今日10月16日は、国際連合が制定した『世界食料デー』です。この日は1981年から世界共通の“食料問題を考える日”となっていて、世界に広がる栄養不良、飢餓、極度の貧困を解決することを目的としています。
「ハンガーゼロ(Hunger Zero)」という言葉をご存じでしょうか?これは国連をはじめ 『世界食料デー』の理念に賛同する様々な団体が活動のキーワードとして掲げている言葉で、《飢餓のない世界》という意味です。
食べ物に困り、苦しむ人がいる——それを知識としては知っているものの、24時間食べ物が買える日本では、現実感に乏しいのも確かです。そこで、ハンガーゼロに取り組む日本の団体「日本国際飢餓対策機構」が公表している、飢餓の現実の一部をご紹介します。
世界の人口70億人のうち、飢餓に苦しむ人口は10億人。7人に1人が飢えているのです。
飢えが原因で亡くなる人の数です。そのうち12人は子どもだそうです。
「180kg」は、1人が生きていくために必要な年間穀物量。「23億トン」は、全世界の年間穀物生産量(2011年実績)。この穀物量を世界人口70億人で割ると「1人当たり330kg」になるので、偏りなく穀物が行き渡れば、ハンガーゼロが実現するはず。しかし、現実はそうなっていません。
食べられない人がいると同時に、捨てられる食べ物がある。そのアンバランスを生む原因は、干ばつなどの気象的な要因から紛争といった社会的要因などいろいろあります。個人の力で解決できることは多くありませんが、「食べ物を大切にする」という意識は、私たち一人ひとりが“世界人”として持つべきもの。9月9日に配信したクックパッドニュースの記事では、日本国内の「食品廃棄」の現実をレポートしました。こちらも参考にしてください。
胸が痛む飢餓の現実の前に私たちができることは?と考えると、最初に思い浮かぶのは「募金」でしょうか。もちろんお金は、とても有意義な支援の方法です。でもそれ以外に、家に眠っているかも知れない、こんなモノが役に立つそうですよ!
「年賀状印刷で上下さかさまに印刷しちゃった!」なんていう書き損じのモノ、「大掃除したら、使っていない昔の料金のハガキや切手がごっそり出てきた!」というモノ、返信し忘れた往復ハガキなど、消印のないハガキや切手を送ると、それが海外スタッフ派遣などのために使われるそうです。
使わなくなった本やCD、ゲームソフトを、専門店に持ち込んで買い取ってもらっている方もいることと思います。いわばその行為を支援団体が代行し、その買取額をハンガーゼロのための募金に当てるというものです。
この2つの支援は、今回取材に協力していただいた「日本国際飢餓対策機構」が取り組んでいるものの一部です。この他にも様々な団体がハンガーゼロ活動を行っていますので、興味のある方は『世界食料デー』や『ハンバーゼロ』などのキーワードで検索してみてください。
“食べられる幸せ”が世界中に広がるように、一人ひとりできることからサポートしていきましょう。(TEXT:大河原裕美)
取材協力
・日本国際飢餓対策機構ホームページ