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コラム

【メリット・デメリットを比較】永遠のテーマ、住宅は購入と賃貸どっちがお得?

節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんの「食費節約レッスン」で、貯め上手・遣い上手になりましょう。今回は永遠のテーマ『住宅は購入と賃貸どっちがお得?』についてです。賃貸と購入を両方経験した丸山晴美さんのお話を元にそれぞれのメリット・デメリットについて考えてみましょう。

住居を賃貸か購入かにするかは永遠のテーマとも言えます。さまざまなところで試算をしても、結局は賃貸でも購入でも生涯にかかる住居費用はあまり変わらないと出ます。最終的にはご自身の価値観が賃貸か購入の分かれ道になるでしょう。

私自身、賃貸と購入を経験しています。また、購入した物件に住み、その物件を住宅ローン完済後に賃貸に出す経験もしています。賃貸、購入それぞれにメリット・デメリットがあります。それぞれを踏まえながら自身のライフスタイルやライフプランを考えながら決めるとよいでしょう。

購入のメリットとは

最大のメリットは、「買った家が資産として残る」点でしょう。 住宅ローン返済が終了すれば、毎月の住居費は大幅に少なくなり、老後を「マイホーム」で暮らせるのは大きな安心となり、自分の家という意識が持てて、生活にハリが出る人もいるでしょう。そしてまた、繰り上げ返済をすれば、利息の軽減効果もあり、住宅ローンの総額を減らすことも可能です。

そして住宅購入時に団体信用生命保険に加入することで、住宅ローンを借入した人に万が一あったときも、保険が適用されて以降の住宅ローンが免除されるため、他の家族が家を追われることはなくなることもメリットと言えるでしょう。

購入のデメリットとは

住宅購入のデメリットは、いくつかありますが、大きな壁は、頭金でしょう。購入時の頭金の目安は、物件価格の3割が基本(2割が頭金+諸費用1割)です。4000万円の物件なら1200万円となり、そう簡単には用意できる金額ではありません。

頭金なしで買えることもありますが、借入額が多くなり、夫婦共働きが前提である住宅ローンになってしまうなど、家計に占める住宅ローンの負担が大きくなります。そしてまた、住宅ローンの返済年数が35年など長期に渡るため、借入時期によってはリタイア後も住宅ローンの返済が残ることもあります。

毎月支払う金額も、一戸建ての場合は住宅ローンくらいですが、マンションの場合は管理費・修繕積立金の支払いが加わります。マンション・一戸建てともに、固定資産税や都市計画税といった税金も毎年かかります

また、戸建てやマンションでも同様、住宅は老朽化するので、経年にあわせたメンテナンスやリフォーム費用も準備しておかないといけません。これは数十万〜数百万円という大きな費用が必要です。

お金以外にも、購入すると近隣トラブルなどがあっても、簡単には移動しにくくなる点や、失業などで世帯の収入が減っても、住居費を減らしにくいことなどはデメリットと言えるでしょう。

賃貸のメリット

賃貸住宅を借りる場合に最初に必要な費用は、敷金・礼金・仲介手数料などで、合わせて家賃の4カ月~6カ月分程度が目安。地域によっては2年に1回などの更新料を支払う必要がありますが、それでも購入に比べれば一度に払うお金はそれほど多くはありません

賃貸は、期間契約なので住み替えることが購入に比べて簡単です。ご近所トラブルにあっても、家族の人数が増えても、収入が減っても、転勤になってもその時のライフスタイルやライフステージに合わせて住み替えができる身軽さは、賃貸ならではのメリットと言えるでしょう。

また、固定資産税は不要ですし、軽微な修繕や故意に壊してしまった際の修繕費用はかかっても、経年劣化による修繕費用などを準備する必要はありません。自身が準備するのは更新料や次の引っ越し先の引っ越し費用でしょう。礼金や更新料がない物件や勤務先の家賃補助が受けられるのであれば、さらにコストは抑えられます。

賃貸のデメリット

賃貸のデメリットは「賃料をいくら払っても自分のものにはならない」これに尽きるでしょう。つまり、賃貸は一生家賃を支払い続けることになります。老後を迎えるまでに住宅ローンが支払い終わっていれば、住居費の負担が減りますが、賃貸の場合は、老後の生活費だけでなく住居費も用意することが必要となります。

また、現状では高齢者は賃貸住宅を借りにくいことから、老後の不安につながるでしょう。しかし、今後は高齢化がますます進み、将来的に高齢者向けの住宅が増えるでしょう。また、空き家が増えることで、安く買ったり、借りることもできるようになるため、賃貸の場合は「老後の生活費」に加え、「老後の住居費」も蓄える必要があり、それを踏まえて老後のプランを立てることが大切です。

どちらを選ぶかは自分次第

購入、賃貸どちらもメリットデメリットがあります。そして、どちらを選んでも正解と言えるでしょう。現役で働いているうちは賃貸、リタイア時に住宅購入などライフプランに沿って賃貸と購入を分けることもできます。また結婚や出産などの人生の節目と言われるときにも賃貸と購入を考える場面がでてきます。また気に入った物件がたまたま賃貸だった、分譲だったといったところでも変わるかも知れません。価値観は人それぞれ、その時その場面で変わることもありますので、メリットデメリットを考えながら、周囲の意見や状況も考えながら選択しましょう。

丸山晴美さん

旅行会社、コンビニ店長などを経て2001年節約アドバイザーとして独立。節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。食費はもちろん生活全般の節約術・ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなど様々なメディアで活動中。
公式ホームページ「らくらく節約生活」はこちら>>

※ メイン写真はこちらの記事をイメージして選定させていただきました
画像提供:Adobe Stock

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