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突然ですが、「ゆるパイ」ってご存知ですか? ゆる「キャラ」ではなくゆる「パイ」です。なんだかあやしげなゆるパイですが、渋谷ヒカリエで展示会が開催されるなど、今じわじわと話題を呼んでいるんだとか。これは気になる!ということで調べてみましたよ。
おみやげとしてもらう機会の多いお菓子とは…とじっくり考えてみると、実はパイではありませんか? 観光地に行くとだいたい1つは目にしますよね。そんな日本各地に存在するご当地パイの中でも思わずクスっと笑ってしまうようなものがどうやら「ゆるパイ」と呼ばれているそうなのです。
振り返ってみると確かに、そんなゆる〜いおみやげをもらったことがあるかも…。なんだかオモシロそうなので、『ゆるパイ図鑑』も執筆されているゆるパイ研究家・藤井青銅さんに突撃インタビューしてきました!
「みやげ菓子には、1)味、2)その土地らしさ、3)ウケる、という三要素があります。その“ウケる”を重要視したものが「ゆるパイ」です。名前だけでも確認されたものは200パイ。把握していないものも含めると、250程度はあると予想されます」(藤井さん)
全国に250以上もあるなんて! これは専門家でもある藤井さんが注目しているゆるパイを知りたい、ということで聞いてみると…
見た目があの浜松の「うなぎパイ」にそっくりで、何となく一緒に並べてはいけない気がしてしまう! うなぎとどじょう、確かに似ているが…。
佐賀といえば有明湾のムツゴロウが有名。その名物をパイに。ただ、独特の複雑なニオイがあるとかで、あれこれ手をかけて素材の味を消して完成。それでいいの!?
東京名物「東京ばな奈」をさらにパイにしたという、菓子in菓子。なぜお菓子をもう一度お菓子に!?とツッコミながら食べたい。
なんといっても特徴的なのがお菓子とは思えないこの見た目。しょうゆ色に一瞬ギョッとするけれど、食べてみると意外に甘いんだとか。そのギャップをお楽しみあれ!
少し見ただけでもおわかりでしょうが、ゆるパイってとっても自由で楽しい! これは普段あまり関係がうまくいっていない相手におみやげとして渡せば、会話が盛り上がってコミュニケーションのきっかけになるのでは?と目をつけた編集部。さっそく、シチュエーション別におすすめをセレクトしてもらいました。夏の旅行やお盆帰省で近くに行く予定がある人は要チェック!!
<理由>:
さんま水揚げ日本一の気仙沼で、長い歴史があるパイ。「さんま」のロゴがどことなく「さんまのまんま」に似ている所からも、その歴史が推測できる!? まずはそこで軽く話が弾む。そして、気仙沼はこの前の大震災で被害を受けた街であることに思い至り、実はこのパイも以前はさんまの粉末をパイ生地に練り込んでいたのが、あの震災で粉末を作る会社が被災。そこで、製法を切り替えて復活したというもの。いわば、震災を乗り越えたパイ。
食べると、焦げた醤油の味がし、確かに焼きさんまの味を再現している(お菓子なのに!)。最初にちょっと笑えて、いい話に共感し、ほろ苦い味にしんみりし、でも笑う。どこかのポイントで話がふくらむゆるパイです。(藤井さん)
<理由>:
上司に贈るなら、ベタだけど、やはり高級感のあるものを。なんといっても、キャッチコピーは「真夜中のお菓子」!(通常のうなぎパイは「夜のお菓子」)。
<理由>:
焼き菓子なのに真空パックしているのが珍しい「ふなずしパイ」。ふなずしと言えば、その強烈な匂いで有名。相手は一瞬「何これ。いやがらせかしら?」と思うかもしれません。おそらくしばらくの間開封をためらい、ひょっとしたら旦那さんに相談するかも? やがて、意を決して恐る恐る袋をあけ、そっと鼻を近づける…が、実はたいして匂わないんだとか。食べてみても、やや塩味のおいしいパイで、ほっとする。あまり甘くないので、旦那は「うん、これ、酒のつまみにもいけるんじゃないか?」と言うかもしれません。
最初ちょっと相手をビビらせることで密かに楽しむことができ、あとで「おいしかったわ」と感謝されるゆるパイです。(藤井さん)
いかがでしたか?「コミュニケーションのきっかけとして役立つというのがゆるパイの最大の魅力」と藤井さんが言うとおり、確かに、渡した相手が思わず笑顔になる姿が想像できますよね!
扶桑社から発売中の「ゆるパイ図鑑」には47都道府県すべてのゆるパイ情報が載っているので、自分の住んでいる土地にどんなものがあるかを見てみるのも楽しい♪ これからはどこか訪れるたびに、ゆるパイをチェックせずにはいられなくなるかも!?
取材協力 : 藤井青銅さん
作家、エッセイスト、脚本家。
「第一回星新一ショートショートコンテスト」入選をきっかけに、作家兼放送作家に。「夜のドラマハウス」 「オールナイトニッポン・スペシャル」「青春アドベンチャー」など、書いたラジオドラマは数百本にのぼる。
最新著書に「ゆるパイ図鑑 愛すべきご当地パイたち」(扶桑社)がある。
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●藤井青銅さんのwebサイトはこちら>
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