これさえあれば白ごはんが何杯でもいける!というような絶品ごはんのおともに出会ったら、ごはんライフが楽しくなること間違いなし。ただし、ごはんのおともは「おかず」ではなく、あくまでも“ごはんの味”を美味しく引き立ててくれる存在。主役は白ごはんです。だからこそ、そのレシピはシンプルに。日常の白ごはん量がぐんとアップするようなごはんのおともを、お米ライター柏木智帆がお届けします。
春は山菜の季節。ウドの酢みそ和え、コシアブラの天ぷら、ウコギごはん、さっと茹でたコゴミ……。好きな山菜料理はいろいろありますが、その中でも「これがなければ春が来ない!」と思うほど、毎年どうしても食べたくなるのが、フキノトウで作る「ふきみそ」です。
ただ、以前はふきみそが好きではありませんでした。なぜならば、市販のふきみそ、外食のふきみそ、おすそ分けでいただくふきみそ、どこで食べるふきみそも砂糖が多すぎて私には甘すぎると感じたからです。
そんな時に母が作ってくれたのが、今回ご紹介するレシピ。砂糖を一切使わずに、みりんだけでほのかな甘味を加えています。油を使ったほうがコクが出るという方もいますが、このレシピでは油を使っていないので、フキノトウの香りとほろ苦さをダイレクトに味わうことができます。優しい甘じょっぱさに、白ごはんがぐんぐん進みますよ。
昨年の春、夫(米農家)が収穫したお米で作った塩むすびをマルシェで販売しました。その時、このレシピで作ったふきみそをおむすびに乗せ放題にしたところ、ふきみそをおかわりしに来てくれる方もいて、おかげでふきみそを詰めていた大きな瓶は空っぽになりました(塩むすびも完売!)。
白ごはんや塩おむすびに乗せるだけでなく、もちろん、おむすびの具にもおすすめ。お子さまには、味噌とみりんを多めにすると食べやすいかもしれません。
どんなお米に合わせるかはお好みですが、ふきみそがほろ苦くてしっとりとしているので、程よく粘りのあるもっちりとしたお米にも合います。
お米をふっくらと炊き上げるには、お米をしっかりと浸水させることが大事。夏場は30分、冬場は1時間とも言われていますが、冷蔵庫の中で半日ほど寝かせてから炊いてみてください。確実に旨みが増します。先日、24時間浸水してから炊いてみたところ、さらに旨みが増していました。
ただし、浸水は必ず冷蔵庫の中で。暖かい室内で長時間置いておくと、雑菌が繁殖してしまいます。
お米ライター。元神奈川新聞記者。お米とお米文化の普及拡大を目指して取材するなか、お米農家になるために8年勤めた新聞社を退職。2年にわたってお米を作りながらケータリングおむすび屋を運営した。2014年秋からは田んぼを離れてフリーランスライターに。お米の魅力や可能性を追究し続ける、人呼んで「米ヘンタイ」。
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