食の専門家や、料理が好きな著名人の方たちにインタビューする連載「体もこころもキレイになる食事」。第二回は素敵なお料理をInstagramへたくさん投稿されている、モデルの高山 都さんにお話を伺いました。 晩酌やおいしいごはんが明日への活力となるという高山さんは、自分の中で小さなルールをたくさん決めているそう。無理な食事制限をすることなくキレイでいられるコツと、この夏イチオシの簡単麺レシピを教えて頂きました。
高山都といいます。私は19歳からモデルやお芝居の仕事をはじめました。
実は私、若い頃はモデルという仕事をしていながら、健康を気にしたり、定期的に運動を取り入れたりするような生活をしたことがなかったんです。 でも、若さだけではもう無理なんだなと感じ始めたのは20代半ばを過ぎた頃。痩せにくくなったり、肌荒れが気になり始め、仕事にも怠っていたことが繋がってしまって、「このままではいけない!」と感じたのがきっかけになり、食を含めた暮らしを見直すようになりました。
と言っても、どこから手をつけて良いかわからない状態。10代の頃は仕事柄もあって、おいしい食事よりもダイエットを優先していたのですが、我慢していてもどこかでひずみが出てしまうし、炭水化物を抜いたり、1食置き換えたりすることを一生続けることは難しいなと思いました。
だから、20代後半からはおいしく食事をするために「自分でできる調整をやっていこう!」決めたんです。
自炊と運動をバランス良く取り入れ、小さいけど毎日ゆるく続けられるルールをコツコツ続けています。
自炊を始めたことで、塩分、使う油や砂糖の量が目に見えるようになったので、1日を通しての食生活を意識するようになりました。 例えば、今日はしっかり運動もしたから、夜は揚げ物を食べてよしとしよう! とか、夜はお酒を飲みたいから炭水化物は控えよう、とか。我慢するだけでは続かないので、メリハリをつけてバランスの良い食事を心がけています。
運動は10年ほどマラソンを続けています。 元々、仕事の企画がきっかけで始めたのですが、運動音痴で、ハーフマラソンの距離さえも理解できていなかったのですが、コツコツ練習をするのが楽しくなって、それ以来続けています。
あと、私、大のお酒好きなんです。10年続けているランニングも実は飲むために走る、お酒を抜くために走ると言ってもいいくらい(笑)。 おうちに長くいる時間が多かった今年の春も、こういう世の中の状態でもできることはある!と意識して、少し遠いスーパーへ足を伸ばしてみたり、家の中でできるちょこっとした運動、階段を使う、など小さなルールを大切にしてきました。
こうしているのは、晩酌をしたり、おいしく食事をすることが明日の頑張る活力に繋がるから。暮らしを見直す時になんでも禁止にするのではなく、1日の中でのバランスをとって、自分の中でのルールをたくさん作って続けることがコツだと感じています。
私は料理研究家ではなくて、「料理好き」、「うつわ集めが好き」が組み合わさったタイプなので、レシピを紹介するだけではなく、お料理の楽しみ方をシェアしていきたいんです。 そこで続けているのが、Instagramへの投稿。毎食分、投稿をできる訳ではないのですが、日々の記録として、きれいに盛り付けられたら投稿するようにしています。
その時に欠かせないのがうつわと盛り付け。
うつわにこだわりだして6年くらい経ちます。最初に買ったのは青いプレート。私、青いお皿が好きなんです。
おいしいものってだいたい茶色いんですけど、その茶色いお料理と青いお皿がすごく合うんです。唐揚げを青いお皿に盛るだけで、なんかおしゃれに見えちゃう。青って食材の中でほとんどない色だから、補色の役割をしてくれます。
同じうつわでも、盛り付け方によって雰囲気がガラリと変わります。 お料理が苦手な人でも、一生懸命作った1品に一番合うお皿に盛り付ければ、それがごちそうになるんじゃないかなと思うんです。テイクアウトしたお惣菜もパックそのままで出すんじゃなくて、うつわに盛るだけで全く印象が変わりますよね。背筋を伸ばして「いただきます」と言いたくなることが大切だと感じています。
あと、自分の中のインスピレーションも大切にしています。
旅行先で撮影した写真の中の空の青色と着ていたワンピースの赤色がとっても相性が良くて、青いお皿に赤いパスタを盛りつけたみたり、お散歩の道に咲くカラフルな花の色合いなど、日々の風景から気づくことや、外でごはんを食べる際にプロのワザをこっそり盗んでみたりしています。
うつわについての相談や質問をたくさんいただくのですが、最初から高いうつわを揃える必要はありません!100均などでも青いお皿を買えるので、まずはそのお皿をいろいろ使ってみてください。「今なら高いうつわを使いこなせる」と思ったら特別な1枚を買ってみる、でもいいと思います。
私は、サバ缶を使ったお料理をよく作ります。オリーブオイルベースのものだと他のオイルと合わせづらいので、水煮のサバ缶を使うことが多いです。
「高山都の美食姿」という本の中でも、サバ缶を使ったアレンジをたくさん紹介しているんですが、今回はその中から、この夏におすすめの1品をご紹介します。
材料(一人分)
素麺…一束
サバ缶…半分
フルーツトマト(小)…2個
ゆで卵(半分に切る)…1個
パクチー…適量
【A】
ニンニク(すりおろす)…小さじ1
ショウガ(すりおろす)…小さじ1/2
コチュジャン…大さじ1
酢…小さじ1
練りごま…小さじ1
ハチミツ…小さじ1
醤油…小さじ1
ごま油…小さじ1
作り方
1.ボウルに【A】、ほぐしたサバ、4等分に切ったフルーツトマトを入れて和える。
2.素麺を表示時間通りに茹でたら、水で締める。キッチンペーパーなどで水気をしっかり取り、1に入れてよく和える。ゆで卵とパクチーを飾る。
今年の春は外出自粛の影響もあり、おうち時間が長くなりました。何か自分にできることはないかな、と考えて、Instagram liveの配信に毎日挑戦しました。 飲みながら、ゆるくおつまみを作る様子を配信したんです。
いつも作っているレシピがみなさんにとっては意外な発見になったり、逆に私が挑戦してこなかった「天ぷら」を、配信を見てくださっているみなさんに助けてもらいながら作りました。すごく上手に出来たんですよ、天ぷら作りの先輩たちがアドバイスをくださったおかげです(笑)。毎日続けることで、誰かが助けてくれるんだと改めて感謝したと同時に、私の中でも新しい学びになりました。
私にとってお料理やうつわは、お洋服のコーディネイトと同じ。あまり難しく考えすぎずに、とにかくいろいろと挑戦してみたいんです。お洋服も着てみて初めてわかることもあるから、お料理もとにかくうつわに盛り付けてみるといろんな発見があると思います。
こうしてコツコツ続けてやってきたことを、さらにブラッシュアップして、みんなが共感してくれたり、身近に感じてもらえたりするアイデアや楽しみ方をこれからもシェアしていきたいです。
(TEXT:上原かほり)
1982 年生まれ。モデル、女優、ラジオパーソナリティーなど幅広く活動。趣味は料理とマラソン。 「#みやれゴハン」として料理やうつわなどを紹介するインスタグラムが人気。 趣味のマラソンでは、横浜マラソン2016を3時間41分で完走の記録を持っている。 著書に『高山都の美 食 姿「したたかに」「自分らしく」過ごすコツ』と、第2弾となる『高山都の美 食 姿2「日々のコツコツ」続いてます。』がある。
高山都の美 食 姿「したたかに」「自分らしく」過ごすコツ
高山都の美 食 姿2「日々のコツコツ」続いてます。
Instagram>>miyare38