お菓子・料理研究家。シンプルなレシピが好評。
「お菓子はレシピ通り作れば、必ずおいしく作れます」と話すのは、お菓子研究家・福田淳子さん。丁寧なレシピとその再現性の高さで人気の福田さんに、この連載では材料4つで作れる“本当においしいお菓子”を紹介していただきます。第5回は「グラニテ」。まだまだ暑いこの時期におすすめの簡単ひんやりデザートです。
残暑お見舞い申し上げます。
まだまだ、暑い日も多いですね。今日はそんな日にもぴったりな「コーヒーのグラニテ」を紹介します。今までで1番簡単で、手間がかからず、そして材料が最も少なく(たった3つ)、オーブンも必要なし。なのに、けっこうおいしくて、本格的! と、うれしいこと尽くしのレシピです。作るときは量が多いかな?と思っても、すぐに食べ終わってしまうので心配無用。
「グラニテ」はもともと、フランス料理コースの中で口直しを目的に出された氷菓のことを指します。
今は果汁やコーヒーやシャンパンを凍らせて、シャリシャリに砕いた氷のお菓子全般がグラニテと呼ばれています。冷たいお菓子は暑い時期にぴったりな食べ物です。でも、あまりにも気温や湿度が高い時には、アイスクリームなどのコクのあるクリーミィなものだと少しまったりと感じることも。そんなときこそ、グラニテの出番です。
脂肪分があまり入らないグラニテは食べると爽快感があります。
名前だけを聞くとなんだか難しそうですが、作り方はとても簡単。 材料を混ぜて、凍らせて、崩して固めたらできあがり。至ってシンプル。
湯を入れて、その後で水を加えるのはその方が早く液体が冷めるからです。分けて入れるのが面倒くさい、という人は湯を400ml(水は入れない)にして一気に混ぜていただいても大丈夫です。
今回はインスタントコーヒーを使いましたが、コーヒーにこだわりがある方は自分でドリップしたものを400ml使ってもいいでしょう。人の舌は通常の温度のものより、冷たいものの方が味を薄く感じるので、気持ち濃い目にいれていただくとよいと思います。
砂糖の量にも同じことが言えます。常温で飲むと少し甘めなのですが、こちらも凍らせると甘みは弱く感じます。お好みで加減していただいても平気ですが、減らしすぎには注意しましょう。
そして、砂糖を減らしすぎない方がよい理由がもうひとつあります。このレシピで、砂糖には甘味づけ以外に大事な役割があるのです。砂糖を入れることで、水を単体で凍らすよりも、氷が柔らかくなり、崩す時にふわっとした食感を出すことができます。
これはお菓子作り全般にも言えます。砂糖の役割は甘味づけだけではないのです。安易に砂糖を減らすことで、色々なバランスを崩すこともあるので注意しましょう。
最後に香り付けとして、ブランデーやリキュールなどのお酒を加えます。コーヒーに合いそうなものならばなんでも大丈夫。ブランデー、ラム酒、カルーアミルク…などなど。これが入ると、食べた後ふっと香りが広がり、一気に高級感が増します。
ただ、「入れないとできない」「必ず入れる」というものでもないので、こども向けに作る方や、家にないし準備するのも面倒という方は入れずに作ってください。入れなくてもそれはそれで、誰にでも好まれる親しみやすい味でおいしいのです。逆にお酒が好きな人は入れる量を増やしてもいいでしょう。
容器に入れて粗熱が取れたら、冷凍庫で凍らせます。入れ物は冷凍可能なものならなんでもいいのですが、固まった後にフォークで崩していくため、バットなどの底が広いものを使うと固まるのも早く、作業がしやすいです。冷凍庫に入れたら、完全に凍るまで待ちます。凍ったら、全体をフォークでひっかくようにして崩します。
かたくて作業しづらいという時には、常温に少し置いてから作業するといいでしょう(もちろん、そのまま置き忘れると溶けますので注意してくださいね)。
崩したら再度、冷凍庫に入れてしっかり固めて、器に盛り付けたら出来上がりです。崩す→盛り付けでもいいのですが、柔らかくなっている分溶けやすいです。暑い日は、器も冷凍庫で冷やしておくといいですよ。
作り方は細かく書きましたが、基本失敗がないレシピなので、安心して気楽に作ってみてください。そのまま食べるコーヒーグラニテもおいしいのですが、イチオシなのはアレンジメニューのドリンクです。ぜひそちらも試してみてくださいね。
お湯…200ml
グラニュー糖…100g
インスタントコーヒー…大さじ2
水…200ml
お好みでリキュールやブランデーのお酒…大さじ1〜2
1.ボウルに湯、グラニュー糖、インスタントコーヒーを入れて混ぜる。砂糖が溶けたら、水とお酒を加える。
2.粗熱がとれたらバットなど底が広い容器に入れて冷凍庫で3〜4時間凍らす。
3.2をフォークで崩して、再度冷凍庫でよく冷やし固める。冷やした器に盛り付ける。
コーヒーグラニテを作ったら、必ず作るお気に入りレシピ。お店以上の味をミキサーいらずで簡単に楽しめます。
コーヒーグラニテを作り、グラスに入れて上から牛乳を注ぎます。割合はおまかせで。ストローで混ぜながらいただきます。 お好みで細かく刻んだチョコを入れたり、上にホイップクリームをのせても。
我が家では、お菓子作りに、料理に大活躍です。揚げ物のときの天ぷらバットとしても使っています。
お菓子・料理研究家。カフェでメニュー開発や店舗の立ち上げを経験後、雑誌や書籍を中心に活躍中。身近な材料と、シンプルな手順で美味しく仕上がるレシピに定評がある。これまでに手がけたお菓子の本は30冊以上。
【Instagram】@junjunfukuda
お菓子・料理研究家。カフェでメニュー開発や店舗の立ち上げを経験後、雑誌や書籍を中心に活躍中。身近な材料と、シンプルな手順でおいしく仕上がるレシピに定評がある。これまでに手がけたお菓子の本は40冊以上。
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【note】@sakuracoeur