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コラム

だしソムリエが教える!おいしい「だし」を取る3つのコツと「だしがら」アレンジレシピ

和食の味付けの基本であるだし。普段あまりだしについて習う機会がなく、どうしても独自の方法になりがちですよね。そこで、だしソムリエ認定講師の河口晶さんに改めておいしいだしの取り方のコツや、アレンジ技を教えていただきました!

おいしいだしを取るためのコツ

――おいしいだしを取るために大事なことって何でしょうか? コツがあればぜひ教えてください。

ポイントとしては以下の3つがあります。

(1)素材によって水出しとお湯出しを選ぶ
昆布や煮干し、干ししいたけは水でじっくりと、かつお節(薄削り)は熱いお湯でサッとだしを取ることがポイントです。

(2)良い状態のだし素材を使う
煮干しはつやが良く、目のまわりが黄色く酸化していないものを選びましょう。かつお節は削りたてが一番なので、少しピンクがかった新鮮な状態がおすすめです。昆布や干ししいたけは茶色く日焼けしたり酸化したりしていないものを選ぶと良いでしょう。

(3)だしの分量を量る
昆布は水に対して約0.5~1%(水1Lに対して昆布約5~10g)、かつお節や煮干しは水に対して(2~3%)が目安です。意外に量が必要ですね。具だくさんの場合や具材にだしが出る素材を使う場合は少なめでも大丈夫です。

知らなかった!だしの意外な一面

――なるほど!水の分量などはあまり意識せずにだしを取っている家庭も多そうですよね。ほかにも、家庭でだしを取る際にやりがちなNG行動ってあるでしょうか?

素材が乾いた状態なら長期間保存ができますが、一旦水につけると生鮮食品と同じ状態になります。したがって、常温で長時間放置するのはNGですね。味が落ちて腐敗することもあるので、必ず冷蔵庫や冷凍庫で保存してください。

冷蔵庫の場合、だしはよく冷ましてからピッチャーやチャック付きポリ袋に入れて保存し、約2日間ほどで使い切るようにしましょう。もう少し長く保存したければ冷凍庫で保存がおすすめです。約3週間ほど保存できますが、早めに消費してくださいね。

だしは懐が深く、どんな取り方をしても飲めなくなることはほとんどありません。絶対にやってはいけないことなどは基本的にないですから、安心してお使いください。間違いやすいのはむしろ味付けの方です。特に塩を入れすぎるとせっかくのだしの風味が台無しになるので、味見をしながら少しずつ加えていきましょう。

――味付けといえば、だしは和食に使うのが一般的ですが、それ以外にも相性の良い料理があれば教えてください。

もちろん洋食や中華にも使うことができます。かつお節や煮干しのだしは、トマトやミルクとも合いますよ。例えばポタージュスープにも、コンソメではなくだしを使ってOKです。

また、だしでははありませんが、煮物や酢の物などで「あと少し何かが足りない…」と思った時は、かつお節をそのままかけて和えるとおいしくなりますよ。

捨てないで!だしがら活用術

――ところで、だしを取った後に残る「だしがら」。もったいないとは思うものの、あまり使い道が見いだせないのですが、おすすめの活用法があれば教えてください。

せっかくなら、だしがらも料理に活用して、栄養もまるごと摂りましょう。例えばお好み焼きはだしを加えて作るのが一般的ですが、だしがらを刻んで生地に加えて焼いてもおいしんですよ。おすすめのだしがら活用レシピをご紹介します!

刻んで生地に入れましょう

ツナのような風味が味わえます

おつまみや子供のおやつに

――だしがらもおいしく食べれるなんて、だしの楽しみ方が広がりますね。貴重なお話、ありがとうございました!

だしソムリエ・河口晶さんによる「だしワークショップ」開催!

2018年12月7日(金)〜9日(日)の3日間、天王洲アイルTMMTにてマルシェイベント「Komercoマルシェ」が開催! 生産者による物販のほか、生産者が講師となって「料理を楽しむコツ」を教える手作りフードワークショップも実施します。12月8日(土)・9日(日)の11:30〜12:30には、河口晶さんのワークショップ「マイだしパックをつくろう」が開催されますので、だしについて知識を深めたい方はぜひご参加ください♪
>>ワークショップ詳細はこちら

河口 晶

徳島県在住。だしソムリエ認定講師
だしキッチンまんまる主宰
食材の宝庫、四国・徳島からだしのおいしさ、和食の文化を国内外に発信していきます!子育て中のママ向けだし講座や常備菜講座、外国人向けだし教室「Dashi Kitchen ZEN」など開催。水出しだしパック「阿波の国 一夜だし膳」販売元。だしキッチンまんまる

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