調理や後片付けが面倒、調理やゴミの臭いが苦手……そんな理由から敬遠されがちな魚。中でも干物はいつも焼き魚にしてしまい、調理するイメージがないという人も。でも実は洋風やアジア風などにアレンジもできる便利な食品なんです。今回は魚グリルを使わずに調理できる洋風干物『アタラシイヒモノ』を展開する小澤さんに、新たな干物の調理法を聞きました!
――一般的に市販されている干物は「焼き魚」が定番ではありますが、新しい食べ方があれば教えてください。
焼き魚が定番とされる干物は、「料理する」というイメージが薄いですよね。クックパッドで「魚」で検索すると101,864品のレシピが表示されるのに対して、「干物」で検索すると880品しか表示されません(2018年11月28日現在)。それだけ干物は食べ方が限定されるということだと思いますが、以前テレビの取材を受けた時は「サバの干物」を使ったペペロンチーノを作りました。
――サバでペペロンチーノとは意外です! 和食のイメージが強い干物ですが、洋風メニューにもアレンジできるんですね。
当社の田村浩二シェフ曰く「干物はベーコンの代わりになる」そうです。干物は魚を調味液に漬け込んで作るため、塩が効いていて味が凝縮されていますから。
先ほどのサバの干物も、ペペロンチーノ以外でもベーコンの代わりにさまざまなレシピで使えるかと思います。また、サバのみりん干しなら、だしいらずでおいしい煮物をつくることが可能です。下の写真は当社で販売している干物『アタラシイヒモノ』で作った「サバ黒七味の煮込み」ですが、これまでの焼き魚が定番だった干物に対するイメージが変わりますよね。
――干物とは思えないビジュアル…!おしゃれで美味しそうです。『アタラシイヒモノ』は、一般的に市販されている干物と比べてどのような点が違うのでしょうか?
前提として「これまでの干物に対する不満や課題を解消できる干物」としてアタラシイヒモノを開発しました。なので、調理の仕方がわからない、調理が面倒くさい、下処理が大変、臭いが残るなどの課題を解決し、手軽に調理できるようにしています。
魚グリルではなくフライパンや鍋を使って、しかも15分の簡単調理で、例えばアクアパッツァやブイヤベースなど、食卓のメインディッシュが完成できますよ!
――15分でメイン料理は助かりますね! 味わいはどうなんでしょう?
『アタラシイヒモノ』は、塩や砂糖、 ハーブなどを合わせたソミュール液や、選りすぐりのハーブ&スパイスで調味することで、干物としての味わいをさらに凝縮しました。
干物づくりは魚を洗う、魚を調味液に漬け込む、魚を干す、という大きく3つの工程で作られています。この中の「魚を漬け込む調味液」をリデザインし、さらに魚を干す際にハーブやスパイスを振って仕上げています。なので、調味料を使わなくても味わい深いメインディッシュをつくることが可能なんです。
――使い勝手が良いと、食卓での登場回数も増えそうです。
干物市場は直近10年間で10%のダウントレンドです。日本人の魚食離れも社会問題になっています。10%のダウンと言うと「ゆるやかな衰退」という印象を持つかもしれませんが、現場レベルではそんなことはありません。『アタラシイヒモノ』の製造パートナーがある神奈川県真鶴町では、十数店舗あった干物屋が今では3店舗にまで減っているんです。
また、単身・二人世帯や共働き世帯の増加など、ライフスタイルの変化により、日本人の調理離れ、特に調理が面倒だと思われている魚介類は敬遠される傾向にあります。
その点、干物は調理方法がシンプルで時間もかかりませんから、今のライフスタイルにむしろ合っているはずなのですが、肌感覚として、特に若い世代には「ダサいし、扱いがよくわからない」という理由から敬遠されがちな存在になっているのでは、と思っています。
少しでも「ヒモノってイケてる」「ヒモノっておいしいよね」というようなシーンを増やすためにも、干物で作れるイメージのなかった「オシャレなレシピ」を制作し続け、その印象を変えていきたいと思っているんです。グランピング会場や飲食店で使用していただく話も進めてきました。いい意味で、干物で驚かせるシーンをつくり、干物業界を元気にできればと考えています。
――若い世代にこそ干物の美味しさを伝えたいですね! 貴重なお話、ありがとうございました。
2018年12月7日(金)〜9日(日)の3日間、天王洲アイルTMMTにてマルシェイベント「Komercoマルシェ」が開催! 『アタラシイヒモノ』の洋風干物も会場内で販売します。新しい干物体験に興味のある方はぜひご来場ください♪
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.science Inc.代表取締役/株式会社ファーマーズバーベキュー取締役。2012年に量よりも質を志す「食の生産者」の販路づくりを事業化すべく、Yahoo! JAPANからWebマーケターとして独立。写真撮影、コピー制作、HP制作、広報・広告によるプロモーションをひとりで一貫して手がける。2014年から日本全国を周りながら食の生産者の支援を開始。延べ200件以上の情報発信を支援し、現在も継続中。 アタラシイヒモノ