世界中の台所を訪れて現地の人と料理をする台所探検家・岡根谷実里さんが、各地の家庭料理をお届けします。
煮物やサラダなど様々な料理に登場し、食卓に欠かせない野菜と言える「大根」。でもいまいちレパートリーが広がらない…そんなときは、世界でどんな食べ方をしているか目を向けてみてはいかがでしょうか。今回は、世界の台所からの知恵で「大根」をおいしく楽しむアイデアをお届けします!
北インドの家庭では、季節の野菜をスパイスで炒めた「サブジ」をよく食べます。インドというとカレーのイメージが強く、時間がかかりそうという印象もありますが、実はインドのスパイス料理は煮込まずさっと炒めるだけのものも多いです。サブジは使う野菜も1~2種類のみとシンプル。
本格的にみえて実は手軽、「サブジ」は、その時ある野菜とフライパンだけでできる本格時短料理なんです!
サブジはおかずですが、主食のクレープ(チャパティ)もつくれちゃいます。 大根をおろして粉と混ぜ、うすくのばして焼きます。大根から主食もおかずもできるなんて驚き! 日本の大根はインドのより水分が多いので、水分調整に注意です。
こちらはベトナムの朝の風景から。ベトナムでは、働く女性が多いこともあり朝食は外で食べるのが一般的。屋台や小さな飲食店が軒を連ね、路上においしい匂いがあふれます。
そんな朝食の定番が、バゲットサンド「バインミー」です。
具はレバーペーストや玉子焼きやハムなど様々な種類がありますが、すべてのベースに入るのが 大根とにんじんのなます 。紅白なますは日本ではお正月のおせちに食べられる縁起物ですが、ベトナムではパンに挟んで食べる日常のサラダ感覚です。
なますをパンに挟むなんてびっくりですが、ニョクマム(魚醤)がじんわりパンにしみて意外と合うんです。
こちらはスーダンの家庭で毎日のように食卓に上るゆかいなサラダ。 何がゆかいかというと、細かく切った野菜を、手でもみもみして仕上げるのです!野菜は、大根、にんじん、トマトなどなんでもOK。中途半端に残った野菜の使い切りにも便利です。
日本のピーナッツバターはピーナッツ以外の油脂類などが入っていてうまく馴染まないこともあるのですが、100%のピュアピーナッツバターが手に入ったらおためしください。また、練りごまペーストでつくるのもおいしいです。
台湾からは、大根餅。点心の定番ですが家庭でも作るようです。 大根は細い千切りにしたら、粉とまぜて丸めます。ネギをたっぷり入れて大人のおつまみにも、チーズを入れて子供のおやつにも。アレンジも自由自在でいろいろ楽しめてしまいます!
使い慣れた食材は「こうやって食べるもの」と思い込んでしまいしまいがち。日本の知恵が詰まったいつもの料理もいいけれど、ふと飽きたらたまには世界の台所からの知恵を試してみてはどうでしょう。こんな食べ方があるんだ!これとこれも合うかも!と発想の幅が広がるかもしれません。
台所探検家。世界各地の家庭の台所を訪れ、世界中の人と一緒に料理をしている。これまで訪れた国は60カ国以上。料理から見える社会や文化、歴史、風土を伝えている。
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