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コラム

幸せなレシピの引き出しを作る!「お子様カルボナーラ」で家族ごはんを。【料理で子どもの好きを見つける vol.6】

「食育」ってそもそもなんでしょう。「子どもにとって良いこと」という認識はあるけど、じゃあ具体的に何をしたら「我が家では食育をしています!」と胸を張って言えるものなのでしょうか? 栄養素を教えることが食育? それとも野菜や果物、食物の知識そのものを教えること? …どこから手をつけていいのかがわかりませんよね。この連載では「食育わからない!」のお手上げ状態から、「なーんだ、こんなことも食育って言えるのか、これならできる」という食育フレンドリーに一歩でも近づける様なヒントをお伝えしていきたいと思っています。

第6回目の今回は、小学生低学年向けの食育についてお話したいと思います。この時期には、一人でイチから料理を作って、自信をどんどん育むのにおすすめですよ。

逞しい成長を見せてくれる子どもたち

あっという間に6月が始まりました! 長かった自粛期間を経て、少しずつ段階的にですが、お友達に会える時間を、心の底から喜んでいる子ども達の笑顔が眩しいです。

我が家の長女は、今年1年生になります。ピッカピカのランドセルを枕元におき、教科書を入れたり筆箱の中身をなんどもチェックしたり…。この2カ月間、ランドセルに溢れんばかりの期待と希望を詰め込んでいました。
そして、いよいよこの6月から登校が始まりました。親としては、1人で登校できるものなのか…もうドキドキです。近所のコンビニへのお使いでさえ、こっそり後ろから追いかけて様子を見守っているのに、果たして大丈夫なのか、ぼーっと何かに夢中になって車や自転車にぶつからないか。はたまた道を間違えないだろうか。急にお手洗いに行きたくなったらどうするんだろう。考え始めたらキリがないほど心配が尽きません。

一方、当の本人はすっかりやる気満々で、キリッとした顔つきで学校までのルートを確認しています。初めての1人での通学、初めてのお勉強、初めて会うお友達。娘の頭の中は、夢と希望でいっぱいです。進級した子も、一個上の学年になり新しいことが始まるワクワクに心を弾ませながら、6月を迎えていることと存じます。

家族のごはんを任せてみる

そんな逞しい成長を見せてくれる子ども達に、ぜひ「家族のごはん」を任せてみてはいかがでしょうか?「ありがとう! とってもおいしい!」。 そんな家族からの感想を聞くと、照れ臭いけどとっても嬉しそうな笑顔で喜ぶ姿が思い浮かびます。


今回のレシピは、低学年の子どもでも計量できるように、「大さじ」での分量表記にしました。


注意していただきたい点は、「パスタを茹でて、湯からパスタをあげる時」です。子どもには鍋を持ち上げて流しに移動するのは危険なので、トング等でパスタを鍋から取り出してください。怖がる場合は大人が鍋をおさえるなど補助をしてあげてください。お湯の飛び跳ねが怖い場合は、子ども用軍手をはめてあげても良いです。また、「1人でできるよ!」と子どもが言っても、必ず近くで見守ってあげてくださいね。


「作る人も、食べる人も幸せになる」、そんなレシピの引き出しをたくさん持った子に

私が経営するリトルシェフクッキングでは、昨年、夏休み限定で小学生の自由研究のレッスンを行いました。その時もテーマは「パスタ」。手打ちパスタを作った後、たらこパスタとあえて、みんなでいただきました。

通常のレッスンでは親御さんにも子どもが作っている姿を、近くでご見学頂いているのですが、小学生の自由研究のレッスンでは、子ども達だけで行いました。印象的だったことは、親御さんがいらっしゃらなくなった後、子ども達がこちらも驚くほどシャキッと変化したことです。近くにパパやママがいらっしゃるとちょっと甘えた表情が垣間見られますが、姿が見えなくなると急に顔つきがしっかりして、「子どもってどんどん成長しているのだな」と感動したのを覚えています。

ついこの間まで幼稚園だった低学年の子も、とても丁寧な言葉で受け答えをしてくれて、「私、もう小学生!」という自負心の強さを感じました。
そんなしっかり者の子ども達、パスタ打ちをしながら「ママ、これ食べたら喜ぶだろうな。」「家で待っている弟にもあげよう。」とニコニコしながら家族のことを考えている様子が微笑ましく、優しい気持ちでいっぱいになったレッスンでした。

「誰かのことを想って料理を作る」。そんな幸せな気持ちを、私は子どものうちから養っていきたいと考えています。作る人も、食べる人も幸せになる、そんなレシピの引き出しをたくさん持った子どもに成長して欲しいと願っています。

武田昌美(子ども料理研究家)
リトルシェフクッキング(株)代表取締役。フランスで料理の修行をしていた父の影響を受け、幼少の頃から料理に興味を持つ。航空会社にて客室乗務員をしながら、各地の料理や文化に触れ、知識を深める。2人の子どもの親となり、多くの子どもたちに料理の楽しさ、食の大切さを伝えていきたいと強く願い、2017年より「ママも知らなかった才能が花開くクッキングスクール」をコンセプトにした料理教室『リトルシェフクッキング』を主催。保有資格は、フードコーディネーター、スパイスマイスター、食品衛生責任者。2019年3月、子どもが一人一人料理できる料理教室『リトルシェフクッキングEduCooking Lab』を東京都世田谷区にオープン。
【HP】https://little-chef-cooking.com/(ご予約はこちらから)
【Instagram】@masamis__kitchen
【ブログ】子ども料理研究家 武田昌美の食育ブログ
【クックパッド】武田昌美のキッチン

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