一汁一菜でもOK、和の調味料を使った「和ごはん」。2013年、和食文化のユネスコ無形文化遺産登録に尽力した農林水産省が提唱するこの言葉が今注目されています。「Let’s!和ごはんプロジェクト」を推進する農林水産省 食料産業局 食文化・市場開拓課 和食室長の五十嵐麻衣子さんに和ごはんの魅力についてお伺いしました。
「日本人が代々かけて育んできた和食文化は、“自然を尊重する”という心に基づいた特徴を持つ、世界にも誇るべき食文化です」(五十嵐さん)
五十嵐さんが語る「特徴」とは、主に以下の4つを指すそうです。
①多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
②健康的な食生活を支える栄養バランス
③年中行事との密接な関わり
④自然の美しさや季節のうつろいの表現
子どもに「今日は和食?食べたくなーい!」なんて言われてしまったり、家事や仕事で忙しかったりすると、わざわざだしを取ったり、おかずを何品も用意したりする気力もつい萎えてしまいそう……。
そんな声を踏まえて、農林水産省が提唱したのが「和ごはん」。「健康的で栄養バランスも良い和ごはんを、お子さまに小さい頃から食の味をおぼえ、しっかりとした味覚を形成してもらうためにも、“手軽”に毎日の食卓に取り入れていただきたい」とご自身も子育て奮闘中ママである五十嵐さんは話します。
和ごはんとは、日本の家庭で食べられてきた食事であって、「ごはん、汁物、おかず等もしくはその組み合わせで構成されているもの」、または「だしや醤油、味噌をはじめとする日本で古くから使われてきた調味料等が利用されているもの」とされています。
だしパックを使って味噌汁を作るのはもちろん、カレーをだしで作ってみたら、それはもう立派な「和ごはん」なんです! 和ごはんを日々の食事に取り入れたら、和食嫌いなお子さんもだしの風味や和の調味料に親しみ、徐々に和食が好きになっていってくれるかもしれませんよね。
また、忙しい日々の中で、毎日一汁三菜の食事を用意するのはハードルが高く感じてしまいますが、「だしや味噌、醤油を使うだけでOK、一汁一菜でも大丈夫」と言われたら、和食への敷居もぐんと下がってきます♪
「2013年、和食文化がユネスコ無形文化遺産に登録されました。日本人の豊かで健康な食生活を送るための土台を支えている和食ですが、食の多様化や女性の社会進出、核家族化等の社会構造の変化により、次世代への継承が進んでいません。
実は、ユネスコに登録された背景には、失われつつあるから守っていこうという側面があるのです。
食文化は変化していくものですが、一度消えてしまうと取り戻すには時間がかかり、同じものは再現できないかもしれません。子育て世代の皆様にもぜひ、次世代の子どもたちにこの和食文化をつないでいってほしいという思いから、忙しい日々の中でも和食を手軽に取り入れられる方法として和ごはんをおすすめしています」(五十嵐さん)
春はたけのこご飯をいただき、秋には栗ご飯を食べる。大晦日に年越しそばを家族で楽しみ、お正月にはおせちを食卓に並べる。そんな光景が全て失われてしまったら、確かに日本人としては寂しいですよね。
そんな和食文化を守るため、農林水産省が推進している「Let’s!和ごはんプロジェクト」では、具体的にどんな取り組みを行っているのでしょうか?
「“Let’s!和ごはんプロジェクト”は、当省と多くの食にかかわる民間企業が一体となって取り組んでいるプロジェクトです。子育て世代が手軽に和ごはんを作れるような合わせ調味料やミールキット、調理家電を開発・販売したり、簡単レシピを考案したりする企業の活動を促進しています。また、親子で七夕そうめんや豆腐を作ったり、だしの試飲や鰹節削りをしてみるといった体験型イベントも数多く開催しています。
イベントでは、お子さんが夢中で作業に取り組む様子も見られ、楽しんでいただけている手応えを感じております。だしの取り方を講師から教わったママからも、想像以上に簡単に取れることへの驚きや家庭でもやってみたいなどの声が寄せられました。
今後も、どんどん新たな取り組みを展開していきますので、ぜひ身近にある“Let‘s!和ごはんマーク”を探してみてください」(五十嵐さん)
皆さんもぜひ日々の食卓に和ごはんを取り入れて、和食文化の魅力を再発見してみてください♪
クックパッドでも「Let’s!和ごはんレシピコンテスト」を開催中!
醤油や味噌など和の調味料を使ったレシピであれば何でもOK!ぜひコンテストへ参加してみてください♪
応募していただいたレシピの中から、「和ごはん大賞」「季節食材を利用した和ごはん賞」「見栄えが美しい和ごはん賞」「子供が喜ぶ和ごはん賞」の4つの賞を選出! 各賞1万円分の商品券をプレゼントします。
「子どもたちや子育て世代の方々に、身近・手軽に健康的な和ごはんを食べてもらう目的から始まったものですので、忙しい日々の中でもこんなに簡単にできて美味しく和食を作れる!というレシピを、どんどん紹介していただければと思います」(五十嵐さん)
和ごはんプロジェクトについてはこちらから