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毎朝1時間弱で、朝食・お弁当・夕飯の支度が完了!ひとりの主婦を救った「下味冷凍」のスゴさとは【増税時に役立つ冷凍ワザ Vol.4】

クックパッドが実施した「消費税率引き上げによる食卓への影響」アンケートでは、食費節約術として『冷凍保存』と回答した方が多数でした。冷凍保存と組み合わせて検索されるキーワードでは、これまで不動の一位だったお弁当を抜き、『下味冷凍』が一位になっています。この連載では各回でプロの方々においしい下味冷凍の仕方や、具体的な活用法を教えていただきます。第四回はクックパッドレシピエールのいづみうなさんに、下味冷凍を駆使した時短術についてお伺いしました!

「下味冷凍」で1日の調理時間を1時間弱に!

こんにちは、クックパッドレシピエールのいづみうなです。

私はフルタイムで働いていて帰宅時間が遅いため、朝に朝食・お弁当・夕食の3種類をまとめて作っています。
なので朝のキッチンはまさに「戦争」です。そんなとき大活躍するのが「下味冷凍」。
今回は、私が普段実践している下味冷凍の方法や、これさえあれば! というおすすめのレシピを紹介します。みなさんの料理の負担が少しでも軽くなり、家族に笑顔が増えたらと思います。

まず、我が家のルーティーンをお話します。
朝食に出す味噌汁は、自家製冷凍野菜ミックスを鍋に放り込んで一番最初に作ります。
鍋にお湯を沸かし、冷凍野菜を入れて食材が柔らかくなるまで煮てから味付けします。たった5分程度で具だくさんみそ汁の完成です。

お弁当や夕食に使うのは、下味をつけたお肉やお魚です。前日に解凍して調理時間を短縮し、それを焼いたり揚げたりして主菜にしています。

また、冷凍庫に必ず常備しているのがキャベツのざく切り、人参の短冊切り、油揚げの細切り、きのこのスライスです。野菜単体は、味付けをしない方が色々アレンジできるので便利ですよ。 
このセットがあれば、いつでも野菜炒めやみそ汁にできるので心に余裕が生まれるんです。

野菜を買ってきたら半分は使いやすい大きさにカットして冷凍し、残りの半分はそのまま野菜室に保存。数日間使わなかったらカットして冷凍します。
こうすることで、野菜室の奥でしなびたネギや人参が発掘されることが少なくなりました。

煮物用に大根を切るならついでに短冊切りも作って冷凍しておく…など、まな板と包丁を使うついでの時にも冷凍ストックを作っています。
こうすることで、食材を切ったりまな板を洗ったりする時間がほとんどなくなり、大幅な時短になります

そして買い物の時点でこれはこうやって味付けしよう、と考えて下味冷凍をするので、献立に悩む時間も大幅に減りました。
毎朝1時間弱で、朝食・お弁当・夕飯の支度と洗い物が終わります。

冷凍焼けしない!おいしい下味冷凍の仕方

とはいえ、「冷凍だと味が落ちそう」と思っている方も多いと思います。我が家も家庭用の普通の冷凍庫を使っていますが、冷凍の仕方を工夫することで、普通に作ったものよりもっと美味しくすることもできるんですよ。

冷凍と加熱ができる食品用ポリ袋(私はアイラップを使っています)に食材を平らにしていれ、どれも空気を抜けるだけ抜いてジッパー付き保存袋に入れ二重にして冷凍。袋を重ねることで冷凍焼けしにくくなります。平らにすることで冷凍時間も解凍時間も早く、冷凍庫で場所も取らずいいことだらけです。

保存期間の目安は1か月ですが、冷凍したものによって食べるのを早めたり、と工夫しています。

野菜単体を冷凍するとき

霜が付きやすいので、なるべく早く使っています。

肉・魚単体に下味をつけて冷凍するとき

そのまま冷凍するときに比べて保存期間が長くても、臭みや冷凍焼けが気になりません。

肉や魚と野菜をミックスするとき

水分が出やすくなるので少し濃いめに味付けをしています。調味料も増えるので水分が多めになります。なるべく早めに使います。
たんぱく質と野菜が一緒に摂れるので一番活躍しています。

下味冷凍の前に、「冷凍セット」を作ってみよう

下味冷凍だと簡単ではありますが、調理が必要です。でも、食材を切って一人分にまとめておいた「冷凍セット」なら、さらに手軽にできますよ。これまで下味冷凍をやったことがない方は、こちらで一度練習を兼ねてトライしてみてもいいと思います。試してみると、その便利さに驚くはずです!

ラーメンセット

めんま・チャーシュー・野菜ミックス・ラーメンを1食分ずつ保存袋に入れれば、1袋が1人前のラーメンセットになります。

チャーハンセット

ラーメンセットと同じく、ご飯・チャーシュー・ねぎを一袋に入れてチャーハンセットに。

ナポリタンセット

茹でたスパゲッティー、野菜ミックス、ウインナーでナポリタン。

このようにセットにしておけば、色々な自家製冷食ができます。あれを作りたいけどこれが無い! なんてことが無くなりましたし、すごくおすすめです。

これさえ仕込めばアレンジ無限大!お肉・お魚の「下味冷凍の素」

メインとして毎日の食卓に出せる、お肉・お魚の「下味冷凍の素」をご紹介します。

お肉の下味冷凍の素「豚こま玉ねぎ」

玉ねぎとめんつゆで下味をつけた豚肉です。凍らせることで豚肉の中に味が染み込み、おいしく仕上がります。調味料を少なくすることで、 しょうが焼き肉豆腐つけ麺など、たくさんのアレンジレシピが作れます。

お魚下味冷凍の素「タラの中華風」

中華だし、酒、ごま油と最小限の調味料に漬け込んで冷凍したタラです。そのまま焼いてもいいですし、タラと白菜のレンジ蒸しから揚げパン粉焼きにアレンジできます。タラだけでなく他のお魚でもおいしいし、お肉にを漬け込んでもおすすめです。

忙しい毎日を救ってくれる「下味冷凍」

平日は朝早く帰宅も遅く、休日は子どもの少年団や部活の試合の送迎と応援で、一週間があっという間に終わってしまいます。
冷凍庫がなかったら今の生活は絶対にできませんし、毎日4時5時に起きて泣きながらご飯支度をしているかもしれません。ここ一年くらい、まさに冷凍冷凍! で生活していました。

買い物は行けるときにまとめて食材を購入。
味付けまでは無理でも、食材を切ってまな板を洗う。
食材をしまうのが特に大っ嫌いで、毎回とっても面倒と思ってますが、ここで頑張ったら一週間楽できる! と自分を奮い立たせて食材の下ごしらえをしてからしまっています。
それだけでも、次の日がとてもラクなんです。
翌朝は食事の支度をしながら、余った食材を冷凍……そんな家事貯金をしながら生活しています。

また、一年前に震災で長い停電を経験してから、非常食としても冷凍した食材は役に立ちました。我が家はIHコンロだったので、いつ復旧するかわからないなか、カセットコンロのガスボンベが減らないように節約しながら使っていました。自然解凍でも食べられるものがとても役立ったんです。

チャーシューを作ってスライスして冷凍。焼き魚はほぐして冷凍。豚肉を焼いて味付けして冷凍など…今では、加熱した肉や魚も積極的に冷凍しています。

これからも、冷凍食材をうまく活用して自分のライフスタイルを作っていこうと思っています。みなさんがご自身の家事に「冷凍」、「下味冷凍」を取り入れて、毎日の暮らしを豊かにする一助になればと思います。

連載: 増税時に役立つ冷凍ワザ
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