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コラム

【裏ワザ】冷めても美味しい!「ふっくら卵焼き」の仕組み

ふっくらとした卵焼きを作りたい!

お弁当の定番卵焼き!甘い卵焼きや醤油味、だしのきいただし巻き卵など、味付けは様々ですが、誰もが大好きなおかずではないでしょうか。しかし、卵焼きは和食の中でも奥深い料理のひとつ。ただ焼くだけなら簡単ですが、お店のようにふっくら焼こうと思うと案外難しいですよね。

実は卵焼きをふっくら焼くには強火がいいと言われています。これはなぜなのでしょうか?その仕組みを解説します。

ふっくらの秘密は気泡!

卵がかたまるのは卵のタンパク質が変性するため。卵のタンパク質は、たくさんのアミノ酸が水素結合でつながった立体構造になっていて、加熱によりこの水素結合が崩れます。この時疎水性アミノ酸が表面に出てきて、疎水結合によりタンパク質同士がくっつき合い凝固するのです。これが「卵がかたまる」ということ。

卵焼きをふっくらさせるためには、タンパク質同士がくっつき凝固するときに空気や水分を包み込むようにし、スポンジのように細かい気泡をたくさん作ることが大切です。

弱火で卵を焼くと、卵がグツグツしないままかたまるため気泡が出来ずふくらみません。これを利用したものがプリンや茶碗蒸しなど。気泡が入ると食感が悪くなってしまうため、低温でじっくり加熱するのが基本です。

逆に卵焼きには気泡がたっぷり入っている方がふっくらとしておいしい卵焼きになりますよね。なので、卵がグツグツするくらいの強火で一気に焼き上げるほうがいいのです。卵を薄く流すと気泡が出来てもすぐに外に出てしまうので気泡が残りません。卵を多めに流すようにし気泡をたくさん巻き込みましょう。たっぷりの卵液を流すことで、卵液の水分がフライパンの温度を下げ、強火でも焦がさずに焼くことが出来るというメリットもあります。

ふっくら卵焼きの焼き方

それでは、ふっくら卵焼きの焼き方を詳しくご紹介します。

一般的な卵焼き用フライパンを使って焼く場合卵3つがちょうどいい量です。味付けはお好みですが、だし汁を50~80ml、お砂糖を大さじ1ほど、お塩少々がおすすめ。

お砂糖には保水効果があるため、ふっくらジューシーな卵焼きを作るのにぴったりの調味料です。また、だし汁など水分を入れることでジューシーな卵焼きが出来ますよ。卵を溶く時はお箸やフォークを前後に動かすようにすると白身が程よく崩れます。

焼き方

1.フライパンを強火で温めサラダ油を引く。お箸につけた卵をフライパンにつけた時じゅっと言うくらいになったら卵液の1/3量を一気に流し込む。大きな気泡を潰しながら表面がかたまる前に三つ折りにたたむようにする。

2.焼けた卵をフライパンの奥に移動し油を引いたら、卵液の1/3量を流し込み同じように焼く。その時すでに焼けた卵の下にも卵液を流すようにする。

3.同様に巻いたら残りの卵液も流し同じように焼いて巻き、最後にフライ返しなどでしっかり形を整えるようにすれば完成。

火加減はフライパンからはみ出さない程度の強めの中火を保ち、一気に焼き上げるようにしましょう。だし汁をたっぷり入れるとジューシーさが増しますが、卵がやわらかくなり形を整えにくくなります。そんな時はフライ返しを使って巻くようにすればうまく巻けますよ。

強火で焼くと焦げそうな気がして敬遠しがちですが、意外に大丈夫です。ぜひ強火で焼いてみてくださいね。ふっくら焼けた卵焼きにきっと感動しますよ!

著者:味博士

味覚研究家。AISSY株式会社代表取締役社長 兼 慶応義塾大学共同研究員。味覚を数値化できる味覚センサーを慶大と共同開発。味覚や食べ物の相性の研究を実施。メディアにも多数出演。ブログ『味博士の研究所』で味覚に関するおもしろネタを発信中。

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