子育て世代にとっては、やはり気になる「食育」。でも、何から始めればよいかわからない、という方も多いのでは? この連載では、子ども料理研究家・武田昌美さんに、子どもと一緒に料理を楽しむ方法と、料理を通して子どもが得られる成長について、わかりやすく解説してもらいます。日々の料理を親子のコミュニケーションの場に変えてくれる魔法のアドバイスをどうぞ♪
早いもので今年も残り10日です。2020年のオリンピックの年は、ずーっと先だと思っていたのに、再来週には2020年です。随分と未来まできたものだ…とつくづく感じます。
さて、師走のお母さんは大忙し。師匠も走るのかもしれませんが、母も負けず劣らず移動は常に小走りのハードスケジュールです(笑)なんてったって、子どもの冬休みが始まったかと思ったら、矢継ぎ早にクリスマスに大晦日、お正月準備。大掃除だって…何となくしなきゃという気もします。
こんな忙しい時に、私が、「一からスポンジ生地を焼いてクリスマスケーキを手作りしましょう!」なんて言ったら、いやいやそうは言っても…現実はというとなかなかそうもいきませんよね。
そこで今回は、市販のものを駆使して、とっても楽しい松ぼっくりお菓子を作ってみましょう。我が家では、幼稚園のお友達が遊びにきてくれた時に、子ども達のおやつの時間に自作してもらって楽しんでいます。
先日娘(6歳)のお友達が遊びに来てくれた時のことです。
「みんな見てー。これなーんだ?」
突散らかして遊んでいた子ども達の視線がパッと降り注ぎます。なーんだそんなの知ってるよ、というちょっと不満そうな顔で
「松ぼっくりだけど…」
だから何?お皿に松ぼっくりなんて乗せちゃって、怒られるよー、という具合にちょっと拍子抜けな感じです。
「じゃあこれ食べちゃおっかなぁー。あーむ!」
「っ!!!!!!」
その瞬間、子ども達の目がキラッキラに輝きます。
「何で?何で食べてるの???」
みんなさっと集まってくれます。そこでもったいぶりながらも種明かし。お菓子でできた松ぼっくりなんだよ。いますぐ簡単に作れるよ。そしてお決まりのセリフ。
「一緒にお料理する?」
すると、一斉に
「するー!!」
一目散に手洗い場に駆けて行き、あっという間にスタンバイ完了。
材料は、カステラにチョコ、牛乳少々とチョコ味のコーンフレークを適量、そして粉糖をお好みで用意するだけでOK! 材料はたったこれだけなのに、記事トップの写真を見てください! ちょっと本物に見間違えちゃうほどそっくりです。
せっかくなので、先に本物の松ぼっくりを見せます。ここに松の木の種がついているんだね。この一つ一つが取れてプロペラのように風に舞って遠くに辿り着くんだね。水に入れるとキュッと縮むんだよ。
知識を得る時に、一緒に楽しい経験をすると学びの定着率がぐんと高まります。せっかくお料理するなら、レシピに合わせて、探求するテーマも学べたら一石二鳥!
今回は6歳児2名と3歳児、2歳児が挑戦です。形成する場面を子ども達にやって欲しかったので、カステラにチョコソースをかけてまとめるところまでは、私が行いました。
それぞれにラップを手渡し、茶巾型にしてもらうところからスタート。そのあと、茶巾を開いて、手を使ってちょっとのっぽに形成したら、チョコフレークを下から刺していきます。
2歳・3歳チームはここでちょっとつまみ食いです。お料理の醍醐味ですね(笑)
そして完成。みんな本物そっくりの松ぼっくりに大喜びです。この松ぼっくりお菓子、クリスマスのケーキの上にポンっと置くだけでもとっても可愛いです。クリスマス時期に、ぜひ挑戦してみてくださいね。
それでは皆様、素敵なクリスマスをお過ごしください。
武田昌美(子ども料理研究家)
リトルシェフクッキング(株)代表取締役。フランスで料理の修行をしていた父の影響を受け、幼少の頃から料理に興味を持つ。航空会社にて客室乗務員をしながら、各地の料理や文化に触れ、知識を深める。2人の子どもの親となり、多くの子どもたちに料理の楽しさ、食の大切さを伝えていきたいと強く願い、2017年より「ママも知らなかった才能が花開くクッキングスクール」をコンセプトにした料理教室『リトルシェフクッキング』を主催。保有資格は、フードコーディネーター、スパイスマイスター、食品衛生責任者。2019年3月、子どもが一人一人料理できる料理教室『リトルシェフクッキングEduCooking Lab』を東京都世田谷区にオープン。
【HP】https://little-chef-cooking.com/(ご予約はこちらから)
【Instagram】@masamis__kitchen
【ブログ】子ども料理研究家 武田昌美の食育ブログ
【クックパッド】武田昌美のキッチン