【気分が上がる台所 Vol.2】お気に入りのうつわや調理器具、食材、調味料…… 時に億劫にもなる毎日の料理を楽しくしてくれる“モノ”たちが、台所に立つモチベーションを上げてくれることもあります。「料理を全くしない人」だった影山由美子さんが、“キッチンアイテム沼”にハマるに至った数々のエピソードをご紹介。第2回目は、「うつわ沼」のお話をお届けします。
こんにちは。クックパッドで、料理が楽しくなるオンラインマルシェ『Komerco(コメルコ)』の中の人をしている影山由美子です。
連載第1回目では、私が料理するきっかけを作った鍋「ストウブ」についてお話しましたが、今回はその直後に足を踏み入れた「うつわ沼」のお話です。
料理をするようになり、私が次に気になってきたのが、できた料理を盛り付けるうつわ。
当時、私が持っていたうつわといえば、独身時代に近所のスーパーで買ったうつわばかりでした。大皿2種類・銘々皿・豆皿・お茶碗・お椀をそれぞれ2枚ずつ。気に入って使っていたうつわですが、急に飽きが出てきました。
昨年の緊急事態宣言の際、私の周囲でも自炊が増えた人が多くいました。中には、今まで自炊をほとんどしていなかった人もいたのですが、その方たちも言っていたのが「料理をするようになると、次はうつわが欲しくなる」ということ。
料理をするようになるとうつわが欲しくなる、というのは誰もが抱く自然な欲求なんでしょうか……?
そんな欲求に身を任せるままに、うつわ沼にはまって約10年。果たして、現在の我が家には豆皿から大皿まで、ざっと2000枚以上のうつわがあります。
「うつわ沼」と言っても、その中にはさまざまな小沼があるんですよね。
私自身の小沼歴をたどると、刷毛目・粉引・飴釉・染付・輪花・織部・豆皿・オーバルプレート・弁当箱・蓋物・北欧系ブランド・洋食器・ガラス……と、覚えているだけでも、まぁさまざまな小沼を旅してきました。
今、現在進行中の小沼はスープマグです。スープマグって、なんであんなにカワイイのでしょうね〜。 ついつい集めてしまっています。
ふたり暮らしの我が家には多すぎるうつわたち。「不要なうつわはないの?」なんて聞かれることも多いけれど、どれもこれも愛着があり、なかなか手放せません。
実は昔、後輩にうつわを譲ったことがあるんです。白地に青いお花があしらわれた、かわいい洋食器プレートでした。
私は長いこと使っていなかったし、彼女の食卓に合いそうだったので譲ったのですが、その彼女が早速、週末のブランチでそのお皿を使い、インスタグラムに投稿していたんです。それを見たらとっても素敵で!
彼女の食卓にやっぱり合うな〜、とうれしく思いつつも、譲ったことをちょっぴり後悔(笑)。それ以来、自身で迎えたうつわは、手元に置いておこうと心に決めています。
私がクックパッドに来て、料理が楽しくなるオンラインマルシェ『Komerco(コメルコ)』という事業を始めて驚いたのが、「うつわをネットで購入すること」に躊躇する方の多さでした。
冷静に考えれば、ネットだと実際にうつわを見て、触れることことができないので、テクスチャーやサイズがわからないから、という理由も納得です。
しかし、私自身は長くIT業界にいることもあり、うつわ沼に足を踏み入れたのはネット購入からでした。
当時はまだインスタグラムもなかったので、ググってネット通販をしているギャラリーさんのサイトを探したり、楽天を見たりしながら、うつわを探していました。
うつわ初心者だったのでサイズを見ても感覚がわからず、届いたら全然大きかった!小さかった!なんてことが、たくさんありました。
あと、デザインが気に入って買ってはみたものの、自分のつくる料理や、すでに持っているうつわと合わずに、うまく使いこなせなかったり。結構、失敗していたな〜……。
ただ一つ「良かったな」と思うのは、当時の私はうつわの産地もブランドも相場感もわからなかったので、自身が好きなデザインで探せたこと。
好きだと思って買ったら九谷焼だったり、京焼だったり。「情報」から入るのではなく、「自分の好み」からうつわの理解を深められたのは、とても楽しい学びでした。
その後、作家さんの個展に足を運んだり、陶器市に行くようになったり。各地で開催されているマルシェイベントにも出かけるようになったり。
そんなことを繰り返していくうちに、自分に合ううつわの選び方がわかってきて、失敗も減りました。
インスタグラムを使い始めると、自身が買ったうつわを投稿して反応をもらうのがうれしくて、また同じようなうつわ沼にハマっている皆さんの投稿で新しいうつわに出会うのも楽しくて。うつわの楽しさがより増幅するとともに、新たな小沼を見つけたり。
さらに今は『Komerco(コメルコ)』という自身の事業で、日々新しいうつわと出会うのでお財布の紐が緩みっぱなしです(苦笑)。
かくして、我が家のうつわの数が増えていくわけですが、うつわが良くなると私自身の料理モチベーションは格段に上がります。
うつわに合わせてつくりたい料理も増えるし、ちょっと料理を失敗してもうつわがカバーしてくれる気がします。
そして何より、私の料理に対する家族の反応も変わってきます。「お店みたい!」と喜び、おかわりをしてくれた時のうれしさは、今でも忘れられません。
食洗機で洗えないうつわも多いし、手間が増えることもあるけれど……うつわで拡がる料理の楽しさが勝ってしまい、私は今日もせっせとうつわを愛でるのです。
夫と犬二匹と葉山ぐらし。何でも形から入るタイプです。
いかに簡単に、見栄えの良い料理を作るかが自身のテーマ。最近、旦那が料理に目覚めた。
うつわ好きすぎて2,000枚以上集め、料理道具好き、調味料大好きなマキシマリスト。
料理が楽しくなるオンラインマルシェ『Komerco(コメルコ) by Cookpad』 中の人です。
【Web】https://komer.co/
【note】Yumico Kageyama
【Instagram】@yumico_kageyama
調味料、食材、料理道具、うつわやカトラリーなどの“料理が楽しくなるモノ”が買えるオンラインマルシェ『Komerco(コメルコ)』。自身の手でつくるモノで料理を楽しんでほしいと願うクリエイターさんから、Web、スマートフォンアプリで直接お買い物ができます。
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【Komerco Instagram】
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