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コラム

まろやかな味わい♪育てる調味料「豆乳塩麹」を作ってみよう【工藤詩織の「お豆腐」進化論 Vol.19】

ヘルシー、節約……でも、それだけじゃない! 身近な食材「お豆腐」の魅力はまだまだあるんです。この連載では、豆腐マイスター・工藤詩織さんに、お豆腐をもっとおいしく楽しむための知られざるノウハウを伝授してもらいます。「そうだったんだ!」と思わず納得の意外な活用法を知れば、きっと試してみたくなるはず♪ あなたの食卓のお豆腐が“進化”すること間違いなしですよ!

万能発酵調味料「豆乳塩麹」とは?

皆さまはこの数ヶ月「おうち時間」をどのように過ごされていたでしょうか? 料理のレパートリーが増え、新たな調味料にも手を伸ばすようになった方も中にはいらっしゃるのではないかなと思います。私がこの「おうち時間」を通じて定番化した習慣のひとつは、万能発酵調味料「豆乳塩麹」づくりです。

すでにお馴染みの「塩麹」は、塩・米麹・水からできていますが、水の代わりに豆乳を使用して発酵させたものが「豆乳塩麹」。塩麹よりもクリーミーでチーズのようにまろやかな味わいに仕上がります。材料3つを容器に入れたら、あとはヨーグルトメーカーにお任せ!
使い道が豊富で、料理のジャンル問わず使えるので、何度もリピートしてしまいました! 今回はそのレシピと使い方をご紹介したいと思います。

ヨーグルトメーカーで作る「豆乳塩麹」

作り方は、米麹200g、塩80g(塩分控えめの場合は60〜70g)をムラなく混ぜ合わせ、無調整豆乳300mlを加えたらヨーグルトメーカーで発酵させるだけ。豆乳は市販のものだと濃度が7%〜12%程度と差があるので、濃厚な豆乳を買ってきた場合は豆乳200mlに水を100ml加え、ある程度サラサラな状態にしてあげると混ぜやすいです。お手持ちのヨーグルトメーカーに「塩麹」専用モードがある場合はそちらを選択、無い場合は60℃で6時間程度を目安に発酵させてください。

味見をしながら経過観察をしたところ、はじめのうちは塩辛さがハッキリしているのですが、6時間後には米麹の粒が小さくなり麹と豆乳の一体感が生まれます。ツンとした塩気が目立たなくなり、チーズを想像させるようなコク深い味わいに。麹の酵素の働きによってお米と豆乳から「甘味」と「旨み」が引き出された証です。水の代わりに豆乳を使用したことで、よりねっとりとした重みのある質感に仕上がりました。

ご紹介したレシピは、一般に市販される塩麹の平均的な塩分濃度の約13%になるようにしています。塩分を控えたい場合も、腐敗を防ぐために12%程度をキープし、保存する際は冷蔵するようにしましょう。

1度作れば、使い道いろいろ!

「豆乳塩麹」の使い道は、通常の塩麹のようにさまざま。塩小さじ1を、豆乳塩麹(塩分13%)小さじ2に置き換える感覚で使うことができます。
お肉やお魚を漬け込み柔らかくしたり、玉ねぎやキャベツ、きのこ類を「豆乳塩麹」で炒めたり、メインのおかずから副菜まで、とにかく万能に使えます。個人的には、お肉は鶏むね肉または鶏もも、魚はメカジキとの相性が抜群でした!
また、ミキサーやハンドブレンダーをお持ちの方は、撹拌させてさらに滑らかな「豆乳塩麹」にすると、スープの味付けにも使えます。オリーブオイルと酢を足してサラダ用のドレッシングにしても良いですね。

豆乳を使っているので、お豆腐をつかった料理とも相性抜群! 例えば「白和え」。豆乳塩麹に、砂糖と練りゴマペースト、水切りした木綿豆腐を混ぜ合わせて和え衣をつくり、旬の野菜と合わせれば「豆乳塩麹白和え」の完成です。

他にも、水切りしたお豆腐を「豆乳塩麹」に漬け込んで、モッツアレラチーズのような「豆乳塩麹漬け豆腐」を作ってみても良いですね。

いかがでしたか? 普段なかなか調味料を自作することは少ないと思うのですが、1度作るといろいろな料理に使えるので、とっても便利です。ぜひ「豆乳塩麹」を試してみてくださいね。

工藤詩織(往来/豆腐マイスター)

幼少から豆中心の食生活を送り、豆腐がいつも暮らしの中心にある無類の豆腐好き。日本語教師を目指して勉強する過程で、食文化も一緒に伝えたいと「豆腐マイスター」を取得。国内にとどまらず海外でも、手作り豆腐ワークショップや食育イベントを実施して経験を積む。2018年より「往来(おうらい)」をテーマに本格的に活動を開始。豆腐関連のイベント企画・メディア出演などを通して、各地で豆腐文化の啓蒙活動を行っている。「マツコの知らない世界」(TBS系)、「ヒルナンデス」(日本テレビ系)、「ごごナマ」(NHK)等へ出演。
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