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新提案!週3日の自炊で食材を使い切る「週3レシピ」【一汁一菜生活のススメ vol.3】

一人暮らしをされている方にとって、料理とはどういう行為でしょうか。お料理大好き!という方もいる一方で、料理はめんどくさい、継続するのがむずかしいという方もいるでしょう。一汁一菜スタイルで一人暮らしごはんを愉しんでいるフードプランナー・山口祐加さんが、“料理の肩コリ”をほぐすお話をお届けします。気張らず、毎日のごはんをおいしくいただくコツとは?

一汁一菜生活は継続するのが難しい

前回までの記事で、一汁一菜の入門編と実践編をお伝えしました。とはいえ、記事を読んで実際に日常生活で一汁一菜(ないしは継続的な自炊)を続けてくださる人はどれくらいいるのでしょうか。これは、私が料理に関する記事を書く時にいつも気になっていることです。

実際、私と同じ20代の友人たちに「自炊する?」と聞いてみると、一番多い回答は「したいけどできてない」でした。

もう少し詳しく聞いてみると、「健康や節約のために自炊はしたいけど、忙しくて時間が作れなかったり、料理をしても材料が余って腐らせたりするから料理する気がなくなる」と教えてくれました。

週3日の自炊で、買った食材を使い切る

毎日の生活で楽しくお料理をしてもらうにはどうしたら良いものか。そんなことを考えている時、とある飲み会で「(自称)料理ができない」という男女2人と料理談議で盛り上がりました。

彼らが料理できない理由も、主に以下の3つでした。

・仕事で忙しいから時間がかかることはできない
・余った材料を使いきれない
・一つ一つの材料や調味料に関して使い道をあまり知らない

それなら、簡単にできて時間がかからず、1パックの野菜を週3日程度の自炊で使いきれるレシピを作れば良いのでは?と思いつき、さっそく飲み会の帰り道、彼らに提案してみました。それならできそう!と盛り上がり、「週3レシピ」という名前もつきました。

週3レシピは、ファッション雑誌の着回しコーデのように「常備食材に旬の食材や定番食材を5つほど買い足して、週3日の自炊で使い切るための一汁一菜レシピ」です。

最終目標は彼らが自炊を続けることなので、モチベーションを保つためにも私がレシピを作って発表し、彼らが実際に作ってみてレビューする往復書簡形式のブログ「週3レシピ」を始めることにしました。

同じ食材を、組み合わせや調理法を変えて楽しむ

週3レシピの初回は今年の8月。一緒に買い出しに行き、前回の記事でもお伝えした基本的な汁物とおかずの作り方を教え、型を覚えてもらうことから始めました。

型を覚えてもらったら、9月は旬のきのこを使ったお料理、10月は蒸し鶏、11月はそぼろなどのアレンジができる常備菜を使ってお料理を展開していきました。

例えば、下の図は11月の週3レシピ。1日目はそぼろを作ってそのままご飯にかけたそぼろご飯と、なすのみそ汁とほうれん草のナムル。2日目は甘辛のそぼろと卵黄がよく合う鶏そぼろ和え麺と、卵白を捨てずに使った中華スープ。3日目はそぼろとじゃがいもの煮込みとなすのスープ

3日分の料理で1パックの野菜やお肉が使いきれるように設計してあるので、食材が余って使いきれないことはありません。

参加者の一人・平野くんは料理を始めて1カ月で「料理はアレンジが楽しい」と書いていて、ついこの間まで料理ができないと言っていた人とは思えないほど楽しんでくれています。

また、料理を「食材×調理法」で組み立てることで、料理の最終形態のイメージができて作り始めやすかったというコメントももらいました。確かにハンバーグと言われても、作ったことがなければパン粉や牛乳が入っていることはわからない。教えながら自分も学ぶことが多いと感じました。

週3レシピは、これから料理を始めたい人が一歩踏み出し、日常生活で自炊を続けるために作っています。一汁一菜の献立に悩んだ時には、ぜひこちらを覗いて参考にしていただけると嬉しいです。それではまた来月!

山口祐加

フードプランナー、ライター。1992年東京生まれ、慶應義塾大学総合政策学部卒業。出版社、PR会社を経て独立。両親共働きで、母親に「ゆかが料理を作らないと晩御飯ないよ」と笑顔でおどされ、7歳のときに料理に目覚める。一人暮らしを始めた時から一汁一菜を実践し、TwitterInstagramnote など、SNSを中心に料理と食の楽しさを発信中。好きな食べ物はみそ汁。

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