地震や台風・豪雨など、自然災害はいつ自分の身に降りかかるかわかりません。大規模災害に見舞われた場合、日常生活を取り戻すまでには時間がかかるケースも想定されます。被災直後の緊急避難を経て、「在宅避難」へと移行することも少なくないでしょう。在宅避難経験のあるクックパッドユーザー1191名へのアンケート調査結果から、イザという時に役立つ「食の備え」とは何かを読み解いていきます。
本特集の第2回では、在宅避難時の最大の課題は「食・水の確保」であり、水を極力使わずにすむ調理法を知っておくことも、重要な食の備えとなることがわかりました。
では、特に在宅避難時の食事作りで役に立った「食材」とは何だったのでしょうか? 在宅避難経験者1191名の回答結果では、「缶詰」がトップとなりました。
「缶詰」の選択理由としては、「長期保存ができるので賞味期限を気にせず食べられる」「缶を開けたらそのまま食べられるので洗い物を出さずにすむ」「調理をしなくても食べられる」などの理由が大半を占めました。多くのご家庭で、普段からよく使う食材としてストックがあったことが想定され、活用した方も多かったようです。
また、「乾麺・缶詰で2日弱は、いろいろアレンジできます。もう少し被災が続くことがあれば、小麦粉は必須。うどん、パン、ピザ、中華まんなどが作れます」というご意見も。
「小麦粉」は上のグラフでは下位にランキングされていますが、主食やおやつを作るのにも便利という声が複数見られました。おかずとして「缶詰」を、主食の予備として「小麦粉」をストックしておくと、使い勝手がよいかもしれません。
常温で長期保存が可能な缶詰は、まさに備蓄食材の基本。そのまま食べるのはもちろん、ひと手間加えれば立派なおかずに早変わりするのも魅力です。
大量にストックすることも可能な食材だけに、飽きずに長く食べ続けられるよう、アレンジレシピもいくつか覚えておくとさらに活用しやすくなります。
ほかにも、火を使わずに混ぜるだけで完成する和えものなども、缶詰があれば簡単に作れます。複数種類の缶詰を常備しておくと、非常時でも組み合わせ次第でおかずのバリエーションを広げることができそうです。
次回は、在宅避難時の食事作りに役立った「調理器具・道具」のアンケート結果と、その活用レシピをご紹介していきます。
(TEXT:福井千尋)
調査テーマ:「被災時の料理に関するアンケート」
調査方法:インターネット調査(クックパッドのメールマガジン)
調査地域:全国
調査対象:クックパッドのユーザー2777名(うち在宅避難経験者1191名)
調査実施時期:2019年3月29日(金)〜4月1日(月)
被災直後の緊急避難を経て、自分や家族の安全が確保できると判断できた場合には「在宅避難」を選択するケースも少なくありません。ただし、ライフラインが完全復旧しておらず、不具合がある中で在宅避難生活を送るには、日ごろからの「備え」が必要です。
そこで、本書ではクックパッドの豊富なレシピの中から、非常時だけではなく日ごろから活用できる「ポリ袋調理」や「節ガス・節水レシピ」などをピックアップして掲載。また、上の記事でも紹介している在宅避難経験のあるクックパッドユーザー1191名へのアンケート調査結果を元に、被災時に本当に役立つ備えや生活周りの知恵を紹介しています。
家族の“災害に備える力”を高めるため、また、イザというときに自分の頭で考えて行動するためのツールとして活用できる実践的な内容が満載の一冊です。
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