海外で“スーパーフード”として注目され、国内でも再び人気が高まっている発酵食。私たちにとって身近な発酵食の一つといえば、市販で買うイメージの強い「醤油」。実は手作りできるのをご存知でしたか?
昔ながらの本醸造醤油を造り続ける、京都の『今しぼり』さんに、自家製醤油の作り方と、手作りならではの楽しみ方についてお聞きしました。
――自分で青梅を仕込み、梅シロップや梅酒にする「梅仕事」が今年話題になりました。その流れで今度は自家製の発酵食がブームになるのではと、クックパッド編集部は注目しています。醤油も手作りできるのは驚きでした!どのように作るんでしょうか?
醤油麹と水をビンに入れ、よく混ぜます。初めの1週間だけは毎日1回、それ以降は1~2週間に1回かき混ぜてあげるだけで、色も香りも醤油に育ってきますよ。
今しぼりのキットには、「生きのいい出来たての麹」が入っています。手に入れたらできるだけ早く水を入れ、仕込んでください。あとは、リビングの食卓にや食器棚、あるいは自分の部屋や、職場のデスクでも。場所を問わず、気軽に醤油を手作りできるのです。
麹が時間が経つとともに変化し、育っていく様子です。仕込み始めてから1年半から2年くらいで一番右の「もろみ」状態になります。これを搾れば、おいしい醤油の出来上がりです。ぬか床のように毎日手を加える必要がないので、お手軽ですよ。
また、市販の醤油は酸化することで、味が大きく劣化します。味を劣化させないためには、早く使い切ることが大切ですが、このキットならば醤油蔵の樽と同じように常温で置かれたまま、生きて熟成を深め続け、常に新鮮さを保っているところが特長です。
――自家製の醤油と市販の醤油、味わいはどのように異なるんでしょうか?
何物にも代えがたい、自然の生み出す旨味とコクです。この醤油麹は、日本の各地方で受け継がれてきた、昔ながらの製法で造られています。
発酵と熟成を深めて、日々新しい味わいを生み出すのです。どこで買っても、いつ食べても決まった味、というのは考えてみると変なお話です。例えば同じリンゴの木でも枝や収穫の日が違えば、味が異なるのは自然なことではないでしょうか? その違いを、ぜひ楽しんでいただきたいです。
――確かに言われてみるとそうかもしれません……。自家製なら、熟成の具合によって自分好みの味にもできますね! ほかにも、手作りならではの楽しみ方はありますか?
醤油を丸ごと食べ尽くせるのが、自家製の良いところです。通常、もろみを搾って醤油を出した後のものは、食べることはありません。ですが、私たちはそれをオイル漬けにし、ガーリックや鷹の爪を加えた「食べる醤油」を作りました。
意外と思われるかもしれませんが、パンともろみは相性抜群。この写真は、フランスパンにオリーブとガーリックを加えたもろみを乗せています。ほかにも、蒸し野菜と和えたり、焼き野菜にのせるだけでごちそうになりますし、パスタにからめてもおいしい。もちろん、お米もよく合います。やみつきの味ですよ。
醤油を搾った後のもろみにも、乳酸菌や酵素、酵母がたっぷり含まれています。美味しくて身体にいい、オリジナルの調味料です。
オリーブ&ガーリック味、山椒&なたね油味、鷹の爪&ごま油味の3種類をご用意しています!すぐに使えて便利で、何にかけても味が決まります。
――醤油とパン、予想外の組み合わせでした。でもとても美味しそうで、自家製醤油にますます興味が湧きました。手作りの発酵食について、編集部も引き続き注目していきます。ありがとうございました!
2018年12月7日(金)〜9日(日)の3日間、天王洲アイルTMMTにてマルシェイベント「Komercoマルシェ」が開催されます。 昔ながらの製法にこだわった調味料、丁寧に育んだ食材、手間ひまかけて仕上げたワインに日本酒など、毎日の料理が楽しみになるフードアイテムが登場します。今しぼりさんも出展し、もろみのオイル漬け「食べる醤油」、自家製醤油キット「育てる醤油」のほか、いつでも絞れる醤油の素「今しぼり醤油」が購入可能。
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京都府綾部市の自然に恵まれた里山・志賀郷地区で暮らそうと、都会からIターンして来た
9家族が設立した会社。1500年の歴史がある、昔ながらの古式本醸造による醤油作りをしている。麹菌の生み出す乳酸菌や、酵母の自然の力でじっくり発酵熟成して生まれる、安心・安全で美味しい醤油を届けている。
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