この時期、スーパーやコンビニに行くと必ず見かける「恵方巻き予約受付中」の文字。もともとは関西地方に根付いていた節分の行事食ですが、いまや全国的な行事食となりつつあります。
「恵方巻き」には、“福を巻き込んだ寿司を食べながら、一年の幸福や健康をお願いする”という意味があります。「一年の幸福を祈るなら、なぜお正月じゃないの?」という疑問がわいてきますが、その昔は「立春=年の初め」と考えられていたことに由来しています。
「節分」は立春の前日ですから、すなわち大晦日。そんな年と季節の変わり目に当たる「節分」に、明日からスタートする一年の無病息災を祈ろうというわけです。
「恵方巻き」を食べるときの作法は3つ。
恵方とは、その年の年神様がいる方角のこと。今年2015年の恵方は『西南西』です。
この方角は「十干十二支(じっかんじゅうにし)」と呼ばれる古い年の数え方が元になっていて、全部で60通りあり、毎年変わります。
「切る」という行為が「縁を切る」につながることから、縁を切らないためのゲン担ぎと言われています。
お願い事をするのに、おしゃべりしていては年神様に失礼!という礼節なんだとか。
さてここからは「恵方巻き」を作る作法について。
巻き込む具の数は、商売繁盛や無病息災を願うことから、「七福神」にちなんで「7種類」というのが、本来の数と言われています。
具に使う食材としてポピュラーなのは「かんぴょう」「でんぶ」「きゅうり」などですが、これを使わなければいけないという限定は、実はありません。ちょっと意外ですよね?
そんなわけですから、好きな具を自由に使って、手作りを楽しんじゃいましょう。
「手作りしてみたいけど、太巻き寿司は特に難しそう・・・」という不安、ありますよね?そんな不安に応えてくれる、巻き寿司初心者にやさしいレシピをご紹介しましょう。
酢飯は海苔の両サイドまできっちり敷き、巻き終りの2cmには酢飯をのせないこと。そして、小さい具から順にのせるのもポイントだそうです。
そして最近の人気は、なんといっても「恵方巻きスタイルのスイーツ」。それから斬新な「キャラ巻き」にも心惹かれます!
食べるときだけでなく、「ハッピーな一年になりますように♪」と祈りながら作れば、年神様もその熱い思いに気付いて幸運を運んでくれると信じましょう。(TEXT:大河原裕美)
参照サイト・参考文献
・日本文化いろは事典ホームページ
・『和の暮らしが楽しい!おうち歳時記』 中西利恵/監修(成美堂出版)
・『日本を楽しむ年中行事』 三越/著(かんき出版)