サンセバスチャン(San Sebastián)とは、スペインのバスク州にあるビスケー湾沿いの都市の名前です。現地で話されているバスク語では、ドノスティア(Donostia)と呼ばれます。人口18万人強と決して大きくない街ですが、ここ数年、美食の街として世界中から注目を集めています。そんなサンセバスチャンには、見どころ・食べどころが盛りだくさん。前回は元祖バスクチーズケーキのバル「ラ・ビーニャ」を取り上げました。
今回もクックパッド・スペインメンバーが、ピンチョスとワインで有名なバル街と、世界の料理文化をリードする料理大学「バスク・クリナリー・センター」についてご紹介します。
カウンターに所狭しと並べられたカラフルなピンチョス。スタンドテーブルの横でワインを片手にピンチョスを頬張る人々――このサンセバスチャンの典型的な風景は、バルの密集地、旧市街地区で目にすることが出来ます。ここには文字通り、前後左右にバルが建ち並んでいます。
日本でもブームになっているバル。一度は、本場のバルに行ってみたいものですよね。その楽しみ方をご紹介します。「何だか入りづらそう…」と思っている方も多いかもしれませんが、流れを覚えておけば大丈夫。バルの楽しみ方は至ってシンプルなんですよ。
まずカウンターで飲み物を注文したら、お皿をもらい、そのお皿に自分で好きなピンチョスを乗せていきます。スペイン名物のイベリコ豚の生ハムやオリーブの実、チーズ、スパニッシュオムレツを乗せたものや、海に近いサンセバスチャンらしくタラやサーモン、カニなど魚介類を使ったものなど、どれも美味しそうで目移りしてしまいます。しかし、取りすぎは厳禁。次のバルも楽しむために、お腹に余裕を残しておくことを忘れずに。
お会計は、店員さんにお皿を見せて、合計金額を計算してもらって支払います。ピンチョスのお値段は、一つ2€から4€程度でした。
週末の夜は、人気のバルはどこもお客さんでぎゅうぎゅう詰め。待っているだけだと注文も会計もできないほどなので、自分からカウンターに進んでいき、恥ずかしがらずに大きな声で注文や会計をお願いしましょう。
逆に平日の昼間や開店直後など、比較的空いている時間帯を狙って行くのもいいかもしれません。
バルにはピンチョスだけでなく、ラシオンと呼ばれるスプーンやフォークとナイフでいただく一皿料理もあります。こちらは、看板や紙に書かれたメニューを見て店員さんに直接注文します。リゾットや牛肉のワイン煮込み、フォアグラなど手の込んだ品も多くあります。私たちは店員さんオススメのフォアグラを頼んでみました。
また、ワイン好きなら、バスク地方のワイン「チャコリ」もオススメです。店員さんがボトルを高い位置に持ち、そこからワイングラスに注いでくれます。高い位置から注いで空気と混ぜると、さらに美味しくなるんだとか。
こうしてバルを3軒も回ってみると、お腹いっぱいになってしまいました。
今回はバルについてご紹介しましたが、サンセバスチャンには一度の訪問で食べ尽くせないほど様々な味覚が溢れています。ビスケー湾を眺めながらコーヒータイムを満喫できるカフェ、本格的な寿司・ラーメンを食べられる日本食バル、地元の素材を活かした新バスク料理や、最先端の分子料理を提供する高級レストランなどもあります。サンセバスチャンにはリピーターファンが多いのも納得ですね。