節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんの「食費節約レッスン」で、貯め上手・遣い上手になりましょう。今回は、夏の在宅勤務で増えがちな電気、水道料金の上手な使い方をご紹介します。
緊急事態宣言も解除され、街には人が戻りつつあります。通勤の電車もほぼ自粛前と変わらない混み具合となっているようです。企業によっては、隔日出勤もしくは引き続き在宅勤務のリモートワークをしているところもあります。当然ですが、在宅勤務中の水道光熱費は自己負担です。夏の在宅勤務で増えがちな電気、水道料金の上手な使い方をご紹介します。
水温が上がる夏はガス代がむしろ安くなるので、あまり気にしなくても大丈夫ですが、一般家庭のガス代の多くが給湯ですので、給湯の設定温度を低く設定しておくといいでしょう。
夏の日中14時頃の消費電力(在宅世帯平均)は
1位 エアコン58%
2位 冷蔵庫17%
3位 照明6%
4位 テレビ5%
以下、温水洗浄便座、パソコン、待機電力と続きます。つまり、エアコンを上手に使うことで節電につながります。
日中の在宅時間が増えると、エアコン、冷蔵庫、照明の利用時間が増え、その大半がエアコンなのでエアコンの上手な節電方法からご紹介します。
・カーテンやすだれなどで日差しをカット
太陽の熱は窓ガラスを通して部屋へ入り、エアコンで冷やした空気は窓ガラスを通して外へ逃げてしまいます。それを防ぐには、外側から日陰を作る方法もしくは、カーテンをしめて熱をカットする方法があります。外出する際も、カーテンを閉めることで家や部屋に熱がこもりにくくなります。
・扇風機を併用する
エアコンの冷房運転の設定温度は26℃から28℃へ2℃上げ、扇風機を併用すると、節電かつ快適さを保つことができます。
エアコンのみ26℃で運転した場合を100とした場合、28℃設定で約20%の節電になります。扇風機の弱~中相当で20~30Wを一日中使っても約13~20円、月あたり約390~600円です。
26℃から28℃で運転した場合、1日9時間の使用で1シーズン(冷房期間112日)約1,640円の節約、1日18時間運転した場合、1シーズン約3,280円の節約。そこに扇風機の電気代が約1,088~1,633円/(1日あたり18時間使用)加わっても併用運転の方が節約になります。(※1)
※1 家庭の省エネ徹底ガイド 春夏秋冬2017などより筆者試算
冷蔵庫の節電ポイントは、置き場所と開閉回数を減らすことです。
冷蔵庫は、放熱を妨げないように壁から離して設置をしましょう。上側に荷物を置いておくとそれだけでも放熱を妨げるので、スチールラックを置いて10㎝ほどの空間を確保してから荷物を置くとよいでしょう。また、直射日光が冷蔵庫にあたる場所も放熱を妨げる原因になります。できるだけ日陰の涼しい場所に設置しましょう。放熱を妨げないようにするだけで、年間約1,220円の節約になります。
また冷蔵室にものを詰め込みすぎると、冷やすために電力がかかり、そして中のものを探すために開閉回数や開閉時間が増えてしまいがちです。
節電のコツは、冷蔵室はすっきりと中をみやすくすること。飲み物は大きめの保冷ポットに入れてリビングに置いておき、冷蔵庫を開けなくても飲めるようにするなどの工夫をすると、開閉回数を減らすことができるでしょう。ものを詰め込み過ぎず、ムダな開閉を減らすと、年間約1,460円の節約になります。
在宅勤務で照明を使う時間も増えがちです。照明としてシーリングライトを利用している方も多いかと思います。蛍光灯とLEDで比較をすると、意外な結果がでました。
蛍光灯の場合、消費電力は約81W 1時間あたり約2.2円 1日18時間約39.6円
LEDの場合、消費電力は約34.3W 1時間あたり約0.9円 1日18時間約16.2円
と、半分以上の差です。
(8~12畳用のシーリングライトで比較)※2
1か月の差は約702円、1年で約8,424円と大きな差になります。シーリングライトはLEDが主流となっており、値段も1~2万円くらいですので、長時間使う部屋から交換してみてはいかがでしょうか。
※2 金額は筆者試算、1kWhあたり27円で試算
在宅時間が増えると、水の使用量もふえがちです。 水は一旦流れてしまうと、戻すことはできません。夏は水が気持ち良いですが、流しっぱなしをやめて、まずは桶やコップなどに溜めて使うことで節水につながります。
家庭での水の使用量が一番大きい風呂は、浴槽に湯を張ってその水を最後までムダ無く使うのが節水につながります。節水のコツは残り湯は洗濯や掃除に使って、日没後に庭やベランダに残り湯を打ち水として利用すれば、ムダがありません。
家族の人数が多い場合は、節水シャワーヘッドを付けることをおすすめします。水圧を高くすることで、節水につながります。表示の節水率や機能によって値段は変わりますが、節水率が50%以上のものを選ぶといいでしょう。購入する際は、メーカーを確認して対応するシャワーヘッドを選ぶようにしましょう。
トイレの節水は、大と小を使い分けるだけでOKです。また、古い水洗トイレは水の使用量が多く、1987~2001年のモデルは大13L、最新モデルは大4.8Lとその差11.2Lです。
※最新型の節水型の器に交換することも検討してみてはいかがでしょうか。
夏の節電節水のポイントは、我慢ではなく上手に使うことです。リビングにポットを置いて適度に水分補給をして、カーテンで外の熱気をブロックしながらエアコンと扇風機を併用して快適な空間を作りつつ、熱中症対策も同時に行いましょう。
旅行会社、コンビニ店長などを経て2001年節約アドバイザーとして独立。節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。食費はもちろん生活全般の節約術・ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなど様々なメディアで活動中。
公式ホームページ「らくらく節約生活」はこちら>>