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コラム

爽やかな香りと塩加減!手軽に作れる無添加の自家製「柴漬け」【至福の「ごはんのおとも」レシピvol.4】

これさえあれば白ごはんが何杯でもいける!というような絶品ごはんのおともに出会ったら、ごはんライフが楽しくなること間違いなし。ただし、ごはんのおともは「おかず」ではなく、あくまでも“ごはんの味”を美味しく引き立ててくれる存在。主役は白ごはんです。だからこそ、そのレシピはシンプルに。日常の白ごはん量がぐんとアップするようなごはんのおともを、お米ライター柏木智帆がお届けします。

子どもも大好き!夏野菜を使った無添加の柴漬け

梅干しを作ると、その副産物として梅酢ができます。梅と塩に紫蘇も使えば赤梅酢。紫蘇を使わないと白梅酢。いずれも、とてもフルーティーで爽やかな香りです。ドレッシングやドリンクなどさまざまな活用法がありますが、一番に作りたくなるのは柴漬けです。

市販の柴漬けは添加物が入っているものがほとんど。子どものころは柴漬けが好きでよく食べていましたが、大人になって添加物の存在を知ってからは、あまり箸が進まなくなってしまいました。

でも、柴漬けが食べたい。

作ってみると、使う食材は、なすきゅうりみょうが紫蘇など夏野菜のオンパレード。旬の野菜を使う上に、暑い時期でも食が進む柴漬けは、夏にぴったり。さっぱりとした柴漬けが食卓にあると、夏場でもごはんが進みます。

市販の梅酢でも作れる!赤梅酢か白梅酢かはお好みで


柴漬け作りは意外と簡単。市販の梅酢もあるため、梅干しを手作りしない人でもぜひ柴漬けに挑戦してみてはいかがでしょうか。

白梅酢を使うと、上品な仕上り。赤梅酢を使うと、市販でもよく見かける真っ赤な柴漬けを作ることができます。梅酢によって傷みにくくなる効果も期待できるため、お弁当に添えるも良し。お茶漬けにもピッタリです。

緑色のお米はおいしいの??

先日、ある米店のブログに「お米を購入した客からクレームがあった」と書かれていました。クレームの内容は「ほとんどの米が緑色に変色していて食べる気がしない」というものだったそうです。

精米してしまうと分かりませんが、玄米を見ると緑色の米が混ざっていることがあります。これは、「生き青」「死に青」と呼ばれています。

ブログには「これは『生き青』で、農家がこの粒をあえて残すように収穫・選別している」「生き青は甘みが強くて香りがみずみずしい」「プロの農家たちは『生き青が少し入っているほうがうまい』と口をそろえる」などと書かれていました。そして、説明が不足していたと反省されていました。

ブログの画像を見ると、確かに茶色い玄米の中に緑色の米がたくさん混ざっています。しかし、よーく見ると、生き青だけでなく、死に青も混ざっていました。

生き青は、正式には「青未熟粒」のことで、粒表面に葉緑素が残った緑色の米。つまり、茶色く熟しきる前の米。死に青は、正式には「青死米」のことで、粒のほとんどが粉状で光沢のない緑色の米。見極めポイントは、生き青は透き通った緑色、死に青は濁った緑色です。

「生き青が入っているとおいしい」というのは、生き青だけを取り出して食べてみたことがないので分かりませんが、多くの米店や米農家がそう言います。実際に生き青が混ざった米を食べておいしかったという経験はありますが、そのおいしさが生き青によるものであるかどうかは分かりません。そして、生き青がどの程度の割合で入っているとおいしいのかも分かりません。

しかし、死に青が混じっていると食味は落ちると思っています。なぜならば、色彩選別機で弾かれた選別外の死に青や、虫に食われたり病気によって損傷を受けたりした「被害粒」、米に茶色い斑点がついたりした「着色粒」などだけを炊いて食べてみたことがあるからです。

選別外のごはんは、酸っぱい香りがして、食感がぐちゃぐちゃねちゃねちゃ。風味が悪く、苦みとえぐみがあり、食べ続けられませんでした。死に青、被害粒、着色粒のどれがどんな風味や食感なのかまでは分析していませんが、少なくとも死に青による味への悪影響はあると思っています。

玄米を購入する際、あるいは、その場で精米して白米を購入する際は、「生き青」「死に青」の存在にも注目してみてください。「生き青は本当においしいのか?」という疑問については、生き青を集めて炊飯できたらご報告します!

柏木智帆

お米ライター。元神奈川新聞記者。お米とお米文化の普及拡大を目指して取材するなか、お米農家になるために8年勤めた新聞社を退職。2年にわたってお米を作りながらケータリングおむすび屋を運営した。2014年秋からは田んぼを離れてフリーランスライターに。お米の魅力や可能性を追究し続ける、人呼んで「米ヘンタイ」。
【ブログ】柏木智帆のお米ときどきなんちゃら
【クックパッド】柏木智帆のキッチン

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