これさえあれば白ごはんが何杯でもいける!というような絶品ごはんのおともに出会ったら、ごはんライフが楽しくなること間違いなし。ただし、ごはんのおともは「おかず」ではなく、あくまでも“ごはんの味”を美味しく引き立ててくれる存在。主役は白ごはんです。だからこそ、そのレシピはシンプルに。日常の白ごはん量がぐんとアップするようなごはんのおともを、お米ライター柏木智帆がお届けします。
冬は漬物の季節。かつては冬支度として大きな樽で大量の白菜や大根などで漬物を仕込む家庭が多かったそうですが、今では地方に住んでいてもそうした光景を見る機会は減りました。
しかし、個人的には冬になるとどうしても食べたくなるのが白菜漬け。そこで、少量かつ手抜きで作りました。
鍋料理で余った白菜の使い道としてもおすすめです。葉の部分は大きめ、芯の部分は細かく切ると塩味のバランスがとりやすくなります。
そのまま食べてもおいしいですが、食べる直前にひとつまみの鰹節をかけると風味と旨みが加わります。白菜漬けの葉っぱでごはんを巻いて食べたり、塩分を薄めにしておいて最後に醤油をひとたらししたりとお好みでアレンジいろいろ。白菜漬けだけでごはんがあっという間になくなります。
「正月に食べた餅が余ってしまった」「正月に餅を食べ過ぎて飽きた」。そうした人たちに向けにて1月はメディアで餅のアレンジレシピを見かけることが多くなります。
でも、餅を正月だけでなく日常的にもっと楽しんでみてもいいのではないでしょうか。暑い夏に餅はさすがに重たいですが、その他の季節は餅を冷凍で常備しておくと、食事を手軽に済ませたい時にも便利です。
「朝はパンを焼くだけ」という人にはこんな餅もあります。静岡県にある「安東米店」の「アーモンド玄米餅」です。トースターやグリルで外側をカリッと焼くと香ばしく、調味料を使わなくても玄米とアーモンドの味わいでそのまま楽しむことができます。
あえて米粒を残してついているため噛みごたえがあり、どことなくナッツ入りライ麦パンのような雰囲気もあって、パン好きの人にもぜひ試してもらいたい餅です。そのままでもおいしいですが、安東米店の店主・長坂潔曉さんによると、オリーブオイルと塩を付けてビールと合わせるのもおすすめだそうです。
また、ひとくちに餅といっても、ごはんと同様にさまざまな品種があります。
つき方によっても違いますが、品種によって、粘り・硬さ・伸び・甘味・なめらかさ、そして冷めてからの変化にも違いがあります。
正月に「こがねもち」「〆張もち」「大正もち」「わたぼうし」「みどり米」「ヒメノモチ」の白餅を食べ比べてみました。ほのかな甘味を感じる餅、ほのかな塩味を感じる餅、しっかりとした弾力を感じる餅、ふわっとした食感の餅、なめらかさがものたりない餅、よく伸びる餅、冷めても硬くなりづらい餅とそれぞれの特徴を噛みしめることができました。
個人的には、白餅に最も大事だと感じたのはなめらかさでした。伸びが大事だという人もいれば、粘りが大事だという人もいるでしょう。ちょっとだけ楽しみたいときにはしっかりとした粘りがある餅がよくても、たくさん食べたいときには粘りが強いと重たすぎるという場合もあります。
好みや食べ方に応じてお好みの餅を見つけると、日常の食卓に餅を取り入れやすくなるかもしれません。餅を買うとき、まずは品種に注目してみてはいかがでしょうか。
お米ライター。元神奈川新聞記者。お米とお米文化の普及拡大を目指して取材するなか、お米農家になるために8年勤めた新聞社を退職。2年にわたってお米を作りながらケータリングおむすび屋を運営した。2014年秋からは田んぼを離れてフリーランスライターに。お米の魅力や可能性を追究し続ける、人呼んで「米ヘンタイ」。
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