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コラム

おいしいだけじゃない!美腸に役立つ「新玉ねぎ」の食べ方って?

【体の内側からキレイを目指す!美腸ライフVol.14】食と健康のエキスパート・管理栄養士の藤橋ひとみさんが「腸活」に関する豆知識をお届けする連載。「腸」は美容・健康の鍵を握る臓器。様々な心身のトラブルの解消のために日々の食生活の中で継続して実践できるメンテナンス術を分かりやすくご紹介していきます。

だんだんと暖かくなり、梅や桜などの花も咲き始め、春の訪れを感じるようになりました。この時期になると、芽キャベツやたけのこ、アスパラガスなど、店先に続々と春が旬の食材が出てきますが、その中でも人気がある旬の野菜の1つが新玉ねぎです。

みずみずしくて生で食べてもおいしい、この時期ならではの食材ですが、その魅力はおいしさだけではありません。実は、美腸づくりにもぴったりなオリゴ糖のほか、私たちの健康に役立つさまざまな栄養成分が含まれているのをご存知でしょうか?

今回は、そんな新玉ねぎを無駄なく食べる方法をお伝えします。

「新玉ねぎ」って普通の玉ねぎと何が違うの?

実は、新玉ねぎも普通の玉ねぎも品種は同じ。違うのは出荷されるタイミングです。通常の玉ねぎは、日持ちを良くするため、収穫後1ヶ月ほど乾燥させてから出荷されますが、新たまねぎは、乾燥させずにすぐに出荷されることから、みずみずしくて肉質が柔らかく、辛味が少なく感じられます。

玉ねぎの旬の時期は、北海道産は秋冬(9月〜翌3月)、本州産は春夏(4〜9月頃)なので、通年で出回っていますが、新たまねぎは、3~4月頃に出荷される早取りの玉ねぎの総称です。新たまねぎと通常のたまねぎに、栄養成分の違いはほぼありません。 [1]

新玉ねぎに含まれる、注目の栄養成分とは?

玉ねぎには、ビタミンB6、葉酸、パントテン酸、ビタミンCなどの水溶性のビタミン類や、カリウムなどのミネラル類、食物繊維などの栄養素など、さまざまな栄養成分が含まれていますが、その中でも特に近年注目されている機能性成分をご紹介します。[2]

美腸づくりに役立つ「オリゴ糖」

オリゴ糖は、今話題の腸活に役立つ栄養成分。私たちの腸内にすむ善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える働きがある「プレバイオティクス」の1つです。玉ねぎには、オリゴ糖だけでなく、同じくプレバイオティクスとして腸内で働く食物繊維も含まれているため、美腸づくりにぴったりの野菜と言えるでしょう。[3]

血液をサラサラに導く「硫化アリル」

「玉ねぎ=血液サラサラ」というイメージがある方も多いと思いますが、玉ねぎの辛味の元であり、独特のにおい成分である硫化アリルがその鍵を握っています。コレステロールの代謝促進や血栓予防をサポートし、動脈硬化の予防につながる働きがあるといわれています。[4]

抗酸化作用がある「ケルセチン」

玉ねぎに含まれるポリフェノールの一種であるケルセチンには、強い抗酸化作用があり、細胞を酸化ストレスから守り、がんや動脈硬化などの生活習慣病の予防につながる働きがあると言われています。[4]

栄養を逃さない!効果的な食べ方や調理のポイントは?

やっぱり、生が1番!

硫化アリルや水溶性のビタミン、ミネラル類は熱に弱く、水洗いや加熱など調理の過程で失われる恐れがあるため、生のままが一番効率的に摂ることができておすすめです。[4]

水にさらす、塩もみはもったいない!

生で食べる際に、辛味をとるために水にさらしたり、塩もみをして下処理をしたりすることが多いと思いますが、硫化アリルは水に溶けるため、水にさらすことや塩もみはせず、切った後30分程度放置してから食べると、より効率的に摂ることができます。 [4]

組み合わせを工夫して、さらに美腸パワーを高めよう!

美腸ライフにおすすめしたいのが、発酵食品との組み合わせ。玉ねぎに含まれるプレバイオティクス(食物繊維・オリゴ糖)に、発酵食品に含まれる有用菌(プロバイオティクス)やその生成物(ポストバイオティクス)と合わせて摂ると、より効果的に腸内環境の改善に働きかけてくれます。

納豆と和えたり、味噌やお酢を使って作ったドレッシングをかけたサラダを作ったりと、組合せや調理法を工夫して、春の美腸づくりに生かしてみてはいかがでしょうか?[3]

※ メイン写真は記事をイメージして選定させていただきました
画像提供:ピクスタ

管理栄養士 藤橋ひとみ(ふじはし・ひとみ)

I’s Food & Health LABO.代表。フリーランス管理栄養士として、商品開発やレシピ開発、コラム執筆やメディア出演、コンサルティング等、幅広く活動中。同時に、東京大学大学院にて医学博士取得を目指し、栄養疫学の研究に取り組んでいる。大のお豆腐好きが高じて、豆腐マイスターの認定座学講師として、国内外で日本の豆腐の魅力を伝える活動をしているなかで、その原料である大豆自体への興味が深まり、大豆関連の資格の制覇を目指し、学びを深めている。
近年は特に、豆腐を作る際に同時にできる「おから」に注目し、日本人に必要な食物繊維の宝庫でもある「おから」を、有効活用できる方法を広げる活動に注力している。著書に「おいしく食べてキレイになる!おから美腸レシピ(ベストセラーズ)」がある。

●所有資格
管理栄養士、調理師、製菓衛生師、豆腐マイスター、食育豆腐インストラクター、豆乳マイスタープロ、おから味噌インストラクター、ソイオイルマイスター、おから再活プロデューサー、インナービューティープランナー、ほか

【ホームページ】https://is-food-health-labo.com/
【ブログ】https://ameblo.jp/hitomi880807

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