地域に伝わる郷土料理や特産品をつかった美味しいレシピを、自治体が運営するクックパッド公式キッチンがリレー形式でご紹介。第17回目は岐阜県恵那市の公式キッチンから。 日本各地の味わいをご家庭の食卓でぜひお試しあれ♪
山間の岐阜県恵那市は、良質の栗の産地であることで有名ですが、それだけにとどまらず、ゆずを使った「ゆず釜(ゆべし)」も名高い特産品の一つです。ゆずの皮に味噌生地を詰めて干す保存食で、手間隙かけて作るその味は酒の肴にぴったり。ほかにも、テレビドラマでも話題になった五平餅、米粉をつかったお菓子のからすみ、朴の葉で包む朴葉寿司(ほおばずし)、岐阜県特産ブランド山岡細寒天を使った寒天料理など、地域の行事などで食べられる恵那の伝統料理、季節ごとのレシピはさまざまにあります。
「ゆず釜」は、ゆずの中に味噌と胡麻、くるみ、落花生、クコなどの木の実を詰めこんで蒸し、表面が乾いた頃、和紙で包んで風通しのよい場所で1カ月以上ゆっくり乾燥させ硬くなった状態が食べ頃です。秋の終わり頃、ゆずが収穫できる頃に各家庭で作られています。ゆずの香りがほんのり香る味噌はまさに大人の味。寒い冬、晩酌のお供に、薄くスライスして食べます。
日本酒にはもちろん、洋酒に合わせても◎。ゆずの風味が強く残り、硬くなっていない頃の「ゆず釜」はクリームチーズとも相性が良く、イタリアマルケ地方の伝統食フィグログにも似た食べ方ができますよ。保存も効くからたくさん作ってみんなで集まるお正月の酒の肴にぜひ♪