日本No.1レシピサイト「クックパッド」編集部
北海道から沖縄まで、様々な気候や文化を持つ日本。そして、先人たちは寒い冬を越えるため、その地域や文化に合った、さまざまな保存食を作ってきました。それらは現代の私たちの食卓にも欠かせない存在となっています。今回は、地域によって違うバラエティ豊かな保存食について、ご紹介します。
新鮮な食材が手に入らなくなる冬を乗り越えるために、あるいは旬の季節に大量に取れた魚や野菜を無駄にしないために、保存食は冷蔵庫やスーパーマーケットがない時代から全国各地で作られてきました。保存食はいわば、その土地の食材とそこに暮らす人々の知恵の結晶です。
南北に細長く、多様な風土が存在する日本では、保存食とひとことで言っても、魚なら干物、燻製、塩漬け、酢漬け、野菜なら漬物や寒干し、高野豆腐などの大豆加工製品まで幅広く作られてきました。今も私たちの生活に根付く、塩漬けや、酢漬け、乾燥、発酵の知恵。次の世代にも受け継いでいきたいものですね!
株式会社ぐるなびが発表した「日本の和食を支えた立役者!全国の保存食をまとめたインフォグラフィック」によると、よく知っているあの食べ物から、想像もつかない食べ物まで、日本全国には色々な保存食があります。
例えば、秋田県の「いぶりがっこ」、伊豆半島の「くさやの干物」、奈良県の「奈良漬」、岡山県の「鯖寿司」などはよく知られている保存食でしょう。鯖寿司は今では、関東地方でもスーパーのお寿司コーナーで普通に見られるようになりました。むしろ鯖寿司を保存食と認識している人は少ないかもしれませんね。
その他、鮭を冷凍保存し凍ったままお刺身のように食べる北海道の「ルイベ」、豆腐を冬、凍らせたり溶かしたりを繰り返して乾物にする東北地方の「凍み豆腐」など、冬の寒さを利用したもの。
石川県の「ふぐの卵巣のぬか漬け」、魚の内臓を塩でつけた高知県の「酒盗」、アイゴの稚魚の塩漬けの沖縄の「スクガラス」など魚を使った保存食も多く見られます。「くさやの干物」もそうですね。
さらに牛乳にできる膜を集めて固めた最古のチーズである大阪の「蘇」、みそにごまと砂糖と唐辛子を加えた鳥取の「トウガラシ味噌」、もろみに柚子の皮、ごま、一味唐辛子をまぜて丸めた宮崎の「味噌だご」など、その土地の歴史と風土に根付いたさまざまな保存食が紹介されています。
初めて知った!なんて保存食もあったかもしれません。地域ごとに食材と作り方に特長があり、まさに先人たちの生活の知恵から生まれた保存食。
冷蔵庫やスーパーマーケット、コンビニエンスストアの登場で、とても便利になった私たちの暮らしの中でも、保存食を用意しておくと毎日の料理が楽になったり、レパートリーにひと工夫できたりしますよ。
保存食の基本は、「塩漬け、酢漬け、乾燥、発酵」。好きなものを好きな方法で。この冬は、オリジナリティあふれる「我が家の保存食」にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。(林美由紀/ライツ)
参照:株式会社ぐるなび「日本の和食を支えた立役者!全国の保存食をまとめたインフォグラフィック」
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