくことが大切といえます。また、子ども自身が料理をすることで、きちんとした食事とはどういうものかわかることでしょう」

何より親が楽しみながら料理しましょう

「料理を教えるとき、親は気楽に構えてほしいですね。子どもがのびのびと取り組める雰囲気を作りましょう。『楽しい』『おもしろい』と感じられることが、次につながります。多少、失敗しても深刻にならずに笑い飛ばしましょう。
ただし、量を量る際は厳密にすること。小さな間違いで失敗してはつまらないですよね。そのためにも計量器はいいものを。いいものを子ども自身がいつでも使えるような場所に用意しておくとよいでしょう。」

取材協力

陰山英男さん

立命館大学 教育開発推進機構 教授(立命館小学校校長顧問 兼任)。兵庫県朝来町立(現朝来市立)山口小学校教師時代から、百ます計算や漢字練習などの反復学習や、規則正しい生活習慣の定着で基礎学力の向上を目指す「隂山メソッド」を確立し、脚光を浴びる。そろばん指導やコンピューターの活用など新旧を問わず積極的に導入する教育法によって子供たちの学力向上を実現している。おもな著書:「人生にとって意味のある勉強法」(PHP研究所)「親が伸びれば子は伸びる」(朝日新聞出版)など多数

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