子どもたちに人気の学校給食レシピを、自治体が運営するクックパッド公式キッチンからご紹介。第11回目は東京都日野市立保育園の公式キッチンから。 誰もが経験した懐かしい給食の味わいや、新たな地域の給食の味発見レシピをご家庭の食卓にぜひ取り入れてみて♪
日野市立保育園のおやつは、子どもが一日に必要な栄養素を補うための「補食」と捉えています。乳幼児期は成長が著しく、体重当たりの必要栄養量が多いのですが、子どもの胃袋の大きさは成人より小さく、一度に食べることができる量に限りがあります。そこで3回の食事で摂りきれない栄養を、おやつで補っています。もちろんおやつは子ども達にとって楽しみでもありますので、手作りケーキやクッキーのようないわゆるおやつ的なものから、いも類、麺類、パン、ご飯等ボリュームのあるものも取り入れています。
日野市は「生涯にわたって健全な食生活を実践できるひのっ子・日野人を育む」を目指す姿として、市全体で食育を推進しています。保育園給食でも食育に取り組み、心身ともに豊かな日野人の育成につながるようなおやつを提供しています。
メニューは基本的に栄養士が検討して決めていて、保育士の先生や調理員さんからもご意見をいただき、毎日のメニュー作りに生かしています。
大切にしているのは季節感や行事、いろどりで、食事が好きになるよう美味しく楽しいメニューも心掛けています。そして、オリンピックや時事を意識した料理や料理のトレンド、話題の食材を使用したおやつも考案しています。
昼食で摂りきれなかった野菜やいも類、果物等を使う一方で、コーンフレークや米めん、米粉等で小麦粉の代用をし、食物アレルギーにも配慮したおやつを考案しています。
※はちみつは1歳未満の乳児には与えないでください。
おやつを考案するうえで見た目は重要で、「これはなんだろう?」と興味を持ってもらうことが大切だと考えています。食べてみておいしい!となると、子ども達は食に興味を持ってくれたり、メニュー名を覚えてリクエストしてくれたり、これをきっかけにお迎えに来た保護者と親子の会話が弾む場合もあり、おやつの効果は大きいものがあるのです。
ただあまりに奇抜すぎると、逆に最初の一口を躊躇してしまう可能性もあるので、そこには気を遣っています。
また、乳幼児期は「食を営む力」の育成に向け、様々な食材を経験する・味わうことは大変有意義なことと考えます。おやつは園児にとって保育園生活の中で楽しみのひとつです。
みんなで食べるという共食によって、より楽しいおやつの時間が心を豊かに育てていきます。園児が食べやすくなるように工夫をすることは、食生活を豊かにすることにも繋がっていると感じます。
前述でもふれたように、おやつは「補食」であるということを念頭においてみてください。もしその日の朝にあまりご飯が進んでないようであれば、おやつにおにぎりや雑炊、パンなど、一日の足りない部分を補うようなメニューを心がけるといいのではないでしょうか。
おやつは何か特別なものではなく、食事の延長ととらえると、メニューも決めやすいかと思います。そしてお楽しみの部分もあるおやつですから、時には季節の果物のようなおやつもいいのかもしれません。
もちろんクックパッドの中の保育園のおやつレシピを手作りすることをおすすめしますが、調理が1段階だけ、蒸す、焼く等さえすればできる、もしくは電子レンジでチンするだけでできるおやつも手軽でいいですね。
使いやすい食材は芋(じゃがいも・さつまいも)でしょうか。芋の状態のままであれば、ある程度常温保存もききますし、そのまま茹でるだけでもおいしく食べられます。揚げたり、味付けをいろいろと変えたり、チーズと一緒に焼いたりと、メニューは無限に広がります。
ぜひ、できるところから試してみてほしいです。