2020年9月に世界文化社から発売された 『おいしくなって保存もきく! 塩糖水漬けレシピ』 では、料理研究家の上田淳子先生が、ソミュール液やブライン液と言われるお肉を漬けると柔らかくなる液体「塩糖水」を日本風にアレンジし、使いやすいレシピと共に紹介している一冊です。本連載では、塩糖水のメリットから使いやすいレシピまで、気になる本書の中身をダイジェストでお届けします。
塩と砂糖と水を混ぜた液体に素材を漬けておくだけでおいしくなる「塩糖水漬け」。前回は実践編として「サラダチキン」のレシピをご紹介しました。
実はこの「塩糖水漬け」は、肉だけでなく魚にも使える調理法。すぐに調理をしないと、臭みが出やすい魚も塩糖水に漬けておけば2〜3日持ちするということで、使わない手はないですよね。
肉と同様の作り方で、鮭、たら、ぶり、鯛などあらゆる魚で「塩糖水漬け」ができます。今回はその中から「かじきのトマト煮」をご紹介。たっぷりのトマト缶でさっと煮るシンプルなレシピは、そのまま食べるだけでなく、粗く崩してパスタと和えたり、オムレツにのせてもおいしくいただけますよ。
かじきの塩糖水漬け…2切れ
(魚200〜300gの場合、塩小さじ2/3、砂糖大さじ1/2、水100mlに漬けたもの)
こしょう…適量
トマトの水煮缶(ダイスカット)…1缶(400g)
オリーブオイル…大さじ2
【A】
にんにく(みじん切り)…小1片分
玉ねぎ(みじん切り)…1/2個分
1. かじきの塩糖水漬けは水気をきってペーパータオルでよく拭き、半分に切ってこしょうをふる。
2. フライパンにオリーブオイル半量を入れて強めの中火にかける。熱くなったら1のかじきを入れ、両面をさっと焼いて取り出す。
3. 2のフライパンに残りのオリーブオイル、【A】を入れてしんなりするまで約3分炒める。トマトの水煮缶を入れてひと煮立ちさせ、弱火にして約5分煮る。かじきを戻し入れて約2分煮る。
洋風といっても、ムニエル程度で、忙しくてレシピを探すこともなく、いつも同じ料理を作ってしまいがちという方も多いのではないでしょうか? 本書では、西洋料理を研究されていた著書の上田さんならではの、簡単な洋風レシピも盛りだくさんです。
もちろん、「かじきの塩糖水漬け」以外にもいろいろな魚の切り身を使ったレシピがたくさん紹介されているので、飽きずに楽しむことができそうです。著者の上田さんいわく、魚の塩糖水漬けをフライにするのもおすすめ。生臭くなく、ふっくら柔らか、中まで味が染みているので、レモンを絞るだけで驚くほどおいしいとのこと。冷めても柔らかいので、お弁当にもぴったりです。
いかがでしたか? 特別な材料も不要で、難しい工程も一切ないので、今日からでも試せそうですよね。本連載は今回で最終回! ご紹介していないレシピはぜひ書籍でお楽しみください。
塩と砂糖と水だけでパサつきがちな肉や魚がふっくらジューシーに。
特別な材料は一切なし! 驚くほど簡単でおいしい! 魔法の調理「塩糖水漬け」。
パサつきが気になる鶏むね肉、加熱すると固くなる豚ロース肉、臭みとパサつきが気になる白身魚などが塩と砂糖と水を混ぜた液体に漬けるだけで、驚きのおいしさになります。
さらに、冷蔵保存で2~5日鮮度をキープ、冷めてもやわらかい、臭みがとれる、等いいことづくめ。
ほんのり塩味がつくだけなので、和・洋・中の様々な料理へと展開できるのも嬉しいポイントです。手作りハムやツナなどの作り方も紹介されているので、週末の作り置きにも役立ちますよ。
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調理師専門学校の西洋料理研究職員を経て、渡欧。ヨーロッパの日本のレストランなどで修行後、家庭でも再現しやすいシンプルフレンチや、無理しない「ふだんの食事」をベースに料理家として幅広く活躍する。プライベートではすでに成人した双子の母。子育てと仕事の両立経験を活かしたリアルなレシピが好評。