健やかに美しく人生を過ごすには、女性の体には欠かせない栄養素があります。「女性の人生に必要な栄養素」連載第8回は「ビタミンD」です。
じょうぶな骨づくりに必要な栄養素といえば、一番にカルシウムを連想しますよね。もちろんカルシウムは丈夫な骨を作るのにとっても大切な栄養素です。
しかし忘れてはならないのが、そのカルシウムの吸収を助けじょうぶな骨づくりの縁の下の力持ちとして働くビタミンDなのです!
ビタミンDは、骨の形成に重要なカルシウムやリンの吸収を促す働きがあります。そもそも骨の形成は、小腸で吸収されたカルシウムが血液中に入り、そのカルシウムが一定濃度以上に高まると、余ったカルシウムを骨に蓄えていくというのが仕組み。その仕組みの中で、血液中のカルシウムは筋肉運動や神経伝達に関わるため、常に一定の濃度を保つことが必要なのですが、ビタミンDはそのコントロールをおこなう役割もしています。
実は、このビタミンDは食事から摂る以外にも、紫外線にあたることで皮膚で作られます。シミのない白い肌を手に入れるため、あるいはまた紫外線のあたりすぎは皮膚がんのリスクが高まるということを懸念し、なるべく紫外線にあたらないように日傘や日焼け止めクリームで万全の紫外線対策をしているという人は多いですよね。しかし紫外線をまったく浴びないという状態になると、肌でビタミンDを作ることができなくなってしまいます。 ビタミンD不足は乳児の場合は『くる病』になりますが、大人になると『骨軟化症』という骨や関節の痛みを伴う状態に。適度な日光浴も心がけてみてくださいね。
ビタミンDは主に魚類、卵、きのこ類に多く含まれています。
鮭、さんま、いわし、まぐろ、かじきまぐろ、かつお、卵、きのこ類(しいたけ、しめじ、えのき、エリンギ、舞茸など)
鮭、きのこのダブルのパワーでビタミンDをたっぷり補給できます。
ビタミンDは油に溶ける性質のビタミンのため、油を使った調理法ならより吸収が良くなります。
きのこは紫外線を浴びることでその食材そのもののビタミンD含有量がぐんとアップ。しいたけを天日に干して作る干ししいたけはビタミンDの宝庫です。
スーパーなどでも手に入りやすい魚やきのこに多く含まれるビタミンDは、意識さえすればふだんの食卓にも取り入れやすいのがポイントです。 60代以降の女性の約半数が骨粗しょう症といわれている現代、カルシウムと共に吸収を促すビタミンDをしっかり補給して、そして適度な日光浴を心がけ、今のうちからカルシウムをしっかり骨に蓄えてくださいね。