子どもたちに人気の学校給食レシピを、自治体が運営するクックパッド公式キッチンからご紹介。第5回目は宇都宮市学校給食の公式キッチンから。 誰もが経験した懐かしい給食の味わいや、新たな地域の給食の味発見レシピをご家庭の食卓にぜひ取り入れてみて♪
連載第1回目で、宇都宮市の宮っ子に人気の給食レシピ「餃子めし」を紹介させていただきました。
今回は、2月の最初の午の日を指す「初午(はつうま)」に食べられている郷土料理「しもつかれ」をはじめ、この時期美味しい具沢山で食べ応え満点な汁物「すいとん」、鶏肉のうまみがたっぷり染み込んだほくほくの煮物「じゃがいものそぼろ煮」の3つの料理をご紹介します!
「しもつかれ」とは、栃木県の伝統的な郷土料理で、鮭と大根や大豆などを煮込んだもの。各家庭に受け継がれてきた味付けがあります。農作物の豊作と暮らしの安全を願って、毎年「初午」の時にお赤飯と一緒に作り、稲荷神社に供えられてきました。「七軒の家のしもつかれを食べると病気にならない」という言い伝えもあり、食料が乏しかった時代に食べ物を大切にする先人の知恵が生んだ、栄養価の高い郷土料理です。
この料理を給食に取り入れることで、郷土に対する関心を深め、地域の良さを知り、伝統ある料理を伝承する役割も果たしています。各家庭での味付けがあるように、学校ごとに子どもたちにも食べやすいよう味付けを工夫しているので、残食もほとんどありません。
☆しもつかれ作りのポイント
鮭を煮込む前に焼いておくことで臭み取りの効果があります。鬼おろしと呼ばれる調理器具(おろし器)で大根をおろすと食べやすくなり、味のしみ込みやすい大きさにおろせます。鬼おろしが無い場合は、粗みじん切りでも十分です。
酒粕は多めに入れるとふわっと酒の香りのする、大人な味付けになります。
すいとんは栃木県の郷土料理でもあります。ご飯の足りない時や日常食としてよく食べられていました。季節によって、小麦粉の代わりに米粉で作っただんごを入れたり、旬の野菜を入れて作ったりしています。学校給食では、牛乳入りのだんごでカルシウムもとれて具材のうまみがたっぷりのすいとんを作っています。
調理員さんが一つ一つ丁寧にお鍋に落として作るもちもちのだんごが、子どもたちに大人気です。ほんのりととろみのついた汁で食べやすく、食も進みます。
☆すいとんのおすすめ献立
給食では「きなこ揚げパン、厚焼きたまご、おひたし」などと組み合わせています。意外とパンにも合うんです。もちろん、ごはんと焼き魚などの和食とも相性抜群です。
さっぱりとした肉じゃがを作りたくて、子どもたちの好きな鶏ひき肉を使いました。一般的な肉じゃがと違って、鶏ひき肉を使用しているので脂が少なくさっぱりと食べられます。さらに安くておいしい鶏肉を使用したこのレシピは、給食費をやりくりしている栄養士の先生たちにとってもありがたいメニューです。
☆じゃがいものそぼろ煮作りのポイント
水を入れてからは、とろ火で焦がさないようにじっくりと煮込むとじゃがいもに味がしみ込んで美味しくなります。少し煮崩れしてしまってもそこがまたおいしさのポイントになります。
寒い時期にぴったりの給食レシピの数々。ぜひご家庭でも懐かしの給食の味を再現してみてくださいね。