“クックパッド芸人”を自称し、自らのキッチンに1000品以上のレシピを掲載している「藤井21」さん。1人(ソロ)で作って1人で食べるという「ソロ飯」を日々楽しんでいるそう。藤井21さん自作のおすすめレシピと、悲喜こもごものエピソードをご紹介します。第21回のテーマは「キャンプ飯」。すっかりキャンプにハマった藤井21さんの簡単レシピをお届け!
はじめに断っておくと僕はキャンプ初心者だ。
日本全国民がインドア派になった自粛期間の反動で外に出たい気持ちが高まり、それがキャンプに向いた結果、僕も最近のブームに乗りしっかりと “にわかキャンパー”になった。
にわかなのでテントは3ヶ月前にネットの口コミやらを参考にして初めて買ったし、寝袋なんてものは未だに持っていない。薪割りする為の斧だってもちろん持ってないし、そもそも薪割り自体生まれてこの方した事ない。
ランタンも100円ショップで買ってきた単3電池を入れて点けるLEDのやつだし、鶏が丸々1羽入るようなダッチオーブンも持ってないし、アメリカンなサイズの骨付き肉を焼けるデカイBBQグリルも買う予定すらない。恐らく最近キャンプを始めた人の中でも最下層の装備力に位置しているんじゃないだろうか。
それでも僕は自分なりにキャンプを楽しんでいるし、最高だと思っている。
50ccの原付に荷物を積み込んで東京の端っこまで3時間のひとり旅。
都心から離れて行くと高層ビルが段々と低くなり、代わりに木々の背が高くなり緑が濃くなっていく。そして体感温度も少しだけ冷たくなる。
河原のキャンプ場に着くと、心の中で「ここをキャンプ地とする」と呟いて荷物を放り出し、大きめの石に腰掛けてしばらくエメラルドグリーンの川の流れを眺める。
5分で出来る一人用の小さなテントを設営したら缶ビールを開ける。あとはひとり川と緑を眺めてのんびりするだけだ。
小腹が空いたらつまみ代わりにちょっとキャンプ飯。
ビギナーキャンプにはダッチオーブンもBBQグリルも必要ないしナイフだって必要ない。
材料を全て混ぜてスキレットで温めるだけだから簡単だし、スキレットを使うだけでキャンプ感が出てるなと自己満足出来る。
外カリ、中しっとりでチーズはとろ〜りしてて美味この上ない。
そのままビールのおつまみでも良いけど、バゲットにどっぷりディップしたりしても美味しいから次は持ってこよう、なんて思いながらカリカリになった周りをこそいで食べる。
ちょっと焦げたくらいが旨味が増して、これもまたキャンプの醍醐味だ。
そうして暗くなってくると、両手のひらに乗るくらいの小さな焚火台に火を灯して川の音を聴きながらぼんやりと火を眺めてまったりとする。
ふと時間を見るとまだ夜の8時。
暗い夜ってこんなに長かったのかと感じる。
日々変わりゆく日常の中でゆっくりと進んでいく時間と自然の音を聞く最高の時間。
ダッチオーブンで丸鶏を焼いてないし、グリルでデカイ骨付き肉も焼いてないけど最高のキャンプ。
外には最高が溢れている。
※焚火や火の使用に関しては各キャンプ場のルールに従い、マナーを守って楽しみましょう。
料理と笑いで天下を目指す男性ピン芸人。
埼玉県東松山市出身。東松山のやきとりを愛し、東松山市親善大使「東松山市應援團」の一員。食品衛生責任者の資格を持ち、クックパッドには1000以上のレシピをアップしている。日本テレビ系列『ウチのガヤがすみません!』などに出演。
>>オフィシャルブログ「良い香りのある生活」