cookpad news
トレンドレシピ

「冷たい何も知らない鶏肉」から始まる滝沢カレンさんの鶏の唐揚げの物語【カレンの台所の舞台裏・中編】

独特な日本語使いで大人気のモデル、滝沢カレンさん。新刊レシピ本『カレンの台所』にはカレンワールド全開の不思議なレシピが満載です。レシピ誕生の裏話や、カレンさん流の料理との付き合い方など、「カレンの台所の舞台裏」を前中後編の全3回でお届けします!

最初は「鶏の唐揚げ」が憎かった…

2019年にInstagramにアップした途端、あっという間に話題になった滝沢カレンさんの鶏の唐揚げ。いわば『カレンの台所』の代表作とも言えるレシピです。でも、これも最初から得意料理だったわけではなかったそう。

「鶏の唐揚げは、失敗No.1の子。一番足引っ掛けられました。最初は憎かったです。もうなんでこんな色になっちゃうんだ?と、失敗が恥ずかしいのと悔しいのとで、あんなに上から捨てたことないってくらい、勢いよくゴミ箱に投げ入れたことがありましたね。当時は、唐揚げが私に対して反抗期だったんです」(滝沢カレンさん)

そんな唐揚げに申し訳なくなったカレンさんは、「いつか絶対おいしい唐揚げを作りたい!」と思って、3〜4年前から特訓し始めたのだとか。

「ここで味を入れて、入れて、と鶏肉を見ながら『入ってくれよ〜、頼むよ〜』と話しかけてると、唐揚げのほうもだんだん優しくなってきたんです。鶏に液体入れて、冷蔵庫でくつろいでいただいて、とすごく大切にして。油の温度も命です。熱すぎても寒すぎても、唐揚げはうれしくない。コンロの説明書まで出してきて丁寧に調節してたら、唐揚げのほうから向き合ってくれて、最後は『私たち通じた』という色になったんです。いろんな喧嘩があったけど、今は仲良しの友達です」(カレンさん)

ということで、全3回でお届けしている「カレンの台所の舞台裏・中編」は、カレンさんの代表作「鶏の唐揚げ」のレシピをご紹介します。ぜひカレンさんに導かれるまま、おいしい唐揚げを作ってみてください♪

カレンの台所の「鶏の唐揚げ」の物語

私が家で唐揚げを作るときのお決まりをご紹介します。

唐揚げは鶏もも肉がおすすめですので、ご自分の食べたい分だけお買い上げください。それを子どもの頃に集めたガチャガチャサイズくらいの形に切ります。

私は味が濃いのが好きなので、今から話すことは味濃いと思いながら聞いてください。
薄いのが好きな方はこれから話すよりは自分で決めてくださいね。

そうしましたら、スタートです!

まず、透明度まではいかないがスーパーでよく見かけるしもらうビニール袋を二重にします(豪快な方はジップロックなど)。
そこに冷たい何も知らない鶏肉を入れてあげます。

やれやれとボッタリくつろぐ鶏肉に、上からいくつかかけ流していきます。
まずリーダーとして先に流れるのは、お醤油を全員に気づかれるくらいの量、お酒も同じく全員気づく量、乾燥しきった粒に見える鶏ガラスープの素を、こんな量で味するか?との程度にふります。
入れすぎても入れなさすぎても、あまり変わるわけではないので気にしすぎもよくないです。

そして匂いが取り柄なにんにくすりおろしかチューブ、生姜すりおろしかチューブを、鶏肉ひとつにアクセサリーをつけるくらいの気持ちでつけてあげてください。
あとはごま油をご褒美あげるくらいにします。

最後に気前よく塩胡椒して鶏肉への刺激は終わります。
順番は自由です。

そうしましたら開きっぱなしの入り口を柔らかく結んでください。
あとでまた開けます。

自分が二の腕気にして触ってるくらいの力で鶏肉をさらに最終刺激します。
男のみなさんは自分の力を見せない程度にしてあげてください。

うわっこりゃすごい色だ!と濃さや匂いに驚かれてる方は、15分くらい冷蔵庫で冷やしたらもう漬けるのをやめましょう。

わぁもういい匂いだお腹すいた!と笑顔になる方は、そのまま30~60分冷蔵庫にて鶏肉を休ませてあげてください。

あっという間に、待たせている鶏肉を思い出す時間になります。
面白いくらいにブったりした鶏肉があるはずです。

好き好きな入れ物に片栗粉と少しの小麦粉を入れて、潤い満タンの鶏肉を一気にパサパサ雪世界にしてあげます。

あ、その前にみなさん激熱油は用意できてますか?

私はたまにの油物なので、ここは贅沢御免でオリーブオイルを170度くらい熱々にします(飛び跳ね、指を入れるなど命かけてしないでください)。

熱々に見えなくてもそこは想像を絶する熱さです。

170度にいきましたら、パサパサ鶏肉をおにぎりを一握りの気持ちで「いってこい」の後押しで油へ。
すぐさま何かしらの反応を見せたら、あ、楽しくやってるな、と見過ごしてあげてください。

何の反応もしてくれなかったら一旦取り出してください。油がまだ170度ではありませんそれは。

そして全体的に薄茶色になったら、一旦油取り紙(料理用)みたいのに移し、さらなる高温に油を熱くします。180~190度にして、懲りずにまた唐揚げを油へ沈めてください。

だんだんとキャピキャピ音が高くなってきたら、ほんとに出してくれの合図です。

しっかりここではコミュニケーションとってください。
これ以上茶色な唐揚げ見たくない!ってタイミングでもいいです。

みなさん、「何事も早くがいい」と言われても、先に190度など高温にしてしまうと焦げたり中はまだあったまってないですから、気をつけてくださいね。

そんな鶏の唐揚げの物語でした。

安全第一で無理矢理な時は油物は控えてくださいね。
でもたまーの大量油は身体もそこまで困らないと思います。

ぜひ、よろしくお願いします。

>>クックパッドでも、『カレンの台所』レシピがチェックできます♪

『カレンの台所』(サンクチュアリ出版)好評発売中!

言葉の魔術師・滝沢カレンが綴る、人類未体験の新感覚レシピ文学!
「冷たい何も知らない鶏肉」「お醤油を全員に気付かれるくらいの量」「無邪気にこんちくしょうと混ぜてください」「二の腕気にして触ってるくらいの力で、鶏肉をさらに最終刺激」などなど、「その発想はなかった!」と思わず唸ってしまうレシピたちが目白押し。
レシピとは思えないその詩的な文章は、時には食材目線にまでおよび、1つの料理ができあがるまでの壮大な物語に吸い込まれ、実際に作らなくても、読むだけでも面白い一冊となっています。
レシピだけどレシピじゃない。爆笑。なのにつくれる。うまい。――独特の世界観で描かれた豪華全30メニューをご堪能ください。

滝沢カレンさん

(撮影/三輪 友紀)
1992年、東京生まれ。2008年、モデルデビュー。現在は、モデル以外にもMC、女優と幅広く活躍。主なレギュラー出演番組に『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ)、『沸騰ワード10』(日本テレビ)、『伯山カレンの反省だ!!』(テレビ朝日)、『ソクラテスのため息~滝沢カレンのわかるまで教えてください~』(テレビ東京)など。

【Instagram】takizawakarenofficial
【クックパッド】カレンの台所のキッチン

関連する記事
その工程、本当に必要?面倒をそぎ落とした「ちょうどいい料理」の考え方 2023年07月08日 14:00
990人絶賛レシピも!旨すぎる「しめじ」の食べ方 2023年06月12日 11:00
下味に昆布茶、お肉を卵白でコーティング!「おうちごはんの神」が教える、感動レベルの唐揚げレシピ 2023年07月10日 17:00
ご飯がすすむ!カリカリなすで大量消費 2023年07月02日 08:00
唐揚げもハンバーグも「豚こま」で作れた!ガッツリおかず4選 2023年07月04日 08:00
中毒性あり⁉ この夏ヘビロテ確実の「オクラ」レシピ 2023年07月08日 13:00
さっぱりおかずが食べたいときに!しっとりやわらか「よだれ鶏」3選 2023年07月24日 08:00
カリカリ・サクサクに夢中!「鶏皮おつまみ」で乾杯しよう 2023年07月14日 20:00
包丁不使用でラク!手が止まらない味の「手羽先だけおかず」 2023年07月20日 08:00
簡単!安い!うまい!「鶏むね肉」の大量生産おかずレシピ5選 2023年06月12日 16:00
「食器洗いまで全部楽しい」為末大さんが料理に見出す美学 2023年06月17日 19:00
買える数に制限も⁉︎「カルディ」の大人気商品がヘトヘトな日に活躍 2023年07月07日 20:00
ザックザクで噛み切れちゃう!歯ごたえ最高の「エリンギの唐揚げ」を作るコツを聞いてみた 2023年08月06日 20:00
食卓に彩りを!たんぱく質もとれる「チキンラタトゥイユ」献立 2023年07月15日 11:00
【1人分78円】鶏むね肉でやわらかジューシー!肉感たっぷり「ハッシュドチキン」 2023年07月08日 16:00
暑い日はちょいスパイシーがいい!真夏の「唐揚げ」レシピ 2023年08月05日 09:00
最強に旨い!やみつきになる「カリカリ唐揚げ」 2023年08月10日 19:00
350人絶賛!豚こまと〇〇でふわっとジューシーから揚げが完成 2023年08月13日 08:00
ストック1缶がピンチを救う!「鶏肉×トマト缶」で15分で完成するスピードおかず 2023年08月15日 08:00
悪魔的なウマさ!「なす」は唐揚げにして食べてみて 2023年08月24日 17:00
食べすぎ注意!去年も流行した「オクラのから揚げ」 2023年08月25日 15:00
【1人分100円】しっとりジューシー!特製ソースでおいしさ倍増の「やわらかすぎるチキンカツ」 2023年08月12日 16:00
箸が止まらない!濃厚「豚こま肉×なす」の節約おかず 2023年08月04日 16:00
あの大物芸能人も溺愛!「アジフライ」ブームはなぜ起きた? 2023年08月29日 19:00
焼く・炒める・煮る・茹でる…なんでも作れる!料理家・今井真実さんのフライパンの選び方 2023年08月30日 18:00
驚きサクふわ!フレンチシェフ直伝の「新食感から揚げ」が美味 2023年08月01日 20:00
給食で大人気!甘辛味がたまらない「チキンチキンごぼう」 2023年09月06日 08:00
新しい食べ方発見!「納豆の唐揚げ」がサクサク香ばしい 2023年09月20日 17:00
香り高くさっぱり風味!「ねぎ塩味」の鶏肉メインおかず 2023年09月22日 08:00
うまっ!辛っ!ご飯もお酒も進んじゃう「最高の山賊焼き」の作り方 2023年09月29日 19:00
もはや手料理では勝てない…!?編集部スタッフも大絶賛のおいしすぎる「冷凍食品」 2023年08月11日 17:00
旬の魚を人気の唐揚げに!カリふわっ「秋鮭ザンギ」 2023年09月29日 21:00
迷ったらコレ買って!お得すぎる「業務スーパー」おすすめ缶詰を紹介 2023年09月04日 12:00
つくれぽ160件!豚こま×じゃがいもで作る「唐揚げ」がボリューミー 2023年10月10日 08:00
「味見でなくなる」「2本分ペロリ」ごぼうの旨すぎる食べ方を発見 2023年10月14日 09:00
カリカリ旨すぎ!「えのきの唐揚げ」があと一品に便利 2023年10月06日 13:00
パスタ、唐揚げ、漬物も業務スーパーの「チリソルト」実食レポ 2023年10月18日 12:00
買ってよかった!30代女性が本気でおすすめ「キッチングッズ」3選 2023年10月27日 17:00
1人分77円!鶏肉1枚とじゃがいもで大量生産「ポテから」 2023年09月26日 13:00
パサパサむね肉は卒業!つけるだけでしっとり仕上がる魔法の「ブライン液」 2023年11月01日 11:00
おうちで韓国料理!甘辛×とろ〜り濃厚チーズの最強タッグ「チェゴチキン」 2023年11月17日 19:00
もも肉がジューシー!焼き方にワザあり「鶏のねぎ塩だれ」レシピ 2023年11月19日 15:00
焼き、ゆで、揚げで楽しみ方いろいろ「カリフラワーだけ」の副菜レシピ 2023年11月28日 15:00
パクパク止まらない!うますぎる「手羽先おかず」2選 2023年11月01日 21:00
まるで唐揚げ!鶏むね肉の「落とし焼き」が揚げずにお手軽 2023年11月06日 16:00
1人1000円で9品も完成!「業務スーパー」の食材で作れる豪華なハロウィンメニュー 2023年10月20日 21:00
これぞ万能調味料!「にんにく麹」が今クックパッドで人気 2023年11月28日 17:00
800人絶賛レシピも!ねっとりホクホクがたまらん「里芋だけ」副菜 2023年11月29日 15:00
昨年の食トレンド予測から見事、入選!なんでも使える「米粉」が大ヒット 2023年11月29日 04:00
700人が絶賛!ポリ袋で手間なく作れる「軟骨のから揚げ」 2023年11月29日 21:00